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クロニクル第4巻。
巻末の解説にある通り、長編としては瑕疵があることは否定しない……が、『乱歩らしさ』が非常によく出ていると思う。なんやかんや言ってイカモノ・キワモノを書かせると魅力的なのが乱歩なんだわな〜。
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探偵小説かもしれないが推理小説ではない。
トリックを見破る論理展開もなく、悪人を倒すアクションもなく、ただ不思議な出来事や悪趣味な事件が起きて、謎解きというよりネタバレがあって、終わり。
江戸川乱歩や明智小五郎の名前に期待しすぎていたのかもしれない。
巻末の「明智小五郎年代記」が面白く、作品の時代背景が分かる。頽廃的な作品が好まれた時代だったんだと思う。
恩田陸の解説が、作品の解説をほとんどしていないことも考えさせられる。
シリーズもあと8巻。全部買って読むか、そろそろ決断が必要か。といいつつ、全巻買って読むような気がする。
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今まで読んだ江戸川乱歩の作品で一番好きかもしれない。
細かい伏線があるとかではないが展開の仕方が好きで、良い作品を読んだと実感できた。
前編では明智小五郎は出てこなく2人の人物を主軸に語られているが、後編になり話が進むにつれて最初自分が思い描いてた展開からずれていき予想だにしない展開となったのが読んでいて心地よかった。
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推理小説というよりは冒険譚だったけど、それはそれで面白かったな、と。
街で見かけた友人。その姿はよく知っている人物かと思いきや、中身が違う別人。しかも悪人だ、という入りから展開される不気味さにドキドキしたし、後半も「そこまで話を大きくするか」て笑ったけど、それって普通に楽しめたってことで。
要は江戸川乱歩の書く文章が好きなんだなと。笑
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猟奇趣味のあるお金持ちの青年、青木愛之助が友人品川四郎と同じ顔の男に出会うところから始まる犯罪話。前半は不気味な雰囲気たっぷりでゾクリとする展開から一転、後半は明智登場で派手な展開となる。後半のスケールの大きさに思わず笑う。大好き→
この話を最後にまとめ上げたのほんますごい。途中で乱歩が「(連載)もう無理」って言って当時の横溝編集長に「流行り物絡めてもいいから書いて」っていわれたエピソード大好き(笑)私が子供の頃にポプラ社のシリーズで読んでた雰囲気がこの後半部分に感じられて、懐かしかったなぁ。やっぱ乱歩最高
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長編作「猟奇の果」のみを収録している。一冊まるまるで一つの作品だが、章立てが細かく分かれており、さらに前半と後半では視点と登場人物と作品の雰囲気ががらりと変わる。
前半は品川氏と青木氏の二人が出くわす怪奇を中心に不気味な雰囲気が漂っているが、後半は明智小五郎が活躍することで、急転直下で意外な結末を迎える。読み進めていくうちに「え、本当にあとこれだけで終わるの?」と思わずにはいられない。
特に最後、賊の一味と成り果てた人物が意外であった。そういえばこいつ居たな、と、なかなか印象深く記憶に残っていた人物であるにも関わらず思ったものである。そう、そう思わずに居られぬほど後半部分はスケールが大きくなるのだ。
そして、それ故にタイトルの「猟奇の果」が誰のことを指しているのかも自ずと明らかになるのである。確かに猟奇を拗らせた挙句、己が人生をあのような形で終わらせるのは「果て」である。