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読後、さあ私も頑張ろう!と思える爽快な風吹くお話でした。
縁あって?偶然あの世へ踏み込むことができるようになる主人公環。家族に会えるあの世へ行くことは彼女にとっては家に帰るようなもので、その手段として走ることを始めます。
俗な気持ち、更には個々の境界まで溶けて行く家族の描写は本当に苦しかった。でもそれを怖がるだけでなく受け止められるようになる、身体と一緒に精神も強くなっていく様子に感動しました。何より前向きにだから生きようとする姿勢になれたことに。
人はみんな何かしら抱えているもので、だからいざこざだって起こるけど、それでもそのまま、その人らしくいることが生きているってことなんだと思えた。
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家族を失った孤独な女子がある事のためにマラソンを始め成長してくお話。ちょっとSFっぽい要素あり個性的な仲間との友情あり恋あり家族愛ありの物語…ラストがあっさりだけど面白かった。「ラン=走る=生きる」なんですね、読後感もいい。
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タイトルと爽やかな青の表紙から勝手にスポーツ青春ものだと思ってたのですが!
あまりのイメージの違いに戸惑いました。え?異世界もの!?
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-856.html
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ランってタイトルだから走る系の体育系とは思ったけど、スポ根じゃなく、まったくの素人たちがそれぞれの理由でフルマラソンを目指す話です。主人公はなんと死の世界に行くため。
設定が森絵都の「カラフル」に似てるからどうしても比べちゃいますね。こちらも面白いし、最後は感動するけどもう一捻りほしかったかなー。
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「一瞬の風になれ」、「風が強く吹いている」と同じ系列かと思いきや、結構ファンタジーな作品でした。
主人公・環が自転車(モナミ一号)がなくても、あの世と行き来できるように、40kmを走れる体力をつけるため始めたランニング。
伝説のランナー・ドコロさんのチームメイト8人はそれぞれの目標を持って、久米島フルマラソン参加に向けて練習する話。
個性的な登場人物ばかりだつたから、あの世の話よりも、それぞれのキャラのストーリーを濃くしたほうが好みだったかな。
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泣ける。
主人公環が、あの世とこの世を行き来しながら、地に足をつけて懸命に生きようとする青春ファンタジー。
マラソンチームという小さなコミュニティを通して、社会で生きることの大切さを色々教えてくれる。また、自分との戦いに挑戦しながら成長していく様子に強く生きる力を与えてくれる気がした。
森さんの作品は、ずいぶん前にカラフルを読んだことがあるんですけど、それと似てる感じがしました。
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一言で言うと青春群像物ですが、登場人物も対象も大人。
中学・高校の時にほとんどの作品を読んだ森 絵都さんの大人物語。
以前の作品は青春と葛藤がテーマでしたが、今作では人生と葛藤にバージョンアップしたかと思います。
ただ、すがすがしさはかなり控えめで、ちょっとありがちな思いテーマが連続していきます。
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作者も作品も知らない状態で、クローズ間際の新宿ジュンク堂でジャケ買いした作品。
緻密な情景や心理描写は多くなく、会話と心の声中心、コミカルなタッチでユーモアもふんだんに散りばめられ、純粋に面白い。
孤独でネガティブな「あの世寄り」の主人公が、後ろ向きな理由からみんなでフルマラソンを目指す過程の成長物語で、読んでると力が湧いてくる。
特に主人公のライバルの真知さん、初出時は超絶イヤな役なのに、後半はずるいぐらいおいしいところを持って行き、カッコよく思える。
走りたい!
