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田舎。言い伝え。神隠し。平家。同郷の友人から”しんの”が鳴っているという報告を受け、故郷に帰ることにした。”しんの”には曰くがあって、自分もそれにかかわっている…。幸せだった子ども時代と悲しい別れ。最後そうなったかー。
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ファンタジーかと思ったら現実的なお話でと思ったらファンタジーでした
この作者は「船に乗れ!」がピークかもしれない
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とある集落に住む主人公は昔から鳴海家が持つ「しんの」に出会う。そしてある事件が起きる。
最後「え!?」って声を出してしまった。そこまではよかったのだけど二段階にする意味あったかなあ。
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亜奈が神隠しに
あってからは
残された智弦 の苦労にハラハラします
やけに ここはリアルです
大人に事情を聞かれたり
パニックになったり
厭世的に引きこもったり
最後はびっくりな終わり方です
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「ぼく」という一人称で進む、センチでときにギャグかと思われる一言を差し込んでくる、藤谷さんの文章が好きです。
大林監督の尾道三部作のような読後感。
時間と空間の連続性を断ち切ったラストも良かったです。
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オチが意外で世界がガラッと音をたてて変わった。
思わず立て続けに読み返した。
私が育った山はそこほどいなかではないもののその集落はとても郷愁を誘うまさに手で触れられそうな風景だ。
不思議な体験をして、傷ついて、それでも孤立しないようにと祖母は人を周りに集めて、なんて強い賢い人なんだろう、愛に溢れる人なんだろうと尊敬する。
辛いながらもよしおさんと対峙する場面では、やりこめられないぞという決意と思いやりがいっぱいでそして、和田ラーメンという友人も本当に愛と勇気の人だなあと感動。
ラストいつのまにか俺になって焦った。
謎めいたまま終わって余韻が深い。
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平忠度。
「行き暮れて木の下かげを宿とせば花やこよひのあるじならまし」。
平家の末裔など、ネタは織り込んでいるものの、結局何が書きたかったのか…みたいになってイマイチ。
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SF?伝奇?
平家の落ち武者が作った隠れ里…という伝説がある集落。
主人公の母は、離婚して東京から、郷里であるその村に戻った。
子供時代をそこで過ごし、今は東京でサラリーマン生活を送っている主人公・鳴海智玄(なるみともはる)は、年の瀬押し迫った頃、帰省する。
19年前に幼なじみが神隠しにあった山に、再び入山するためである。
東京から郷里に戻る彼の話と、子供時代を村で過ごす彼の話が交互に描かれている。
これは多分、「何時の話?横溝の頃?」みたいになるのを防いでくれている。
伝説の残る秘密めいた集落ではあるが、おどろおどろしい感じはせず、哀しい経験をしてふるさとを離れたにしては、子供時代は純粋で、輝いていたようだ。
「あのこと」が起きるまでは。
結局最後は…
二人とも最初からいなかった世界と、二人ともいる世界が存在したのか…それとも分岐したのか…
登場人物的には、「結局何も起こらなかったね」なのだが。
しかし、星子さんのおにぎりだけは、どちらの世界にも存在し続けたようだ。
おにぎり最強!である。
それと、別の作品にも出てきた『世界五分前創成説』がまた出てきました。
作者はよほど気に入っているらしい。
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両親が離婚し、主人公の鳴海智玄は母親の実家集落の一学年14人だけの小学校に転校することになる。鳴海家は、不思議な音が鳴る「しんの」と呼ばれる裏山を所有していた。同級生の河守亜菜という女の子が好きな主人公であったが、親に内緒でふたりで桜を観に行った智玄は、とんでもない事件に巻き込まれてしまうが・・・
エンディングの奇跡が、味わい深い優しい小説になっている。
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平家や源平合戦に詳しくないから「この始まり方は?」って思ったけど 二章目からは面白くなってきて一気に読んじゃった。
彼女の父が神隠しや迷信、魔女と次々にオカルト系に向かう様は不気味で怖かった~
19年後 主人公 彼女の父 友人の3人で山に登る最終章は思いもよらぬ展開!
