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2017年、21冊目は、花房観音、「まつりシリーズ」第3段。
今回は平安神宮での、結婚式をきっかけとした、6編の連作短編。今回もタイトルのみ紹介。
帷子ノ辻
安井金比羅宮
随心院
戻り橋
高瀬川
平安神宮
光文社の「まつりシリーズ」となっているが、前2作とはフォーマットが大きく異なる。前2作は京都の実際の「まつり」や、その縁起、行われる場所に絡めた官能小説集だった。それに対して、『まつりのあと』は、まず、官能では括れない。中盤の「随心院」は官能度、激低。「戻り橋」ではよく効くスパイス的。全体としても、官能を期待すると、スライダーでかわされることとなるでしょう。次に、舞台となる、京都の地を絡めてはあるが、具体的な「まつり」とは切り離されている。今回は「結婚(式)」「恋愛」「性交」が「まつり」として捉えられ、6通りの「まつりのあと」が描かれています。
自分、この方の、時にストレートで押し、大きく落としたり、手元で微妙に変化させたりと、多彩で、繊細な表現と、人物描写は大好物です。幾つかは引用登録しておいたので、ドレがストレートか、フォークか、ツーシームか、感じてみてください。ただし、試合の流れ(本編)とダイジェストの違いはありますよ。