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思わずやってしまう状態を作りだす「仕掛け」論。
子供が飲み込まないように、リカちゃん人形の小物には苦い味がつけてあるってのは知らなかった。
ギブソンとノーマンのアフォーダンスの違いについて注で言及しているほどなのに、レッシグのアーキテクチャについての言及がないのは、バランスが悪いように思った。
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・要約
★私見
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★タイトルを見て、痴漢防止の看板を思い出した。「痴漢は犯罪です」よりも、「皆様のおかげで犯人を捕まえることができました」の方が犯罪が減ったという事例。
★本書は仕掛け例の紹介と分析を書いた本であるが、分析の際に同じ仕掛け例ばかり取り上げるので中だるみした。
★厚めの本であるにも関わらず、情報量がとても少ない。文字数をカサ増しした上に、文章間の空白も余分に取っている感じ。よく言えばさらっと読めるが、物足りない。
★とはいえ、家庭や仕事の仕掛けを考えよう、と思い立った点では役に立った。
・p16 運動や減塩など「した方が良いこと」はなかなかしないので、「ついしたくなる」仕掛をつくるといい。
・p21 仕掛け例:子供のおもちゃ箱の上にバスケットゴールを設置することで、お片付けがゲームになって捗る。
★似たようなものを作ろう。スペースの都合があるので、赤いポスト型とかかな?
・p57 仕掛け例:コインが面白い動きをする募金箱には募金しやすい。
・p72 仕掛に乗る負担が大きくて持続性が低い(飽きやすい)仕掛けは観光地などに向く。仕掛にも向き不向きがある。
仕掛けに乗る負担が少ないのは、男性トイレの的当てなど。
仕掛に乗る負担が大きいのは、エスカレーターの代わりに階段を登ることなど。
・p150 仕掛けの思いつき方:行動の類似性を使う。
ゴミ箱に「捨てる」→似ている動詞→「投げる」→連想されるもの→「釣り」
ゴミ箱に「釣り」→連想→魚拓をとれるゴミ箱
・p154 仕掛けの思いつき方:五感を組み合わせる
ゴミ箱+「視覚」→連想→ゴミを入れると◯◯が変化して見える
・p164 仕掛け例:真実の口の中に手を入れるとアルコール消毒噴射
・p165 仕掛け例:上から垂れている紐の出所を見ると広告がある(人間釣り)
★私がやっている「ながら家事」は、誘導性が低いものの、仕掛けと言って良さそうだ。
例1:きれいにした洗面台に布巾を置いておく
各自がきれいな状態を保とうと、使用後に布巾がけをしてくれる。
例2:階段にクイックルワイパーを置いておく
階段を使うときに、ワイパーで掃除しながら昇り降りする。
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ボタンがあると押してしまう。小便器に的があると、狙ってしまう。ゴミ箱の上にバスケットゴールがあると、ねらって投げてしまう。
こんな「仕掛け」を学問領域として立ち上げた著者の最初に一般向けの本だそうである。カバーをめくった袖のところにスタンフォードの教授の紹介文があるが、英文では「Shikakeology」となっている。
本を通して、著者が収集した様々な仕掛けが写真付きで紹介されているのが楽しい。
心理学や行動経済学にも関わってくるのかな?でもマーケティングとかコミュニティのイベントなどにもすぐ応用できて、実践的。行動を誘引する面白いアイデア、にとどまらずそれを整理して体系化しているところが「学」なのだろう。
仕掛けというものの定義を次の様に定めている。
−誰も不利益をかぶらない。
−行動が誘われる。
−仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる。
たとえばバスケットボール型ゴミ箱は、仕掛ける側はゴミをゴミ箱に入れてほしいだけだが、仕掛けられる側はゴミを投げ入れるゲーム性が楽しいだけなのである。
第二章では仕掛けを分類することで整理し、どのような構成要素が存在しているかが例示とともに紹介されている。
第三章では、整理された仕掛学を元に、仕掛を発想する方法が紹介されている。
