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満州事変から、日本は世界から3回今後の行方の選択を迫られた
そのとき日本はなぜその選択肢を選んだのかを細かく分析して、紹介してくれる本
とにかく情報が細かい!笑でもだからこそ説得力があって読み応えがある
ただ一回読んだだけじゃ頭に入らないから、今後何回か繰り返して読みたい
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物語の形式として、結末が悲劇になることをあらかじめ読者に知らせてそこに至るまでを描くものがあるが、15戦争について歴史を語る場合、同じ構図になる。ただ、そこに至るまでは選択の連続だったわけで、その大きな3つの選択の場面をメインにピックアップして解説している。リットン調査団の報告に対する選択、三国同盟に対する選択、日米交渉に関する選択だ。
これらに関して、なぜそうなったのかという問いを次々に立て、資料を用いて解きほぐしていく。ただの物語ではない学問としての歴史の方法論がよくわかって面白い。
それでも日本人は〜よりもひとつひとつの事象にこだわって描かれている気がするのもあって、こっちのが面白かった。
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太平洋戦争に至るまでに日本が迫られた決断のとき3つ、リットン調査団、日独伊三国同盟、日米交渉。背景に何があったのかって知らないことばっかりで本当に勉強になった。リットンの思慮とか、三国同盟を結んだ日本側の思惑とか、日米交渉の裏で米国が何を考えてたかとか。日本人の必読書。
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非常に良かった。本当に良書であると思いました。
東大文学部の教授が中高生向けに行った講義。
ジュンク堂での作家書店の企画で行った講演・講義の
内容が本になったものです。
歴史のみならず。学ぶとはどういうものなのか
学ぶときの面白さ、スリリングな感じ、学問の楽しさの
本質がにじみ出てくるような内容です。
また、社会人としてのリテラシーにとっての歴史認識が
どれだけ重要であるかがわかる内容だと思いました。
大げさかもしれませんが、本当に絶賛です。
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・本書についているイラストなどは,別の著作物とみなして読んだ方がいいのだろうか?
072頁イラスト:トーキュディデース
・本文:トゥーキュディデース
092頁:団琢磨暗殺(3.5)が2.29リットン調査団来日と3.1満州国建国のあいだに挟まれている謎は,本文を読んでいけば,おそらく解けるのであろう。
099頁:遼寧(りょうねい)省……奉天(ほうてん)(現在の瀋陽(シェンヤン))
・現在の地名には,カタカナの振り仮名をみな振る方針なのだろうか?
101頁イラスト:満洲,関東洲(はじめて見る表記)
・本文:満州・関東州
101頁イラスト:ハルピンは黒龍江省の章域内とされている
・「章域」ねえ。なお著者も,「黒竜江」とは表記せず,「龍」字を使う。「満洲」は使わない。外務省とおなじ。
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非常にわかり易く解説された講義です。
歴史から学ぶというけれど、結果を知っているからこそ振り返る事ができ、その選択肢の評価ができる。
時の為政者たちは本当にいろいろ考えを巡らせていることがわかるが、総意としての選択肢は一つ。
今回、失敗と言ってしまっているが、そう言っていいのだろうか。確かに沢山の人が亡くなったわけだけど、その選択肢の結果である今の日本は失敗なのか。
過去を総括するのもいいけど、歴史に学ぶのは未来に対してだけでいい。
少なくとも、今の為政者たちが、半径3mの幸せを考えている群衆へのプロパガンダやアジテーションの方法を歴史から学ぶことがないことを望む。
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『それでも日本人は「戦争」を選んだ』が良かったのでこれも手に取った。
満州事変・三国同盟・日米交渉決裂、それぞれの選択の過程でなにがあったのか、別な選択はあり得なかったのかなど資料に当たりながら進める講義は歴史を真摯に見る姿勢を学ぶことが出来る。
謀略史観を撒き散らかしてきた人が保守の重鎮と言われてしまう日本の現状に警告を発する書。多くの人に読んでいただきたい。
それにしても、講義に参加している中高生のレベルの高さには驚くとともに、日本の未来は暗くはないかもしれないと思えてくる。