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著者の作品は初読。
登場人物の細かい描写なんかは少ないんだけど、キャラがたっていて非常に魅力的。
登場人物は後ろ向きな理由や自分を美化するため、欲望のため、色んな理由で走りだす。理由はなんであれ、自分の力で前に進む事が生きているという事。ゆっくりでも止まらない事が重要。
自分は今、走っているのか、歩いているのかと考えさせられました。
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硬派な作品の後だったせいか、読み出しはちょっと、いや大分かったるかったです。選ぶ本を間違ったか、と参考にしたランキングを少し恨んだりして。
同作者の作品は、「風に舞い上がるビニールシート」以来(のはず)。随分文章の感じが違うな、というのも第一印象の一つ。
どちらが「らしいのか」の判断がつくほど、この作者の本を読んでるわけではないので、これはこれと思いつつ読み進めました。
荒唐無稽な話だと、私は思います。
でも人は色んな人と関わらなきゃ生きていけないんだな、とクスッとさせられたりホロッとさせられたりしながら、ジワッと沁みます。
終わりから数章の、身体の中にホワッと温かさが灯る感じは、「風に舞い上がるビニールシート」を読んでた時と同じ感じかな。
面白かったし、爽やかな気持ちになれます。
何かを始めようっていう春に、向いてる1冊だと思います。
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死んだ人間、生きてる人間。
そこにはハッキリとした隔たりがある。
いろんな思いを抱えたまま離れ離れになってしまうと、そのままでは次に進めない。
輪廻転生があるかどうかはわかないけれど、【そういうこと】なのかもしれない。
【内容】
9年前、家族を事故で失った環は、大学を中退し孤独な日々を送っていた。
ある日、仲良くなった紺野さんからもらった自転車に導かれ異世界に紛れ込んでしまう。そこには亡くなったはずの家族が暮らしていた。
やがて事情により自転車を手放すことになった環は家族に会いたい一心で"あちらの世界"までの道のりを自らの足で走り抜く決意をするが…。
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「こよみが逝き、紺野さんが去り、私はモナミ一号と出会う」
こんな章から物語は始まります。
主人公の夏目環は事故で家族を亡くし、
大学を中退して孤独な日々を送っていました。
そんな時に出会ったこよみという猫と、
こよみの飼い主で自転車屋さんの紺野さん。
彼らは環の心の拠りどころとなりましたが、
そんなこよみも亡くなり、紺野さんも引っ越していき、
残されたのがモナミ一号という自転車。
モナミ一号は環を、家族がいる死後の世界に
連れていってくれます。
その後、自転車ではなく、自分で走って
家族に会いにいくためにマラソンを始めた環は、
少しずつ、自分で自分の人生を走る力もつけていきます。
森絵都さんの魔法にかかる一冊。
私は森絵都さんの本で3冊好きなのをあげるとしたら、迷わず
『つきのふね』と『宇宙のみなしご』と、この『ラン』を選びます!
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この本時間かかったなー。
生と死の世界を行き来して、成長していく物語。
生きていようと、死んでいようと、人と人との関係に永遠はない。
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何か現実味のない、あの世とこの世のつながりは面白かった。
最後、みんながどうなったかが分からないままだったから気になるー!
この小説読んで、マラソンやってみたいなー、なんて少し思ったりした私って単純かな?w
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主人公の環は不幸にして家族を一度に三人も亡くしてしまった過去がありますが、
その過去がなかなか拭えなくいつまでも自分は不幸で寂しいと思っていました。
そして仲良くしていた人たちも周りからいなくなってしまい
余計に心がしゅんとなってしまったのはとても同情できます。
私は一度には家族を亡くしてはいないですが、
両親が他界しているので環の家族を失った寂しさや悲しさは
痛いほど分かります。
でもいつまでも後悔の念を持っていては前に進まないのだと
改めてこの作品で背中を押されたような気がします。
作品中の中にもあったように
もしもあのときああだったら。
もしもあそこでああしていれば。
この「たら」「れば」は人生を後ろ向きにさせるってことを・・・
たまたま貰った自転車に乗ったら異次元の世界で、
そこに行くために自転車のペダルをこいでいた環。
そこからもっと力強くその地点に行けるようにと
何の接点もなく見ず知らずのマラソンチームに入ることになり、
そのチームでのメンバーのお蔭か少しづつ環の心境が変わってくるのが
目に見て分かります。
マラソンチームの目標は初めは小さな所からだったですが、
コーチと呼ばれる人からノウハウを教えてもらうと
マラソンを始めたきっかけがそれぞれ違うメンバーだったですが、
最後はみんな一つの目標に目指すところがとても壮快でした。
人は生きていようと、死んでいようと形がなくても
人と人との関わり合いは無くなるものではないということ。
そしてどんなに苦しくてぼろぼろになっても、
最後にはみんなが待っている場所にいけるんだということ。
生きていくのに辛くなった時にこの言葉を思い出せれば、
きっとなんでも乗り越ええゆけるだろうなと思いました。
前半はスローペースな感じですが後半からはまるでマラソンのように
ストーリーの展開が早くなるのでこの作品自体がマラソンみたいです。
とてもすがすがしく生きていくことがさらに前向きになるような作品でした。
私の人生もまだまだこれから走らないと・・・と思わされました。