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話題になっていたので読んでみた。
カバーイラストから想像していたよりも、真面目なストーリーで面白かった。
3作の中編からなる連作集。1人目の患者は子どもが生まれる直前の父親、2人目の患者は医大に入学したばかりの女子大生、3人目は医者。ザックリ言うと、その3人の患者に対し、真逆のスタンスの医者2人がどう病気に取り組むか、という話。
この「もう今の医療では回復が見込めない患者に対する治療」というテーマでは、久坂部羊先生の『悪医』が面白い。そして深い。
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奇跡を願い、苦しみに耐えて闘い続けることだけが正しいというのは、医者の傲慢な自己満足だよなーと、最初から最後まで福原の態度が腹立たしかった。
音山先生に「治らなかったどうしてくれる?」と問われて、怯みもせずに「俺は背負っていく」と言ったくだりは…そう言った時点で自分のやっていることは「患者のため」じゃなくなっているって、なんで気づかないのかとイライラした。
ただ、頭では分かっていても、自分の大切な人に対する「1秒でも長く呼吸を続けてほしい」という願いをちゃんと諦めてあげられるかというと…自信ないなぁ。
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新聞広告でタイトルが気になったので読んでみた。
これから、という時に、進行性の病に侵されるのは読んでいて不憫で仕方なかった。
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なんだかやるせない気持ちで一杯になった。
「自分らしい生き方・死に方」って何だろう?福原・桐子の考え方は「正義」なんだと思う。ただ自分の信じる「正義」に真っすぐ過ぎる。周りを見てない感じがした。その間に音山という友人の存在。揺れる桐子。
ふと母・祖母の闘病は本人の為ではなく、家族の為の闘病だったのかも。と思った。苦しんでる姿を見て「頑張れ」なんて言えなかった。でもどんな姿でも良いから生きてて欲しい。と思ったのも事実で。
二人はあの治療に納得してたのか?あぁ、考えれば考える程ドツボに嵌ってしまった。
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あんまり医療関係ものは読まないのですが、ラジオでオススメしてるのを聞いて買いました。
主に「生」と「死」に目を向ける医師をメインにしてますが、そこに一緒にもう1人入れて欲しいと思いました。
何度も泣きました。
患者本人以外は、生きて欲しいと願い治療を望み、本人はやはり自分らしく生きたいと思うのだということが、改めて感じ考えました。
私が臓器移植ドナーの話を家族とした時のことを思い出しました。何だかこれからこんな場面に自分がなることがあるなら、家族としっかり話したいとさえ思いました。きっと私は桐子先生を選ぶと思いました。
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お涙頂戴っぽいタイトルと装丁だなぁと冷め気味に読み始めましたが、そんなことはなく、しかも泣かされました。
同じ大病院に勤める医者3人。1人は副医院長で自他共に認める天才外科医。患者の命は助けてなんぼ、絶対に救ってみせると常に息巻く。もう1人は、患者は死を選ぶ権利を持つと主張し、そのせいで副医院長からメスは持たない部署へと追いやられた皮膚科医。そしてこの2人の間に立つ内科医。もとは親しい同期同士だったのに、生死に対する考えのちがいから、副委員長が一方的に皮膚科医を嫌う。
治る見込みのない患者を励まし、一日一秒でも長く生きられるようにすべきか、死ぬ覚悟を決めて残された命を生きるよう勧めるべきか。
自分の命の対価として何を差し出せるかという話には、ハッとさせられました。「ただ」生きていたいわけではない、自分らしく生き、自分らしく死ぬということ。
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王様のブランチで取り上げられていたので、読んでみました。
3作の中編からなる連作集。
取り組み方の異なる三人の医学部同級生
治癒の見込みのない患者に、奇跡も信じて最後まで全力を尽くす医者
真逆で、治療はあきらめて残りの人生を意思をもって過ごす方向に導く死神
その中間、どっちつかず
1人目の患者は子どもを授かり、生まれる直前の父親
2人目の患者は医大に入学したばかりの女子学生、
3人目は(↑ "どっちつかず" の)の医者
副委員長福原先生の熱血の方はともかく
死神・桐子先生が、その主義をもった経緯とか
死神との面談後の患者の気持ちの移り変わりとか、もう少し掘り下げて書いてほしかったな、と思います。
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カバーとタイトル見て手が伸びました。もし自分が余命宣告されたら、、、なんて想像した事無いですが、改めて生と死、延命治療について考えさせられました。
僕はキチンと死を受け止められるのか、、、その時までやっぱり少しでも後悔の無いように、毎日を大切に過ごしたいと心の底から思います。
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がん患者とその治療に当たる医者の3人の考え方の違い
患者の最後の生き様
涙無くして読めなかった。
人は100%死ぬ
その時までどうやって行きたいのか?