さすが研究者というべきか、きちんと引用がされているし、注釈も細かくついているので、気になっても深めて読むことができる。
学問としての研究の発展性というよりは、社会をよくするための手法という感じ。しかし、仕掛の発想そのものは小さなことだけではなく、政策にも応用できうるものなので、この考え方は取り入れたい。すなわち、必ずしも政策を打ち出す側の目的と行動する側の目的が違っても、仕組みが動けばOKなのである。頭を柔らかくして問題解決する。著者の問題意識の持ち方が素敵である。
冒頭に出てくる文章は研究者として肝に銘じておきたい。
「世の中の事象のほとんどはデータになっていないという当たり前のことに気づいた。」
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タイトルに惹かれて購入。
人を動かすアイディア=「ついしたくなる」仕掛けの数々が紹介されている。
どのようにすれば行動を変化させられるのか。
そんな仕掛けを発見方法から仕組み、原理、発想法まで解説。
しかし難しいことではなく基本原理さえ知ってしまえば誰でもできると思える。
2~3時間で読めるボリュームながら新たな発見の多い著書です。
街やそこら辺を歩きながら仕掛を見つけるのも楽しみになりました。
仕事なんかで人を間接的に伝えて問題を解決する時のアイディア出しに役立ちそうです。
#2017年4冊目
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「仕掛学」(松村真宏)読了。難しいえば、工学、デザイン、行動心理学などの総合科学。簡単に言えば、おもろそうでやってみたくなる(やめときたくなる)もの、つられる仕組みですね。つられる方は楽しいけど、作るのは柔らか頭が必要。その例がこのyoutube動画。
https://m.youtube.com/watch?v=cbEKAwCoCKw
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ついしたくなるものを学術的に再定義した本。一応体系的に理解できる構造を提示しており、考え方の1つとして知っておくのはありかも。参考図書やおすすめの図書を漁るのは楽しそうなので漁ろうと思う。
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トイレの便器にシールを貼ることで、飛び散りを減らすというのは公共のトイレでよく見るが、そういうことを含め「仕掛」学と定義していくのはなかなか面白い所に目をつけているなと思った。
しかし体系的にまとめているが「被視感」など造語と思われる言葉もあり、まだまだ練れていない(よく言えばこれからの学問)事やその面白さがこの本ではあまり伝わってこなかった。
とても期待していたのでその点は残念だった。
本書では問題解決に繋がる時行動を誘うきっかけになるもので、
下記3要件を満たすものと定義している。
・公平性(誰も不利益をこうむらない)
・誘引性(行動が誘われる)
・目的の二重性(仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる)
そして良い仕掛けと言うのは「行動の選択肢を増やす」だけで「行動を強要しない」と言うのはなるほどと思った
仕掛けを分類すると下記の通り。
大分類は物理的トリガーと心理的トリガーに分かれる。
物理的トリガーの中分類にはフィードバックとフィードフォワードに分かれる。
フィードバックの小分類には視覚、触覚、嗅覚、味覚、視覚に分かれる
フィードフォワードの小分類にはアナロジーとアフォーダンスに分かれる。
心理的トリガーの中分類には個人的文脈と社会的文脈に分かれる。
個人的文脈の小分類には挑戦、不協和、ネガティブな期待、ポジティブな期待、報酬、自己承認に分かれる
社会的文脈の小分類には、被視感、社会規範、社会的証明に分かれる
最後に著者のプロフィールを見たら自分よりも年下だったのは驚いた。
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チラシを手に取ってもらいたい時は鏡の前に置く(自分を見るために鏡に近づいたついでにチラシを手にする)とか、小便器に貼ってある虫のシールとか、ちょっとした仕掛けで人の行動を操作しようという仕掛学
行動経済学で言い尽くされたような内容が多い?