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日本人は…よりこっちの方が数段面白かった。多数の当事者それぞれの利害と得ている情報の差とタイミングとを丁寧に解説されておる。要因はいくつかにまとめられるが、世で言われていることとは結構違っている。しかし、調べて来いと言われてネットで真実ブログと赤旗ぶつける高校生、好き。
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中高生を対象とした講義録の第ニ作。
一作目につづく素晴らしい作品だ。今回は「リットン調査団報告書」「日独伊三国同盟」「日米交渉」の3件につき、どんな選択肢があって、なぜその選択をしたのか、背景はどうだったのかを一次資料を読みながら考えていくもの。なかで日米交渉をしていた1940年前後の国民の意識につき昭和天皇が「国際平和に貢献するために同盟を結んだし、国際連盟を脱退したのもそのためなのに、国民には英米に対抗するためと伝わっているのはまことにおもしろくない」としているのには泣けた。情報の公開もできてなかったけど、教育も足りなかったわけだ。
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普通の子供たちにとっての天皇は、修身な授業で習う天孫降臨神話の中の登場人物です。本当の古代史上の天皇について、資料から日本史を教えてもらえるのは、旧制高校に入ってようやく1年目です。しかし、その真実を教えてもらえた人は、割合から言えば、100人に1人位しかいなかった。正直な教育が大事ですね。
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リットン調査団、日独伊三国同盟、日米交渉。世界から日本に突きつけられた3つの局面で、日本がそれぞれどんな状況下でどんな選択をし戦争に突き進んでいったのか。中高生向けの講義をまとめたもの。
この内容を理解し、投げかけられた問いに対し各自がネットや文献を駆使し調べて答えを探っていくとはなんという意識高い中高生!!
こんな若者達が素直に成長していけば日本の未来も捨てたもんではないと思わせてくれる。是非中高生に向けて学校の授業に取り入れて欲しいのと同時に大人も読むべき一冊。
戦争という決断を下しめ、昭和天皇でさえ抗えなかった”時の勢力”とは何だったのか。
フェイクニュース溢れるポスト・トゥルース時代。情報を読み解くリテラシーを養うにはやはり「教育」以外の何物でもないことを本作で改めて背筋が凍るほど痛感した。
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太平洋戦争に至るまでの、日本の交渉等における裏面史を知ることができ、これまでの認識と異なる部分が多々あり驚かされる。誤った認識が多く流布されており、正していく必要があると思う。
憲法改正に向けた動きがかつてない程強まっている今、もう一度太平洋戦争に進んで行った経緯について確認する事ができて良かった。
それにしても、世の中には優秀な中高生がいるもんだ!
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歴史を学ぶ大切さを教えてくれる。対象は高校生だけでなく、広く社会人にも楽しめる良書。「過去の歴史を正確に描いたり学んだりしていれば、自然に自分の将来や未来をつくることにつながる。」(本書より抜粋)2017.6.23
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戦争までの歴史を決めた三つの交渉を高校生とともに考えていった6日間の講義録。満州事変とリットン報告書、日独伊三国軍事同盟そして日米交渉を扱います。国や個人は、どのように自らの立場を選択したのか。そこで悩み、考え抜いた人間から生みだされるものとは何か。当時の人間に見えていた世界を再現し、最適な道を見つけるにはどうすればよかったか、何が足りなかったのかを考えてゆきます。国家と国民の関係が過去にない規模で大きく揺れ動き、わずかな偶然が世界のありようを大きく変えてしまうかもしれない時代の激変期に、現代の私たちは立ち合っています。そんな今だからこそ読みたい一冊です。
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現存する資料を体系的に読み解くことで,事実が見えてくる.そのプロセスの実行能力こそが史学の目的であり,これにより過去から未来を予測することが可能になる.現代人に最も重要な日本の近現代史を繙ける語り部が居るということは僥倖であり,後は以下に我々が身につけ実行するかに日本の未来はかかっている.