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小説のつもりで読むと今一つだが、小説家ではなく公認会計士が書いたストーリーなのでそこを批判するのは酷だろう。むしろ頑張ったほうかもしれない(三橋貴明「新世紀のビッグブラザー」と同じくらいの出来か)。
ラストシーンから始まる導入部も、後半のネタバレになってしまっていて正直、失敗だと思う。
ただし、簿記について初学者に興味を持ってもらうための読み物としては非常によく練られている。
なぜ「借」方(Debit)なのに「資産が増える」のか、なぜ「資産が減る」とした貸方(Credit)に、収益の発生である売上を記載するのか、なぜ「純資産」という区分が必要になったのか...という疑問についての説明が、作中の出来事を題材にした登場人物同士の会話で表現されており、たしかにわかりやすい。
資本主義の理想と現実についての問題提起も、変にイデオロギーに染まらず淡々と描かれており、好感が持てる(どこぞの「世界史」とは大違い)。
期待せずに買ってみたがよい買い物だったと思う。
乃木坂メンバーについては知らないが知ってる人はもっと楽しめるかも。
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○いまの会社の基礎は簿記。簿記を勉強する導入になり得て、簿記を勉強した後の振り返りにもたぶんうってつけ
乃木坂46の衛藤美彩が、大正あたりの世界にタイムスリップして、「複式簿記」の仕組みを広めていく物語。
簿記には単式と複式とあり、単式では把握しきれなかったお金の動きや、取引先との関係をより正確に記録できるという利点がある(ということがこの本を読んでとりあえずわかった)。
複式は左右でお金の行き来を管理することもそうだが、複数の帳簿を使い、よりお金の行き場を鮮明にすることができるのだ。その中で、固定資産や費用は複数年で発生するのであれば複数年にわたる仕分けが可能になり、より長期的な目線での事業運営が可能になるのだという。
左と右、借方と貸方の考え方は、サラリーマンをやっていてかつ経営資料を見ることが多い立場にいる自分にとってそろそろ慣れないのはヤバい気がしているのだが、仕分けのタイミングや方法だけが感覚的につかめただけでも大きいと感じている。
そういう点では、これから上司になり経営資料を見ることが多くなるような人が簿記の資格を取る機会があるときの事前学習に、または簿記の勉強をしていてわかりにくかった時に、このストーリー仕立てで柔らかく学べるのはとてもよいことだろうと思います。
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初学者が簿記のイメージをボンヤリ掴むのに役立つかもしれない本。
もしも複式簿記がなかったらというパラレルワールドを舞台に主人公が複式簿記を活用して問題を解決しようと奮闘する。
小説と簿記入門書のコラボレーション形式だが、小説部分は微妙と言うか退屈。衛藤美彩のファンでもなければ苦痛。
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もしアイドルが「複式簿記」のないパラレルワールドに迷い込んだら・・・。
小説なので簿記の基本を学ぶには役立つ部分も多いが、肝心の小説があまり面白くない。
ストーリ仕立てにしてボリュームを出すよりも短く簡潔な内容にしたらもっと良い本になった気がします。
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公認会計士の澤昭人氏と乃木坂46の衛藤美彩氏の2人が複式簿記のないパラレルワールドで複式簿記の基本的な知識から本質に至るまでをストーリー形式で書いた一冊。
本書を読んで、簿記の基本的な知識はもちろんのこと複式簿記のない世界で導入していくとどのように変わるのかということが物語のなかで理解できるように工夫されており、非常に面白さを感じました。また、読み進めるにつれて複式簿記の簡潔明解で、事実が明瞭になる本質的な素晴らしさだけでなく、不正会計やクリーン・サープラス関係に関する問題なども提起されていて入門書としてだけでない側面が本書にあることも好感が持てました。
また、ROEなどの財務諸表からみえる経営指標やIRなど経営に関する用語についても書かれているところも多くありましたが、巻末に索引があれば復習の効果があがるのにと感じました。
明治時代の世界観のパラレルワールドで繰り広げられる会計を巡る様々な事件から簿記のこと、経営のこと、資本主義経済への転換のことなど色々なことの知識を得ることのできた一冊でした。
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簿記の知識がまるでない状態で読んでみました。
最初は簿記ってこういうものなのね!と思いながら読めたのですが、途中から他の参考書がないとおそらく理解できない内容になったかなぁ…と思います。
ですが、簿記の基本的な考えを知れて為になりました。
また、ストーリー仕立てなのですが、その話の流れがちょっと最終的にどろどろ&なにも解決せずに終わってしまいます。
様々な複式簿記の内容や、複式簿記が発明されたことによる大幅な経済の変化を描くには必要だったのかもしれません。
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作品のテーマが面白そうだったので購入しましたが、私には合わなかったです。せっかくのアイデアを完全に活かしきれていないのが残念に感じました。あまり良い表現ではありませんが、中途半端な恋愛ドラマと美彩さんが絶世の美女という無駄な設定?が不要だったように思います。綺麗な女性なのは間違いないのですが、この内容にその設定はいるのかと思いますし、そこまで強調されるとご自身で恥ずかしくないのかなとか思ってしまって、あまり内容に集中できませんでした。。笑
純粋に簿記の話だけで展開した方が良かったのではないかと。仕訳の説明等は非常に分かりやすかっただけに勿体ない作品だなという評価です。
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一晩で読んじゃいました。
「簿記を勉強・復習したい人にオススメの本」という触れ込みで購入。分かりやすくて一気読み。『複式簿記の存在しない世界』に簿記を落とし込んでいく過程が、“簿記をほぼほぼ忘れてしまった自分”に見事に落とし込んでくれた。
なぜそれが必要か、なぜ効果的か、その問題点。
社会が変化して成長してやや腐敗していき、それに対応して仕訳も変わっていく。
粉飾決算の話をストーリーに盛り込むために、現代ではアイドルの主人公が男どもを惹きつけすぎて教授だった社長が粉飾決算までしてしまう、というストーリーも絶妙で、、笑
これなら頭に入ってくるわ…必要になったらまた読もう。買ってよかった。
最後に、衛藤美彩って誰や聡明な感じだな〜って思ってググったら、源田壮亮の奥さんやんけ!
(だからどうとでもないけど)
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複式簿記の無いパラレルワールドの自分に衛藤美彩が乗り移ったという設定で物語が進んでいく.前半は知っている複式簿記を周囲の人に説明してちやほや,後半は複式簿記で発展した世界で魅力的な女性としてちやほや.最後は衛藤美彩の美しさが原因で複数の男性が様々な事件を起こして終わる.物語として読めば中身が無く中途半端な終わり方で,簿記の勉強として読めば実用性が低くて説明不足.「乃木坂」という看板を全面に出して会計の知識つくっぽい本を作れと言われて無理やり書いたような印象.ファンの方以外におすすめしません.
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簿記会計の成り立ちがSF風に描かれ、簿記のことを主人公以外知らないという世界のため、非常にざっくりながら腑に落ちるようになっていると感じました。明治時代の世界観のため、時代特有の表現に難しいところがあるものの、全体的に初心者でも分かりやすい内容だと思います。