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仕掛学という、聞き慣れない言葉に惹かれて本書に手を伸ばした。一言で言うなら、アイディアの塊であり、アイディアの生み出し方とそれを形にした実例をまとめた内容だった。言葉ではイマイチわかりにくいところを、百聞は一見に如かずとばかりに、実際の写真を多数載せてあるために門外漢でもわかりやすい。
「仕掛けは行動の選択肢を増やすもの」とあるように、自らの意思でそれを選んで行動する必要がある。実際の自分の生活に活かそうと思ったら、相当知恵を絞らないといけないが、その方法(アイディアの出し方)も載っているので、参考にしていきたいと思う。
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男性用小便器につけられた的、バスケットゴールのついたゴミ箱、上ると音がでる階段……「ついやってみたくなる」「その結果、いいことがおこる」という仕組みを定義する。すなわち、
公平性:誰も不利益を被らない
誘因性:行動が誘われる
目的の二重性:仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる
こうした定義のもと、世の中にあるいろんな「仕掛」について紹介していく。
170ページ程度とわりと軽い。写真も30点以上納められている。やはり見ないとわからないし。
中身はよく整理されていて、頭のいい人が書いたんだろうなと思えるが、もっといろんな具体例紹介があったほうが、読む楽しみはひろがるなぁと。
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個人的に興味を持っている、どのような仕掛けをすると人は動くのかという点から、まさにドンピシャのテーマだと思って購読。バスケットゴール付きのゴミ箱、ピアノの音が出る階段、立ち小便防止の鳥居マークなど、様々な仕掛けを分析し、そのエッセンスが解説されている。これはこれで面白いのだが、やはり事例が少ないのと、「仕掛け学」としては始まったばかりで、もっと分析が深まるととても面白いと思う。世界中の事例や工夫をもっと学べるとよいなあ。
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デザインのアイデアに関する研究。内容はかなり平易。
具体例が結構あるのが良かった。原理分析については、メモったが活用できるかどうか…やってみないとダメですね。
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心理学でも「つい自ら進んで動きたくなるような仕掛け」の話については聞いたことがあるのだが、それを1つの「学問」領域にまとめようとしている学者さんが、一般向けに分かりやすく書いた本という事で手に取ってみた。そのとおり確かにわかりやすく、興味深く、おもしろく読めた。
第1章「基本」、第2章「仕組み」については参考になったが最後の第3章「発想法」についてはちょっと薄かったかな…。でも、街にあるいろいろな仕掛けについて、この本での仕掛けの分類を考えながら改めて注意深く見るようになると思うし、自分でできることについても、とりあえず、だんなと息子がつい自ら進んで部屋を片付けたくなるような仕掛けについて、早速それぞれの行動を改めて観察をしてみたい。
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仕掛学とはなるほどそういうことか。
上手く乗っかっちゃいます。
特にトイレの的は上手く出来てると感じたものです。
様々なことに応用出来れば面白いし、既に沢山やられています。
こんな風に考えてると、ふとアイデアが浮かぶかも。
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人の動きを操るちょっとした仕掛けについて、まとめられた本。男性トイレにおける、的、小便禁止の張り紙よりも、鳥居マークの方が効果的など。ちょっとした心理をつけば変えられる行動の仕掛けについて。内容は軽くて良いが事例はやや少なめ。以下抜粋。
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・背表紙を「並んで一枚の絵」になるようにしておけば自然と順番に並べたがる心理が働く。
・「ついついしたくなる」ように仕向けることは不確実性を含むので遠回りに感じるかもしれないが、正攻法が効かない場合は有望なアプローチになる。
・身だしなみをキにするの自己認識の一つの現れ。実験でチラシスタンドの上に鏡を置いておいただけで、鏡を設置しなかったことに比べ2.5倍ビラをとった数が増えた。
・社会的証明
→ペッドボトルも、キャップを一緒に捨てる方法ではなく、キャップだけ別に入り口を買えると、分けて捨てる人が49→60%に上がった。これは別箱に入っているキャップが社会的証明になったからとかんがえられる。
・アイデアの発生が詰まったときの9つの視点
1.他の使いみちは?
2.他に似たものは?
3.変えてみたら?
4.大きくしてみたら?
5.小さくしてみたら?
6.他のもので代用してみたら?
7.入れ替えてみたら?
8.逆にしてみたら?」
9.組み合わせてみたら?