流されていくのか?
辛い治療にも耐えて最後まで望みを捨てなかったと死ぬのか?
どうせなら治療せずに家で好きなことをして死ぬのか?
誰のために生きるのか?
ずっと人間なんだもの
悩み苦しみ考えていくんだと
そういう本でした。
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人を生かすことに執念を燃やす医師。
人の最期に向き合おうとする医師。
患者と共に迷ってくれる医師。
三者三様。
心臓が止まらないことが生きていることなのか、最期を自分で決めて死を選ぶこともまた生きることなのか。
医療系はほぼ泣く。
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3人の医師がそれぞれの考えで自らを貫こうとする。
同じ病院で働く3人。大学時代からの同期。
福原 天才外科医。
命の延命を第一とし、突き進む。
病院の副院長。院長は父親。
桐山 死神と患者から噂される皮膚科医。
患者から「相談」を受けて「死」も道とする。
決して延命だけを勧めるわけではない。
福原と対立。
音山 福原vs桐山の間を取り持つ。
どっち付かずの彼は、一人の少女の死で覚醒。
患者と一緒に悩んで悩み抜く医師。
咽頭癌にて福原、桐山を和解させる。
祖母に声を聞かせるために、死を選択。
3人の考えはアリなんだろうと思う。
福原の考えは医師としては当たり前だろう。
桐山の考えは患者からはありがたい。
音山の考えは患者として、二分すると思う。
コレは私の印象なので。
私的に、ちょっと最後は綺麗にまとめすぎ?
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奇跡が起こる可能性を信じ、最後まで最善を尽くす医師の福原。
病気の進行度、治癒の可能性、どう生きて死ぬのが患者の為なのかを考える医師の桐子。
その同期の医師2人の仲裁役で、どうする事が患者にとって最善なのかを模索する医師の音山。
この3人を中心に物語は進む。
3人の患者を通して、「生きるとは何か?」という命題にぶち当たる。
愛する人が重度の病に冒された時、どんな状態であれ生きていて欲しいと願ってしまうかもしれない。
でも、その患者にとっての「生きる」ということは、他人が願う形とは異なるかもしれない。
「どう生きるか?」=「どういう最期を迎えたいか?」ということかもしれない。
福原医師と桐子医師の、
患者の生きる長さや生きる価値という考え方は真逆だ。
でも、親友の死に直面した時に、
今まで医師として客観的に捉えていた「死」がぐっと身近な物になった。
対極ながらも誰しの心にも内在する、「どう生きるか」という命題への葛藤を、
福原と桐子が代弁しているようだった。
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余命わずかな患者の前に立った時。
二人のお医者さんは全く違う行動を取るんだけど、
どっちもお客さんのことを真剣に考えてるのが分かる。
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あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。死神と呼ばれる彼は、「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説く。だが、副院長・福原は奇跡を信じ最後まで「生」を諦めない。対立する二人が限られた時間の中で挑む戦いの結末とは? 究極の選択を前に、患者たちは何を決断できるのか? それぞれの生き様を通して描かれる、眩いほどの人生の光。息を呑む衝撃と感動の医療ドラマ誕生!
「死」が分かっていて読むのはつらかったなぁ。
いつかは自分もその日を迎えるわけで、
でも、今の自分には想像もつかなくて。
死を迎えるその日、
自分はどんな最後を迎えるだろうか。
どんな最後を選択するだろうか。
患者、家族、医師、
色んな人の葛藤が上手に描かれている作品だと思いました。
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末期癌患者を取り巻く終末医療モノは、何冊も読んでいたので、またいつものパターンやろと期待感無しで読み始めたが、結構夢中で読んでしまった。
3人の勤める大病院の院長の息子にして副院長の福原は、どの様なケースでも諦めずに最後まで戦うというスタンスの有能な外科医。
一方、福原の圧力によって皮膚科医として窓際へと追いやられている桐子修二は、死を受け入れることで死を「敗北」としない・・と言う考えで患者に当たり、死神という名で呼ばれる。両者に挟まれ、自分なりの医療を模索する音山。大学時代からの盟友である3人の変遷して行く「正義」。
カッコいい人々は、勝手に自己完結して、美しく去って行く。
残される凡人は、割り切れない思いと、歯痒さと、少しの怒りと・・・