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これまたすごいもの書いたな…と苦笑しながら読んだ。
男は女を知った。そこから始まってそこで終わる感じが好きだな。最後の終わり方は鳥肌立った。
やがて男は、今まで自分の一切について知らなかったことに気づいた。こうして主人公は自分を知った。
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虐待され愛されずに育ったタマとちくわ工場で働く武史.自虐的なタマに引っ張られるように陸から水へと棲み変える.セックスと愛の交差する両生類の領域のあわいの魅力.タマのルームメイトオリガの私生児ユーリィを育てる事で,タマの何かが少しずつ浄化され多様な気がした.成長したユーリィが大きな水槽のあるバーで語る雰囲気がとても良かった.
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難解な読み物苦手なんだよね...と思いながらも、訳が分からないながらも読了できた文章の雰囲気は好きなのかも。え?この世界好きなの?と自分にツッコミを入れつつ。
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男は女を知った。
ゲイバーAquaに通う僕にユウリが教えてくれた話。
かつてこの店で男として舞台に立ち働いていたタマ。
どんなに観客に罵声を浴びせられても平然としていた彼女が
女であることを見破ったのは、オーナーの親友の武史だった。
つかみどころのないタマと
彼女にのめり込み時には暴力すら振るってしまう武史。
タマは幼少期に性的虐待を受けていたが故に
大人になった今でも自分を痛めつけることでしか
存在する理由を見つけることができず
さらに彼女自身がそれに気づくことができず
武史という存在を拒否するように舞台は過激になっていき
周囲の人の混乱の渦に陥れていた。
タマのかつてのルームメイトのオリガの赤ちゃんを
育てることとなり
赤ちゃんだった男の子のユーリィは、Aquaの店に立つほどの青年となって育ての親たちのことを語り始める。
とんでもない話だな!
彼らは周囲にどれだけ蔑まれようとも
そんなことには頓着せずに自分の人生を懸命に生きてる姿が幸福で清々しさすら感じる。
退屈しのぎに誰かを傷つけることは決して許されることではない、ということ。
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”最も汚辱に塗れた俗なるものが一転して聖なるものと化す”というのは古典以来の一つの文学などにおけるテーマであるが、そのテーマを現代において描こうとした労作・・・と言えないこともない。
女でありながら男性と偽ってゲイバーで過激なショーを演じるタマと、偶然にきっかけから彼女に魅せられ結婚することになる武史という2人の関係を軸に、俗なるタマが武史の目にとって徐々に聖者へと転化していく様子を描く小説。そのテーマ自身は頭では理解できるのだが、なぜそのような転化が発生するのか、という理屈が正直伝わってこず、作品に入り込めなかった感が強い。
こういうアナーキーなテーマを描こうとする心意気は非常に買うし、決して面白くないわけではないのだが、これが傑作と言えるかというとそれは違い、もっと別の作品を読んでみたい、という気はわずかにさせられる。
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最初に読んだのは随分前。号泣しながら。こんなに人に寄り添う文章を描ける方なんているんだと驚きとともに。
2回目の読了。
難解だった。