それぞれが幸せに終わって良かったと思う。
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表紙が綺麗だったから図書館で、「ジャケ買い」ならぬ「ジャケ借り」をしてしまった本。
「最後の部分がよく分からなかった」という感想が多い作品。わたしも読んでみたけど分からなかった。
小学生の時に神隠しのように突然姿を消した少女。
「しんの」という山の中に、冬に満開になる桜があり、それを見に行った亜菜(あんな)と智玄(ちひろ)。二人は桜の木の下でキャッチボールをしていたが、亜菜がボールを取ろうと身体をのけぞらせた瞬間に消えてしまう。
29歳になった智玄は再び「しんの」へむかう。
ラストは平行した別世界があることを表現しているように思いました。
娘が消えて、暗く気味が悪くなっていった父親の善男、友人の“和田ラーメン”(和田姓が多い集落の中でそう呼ばれていた)、主人公の智玄の3人で満開の桜を目の当たりにする。
智玄は娘を無くして狂ったように神隠しについて、根拠のない説を話す善男に「河守亜菜は戻ってこないんですよ」と言うが、そんな智玄に和田ラーメンが「そのへんでやめてくれねえかなあ!」と叫ぶ。
(→このシーンがわたしの中で一番の盛り上がりでした。)
お前こそ変わったんじゃないかと言う。二人とも同じだ、同じなくせに説教なんてすんな、と。友人をほんとうに大切に思うからこその言葉なんだろうなと思いました。ここは本当に感動して、このまま智玄が目を覚まして前向きな人生を歩んでいく話になるのかと思ってました(笑)
でも、そのあと善男がすごく大事っぽいこと言ってるんです。
善男はそんな二人を気にせずに自分の説を主張し始めました。
「これから先、ぼくたちが全然違う世界に紛れ込んで、しかもそれわやなんの不思議とも思わず、今までずっとそうやって住んでいたかのように、そこで暮らす、ということだって………」
そのあと風が急に強く吹き、ラストのシーンへと繋がる。
ここで3人は互いの姿を見ていない。
桜が吹く直前に智玄は「ぼくがいなくなればよかったんだ」と呟き風が収まったあと“何もなかった”
次に文書が線で区切られている。これが1つ目の世界のラスト。
この線をまたいで違う世界の話になっているようでした。
2つ目の世界では“俺”と善男が桜を見にいってる。おそらく俺とは和田ラーメンのことだろう。それは、智玄も亜菜もいない世界だった。智玄が持ってきたはずのテントは善男が持ってきたことになっていた。桜を見に来た理由も曖昧になってしまっている。
そしてまた文書の間に線が引かれている。
一人称は“ぼく”。
3つ目の世界は智玄と亜菜が桜を見に行っている世界。
亜菜にプロポーズしてめでたしめでたしなラスト。
その中で歌の解釈が述べられている「桜がその人の人生の、あるじになってしまう。」
うーん、謎。
①智玄だけしかいない世界
②智玄も亜菜もいない世界
③智玄と亜菜がいる世界
この3つに何の意味があるんだろう。
そもそものわたしの解釈が間違ってるのかなぁ。
誰かに解説してほしいです(笑)
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初めて読んだ作家さんの小説。
ひと言で言うと「とても好き」
小説のプロットや細部の描写や比喩など、小説の骨肉とも言うべき部材が自分の好みに合うか合わないか
合えば、筋立てが好みでなくとも読み進められるような気がするが、その意味でこの小説の(作家さんの?)文体が自分の好みに合っている気がした。
嘘をひとつ混ぜるには他の本当の部分を、徹底してリアリティで満たした方が効果的であると思う。
その点この作品は、現実には起こり得ないようなファンタジー以外の地の文が地に足ついた展開で、そこだけでも読める仕上がりになっていると思う。
ファンタジーを囲むスーパーリアリスティック。
この作家のほかの作品も読んでみたいと思った。
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面白かったですー。
読みやすいし続きが気になって、するすると一気に読みました!
面白かったからこそ結末が少しモヤっとしてて…。
結局、義男さんがうわ言のように言っていた事がほぼ正しかった…それは良いんだけど、パラレルワールド的な世界も良いんだけど、それぞれの世界線でみんな幸せそうだったからそれもまぁ良かったねと思ったけど…。うーん?
[昨日と今日と明日がつながっているなんて、誰にも言えない。]
5分前と今がつながっていてずっと存在していたなんてどう証明する?
体験や知識の記憶を持った状態で、ついさっき現れた存在かもしれない。
↑そうだったとしてもだよ。
「こことは違う世界がどこにどれだけあろうと、ぼくたちが生きているのはこの世界なんです。この世界で生きていくよりほか、どうしようもないんです」
智玄が言う通りだよね。
違う世界線で、
子どもの記憶がないというか存在すらしてない世界で義男さんが笑ってたとしても、
違う世界線で、
智玄と亜菜が結ばれたとしても、
私たちがずっと読んできた世界線でのハッピーエンドにはなり得ないでしょう。何の解決にもならないし何の克服にもならない。
私は智玄に乗り越えてほしかったな。
亜菜の事を乗り越えて強くなって自分の人生を智玄らしく生きていってほしかった。
それか、いっそのこと、しんのと戦って(←?)亜菜を取り戻してめでたしめでたしでよかったー。
全ては主である桜の花の思し召しって事ですか!