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宮部みゆきはやっぱりうまいなあ、滑らかで読み易いのに、気がつくと思いがけない場所に。
「海の指」と「霧界」も○
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【収録作品】宮部みゆき「星に願いを」/飛浩隆「海の指」/木城ゆきと「霧界」/宮内悠介「アニマとエーファ」/円城塔「ReaiTimeRadio」/神林長平「あなたがわからない」/長谷敏司「震える犬」
SFはわからないのに、つい読んでしまう。いい加減懲りないと。
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流石のメンツで攻撃力が高い。確かに”ヴィジョン”ー未来像、洞察、幻、映像ーがテーマなんだけど、描かれているのは人間の内側、自意識の底みたいなイメージ。
暗くて静かで孤独な感覚は見覚えがある場所でした。
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もうなんてったって断然、飛浩隆である。短篇「海の指」がすばらしい。こういう残酷で美しい物語を書かせたら、他の追随を許さない感じがある。舞台は、〈灰洋(うみ)〉が押し出してきた大量の建築物がキメラ状に積み上がる海辺の町。この奇観がとにかく圧倒的だ。「廃園の天使」でも顕著だが、暴力的な破壊と、控えめだけれどはっきりとしたエロスを書いて、どうしてここまで清新な雰囲気を醸し出せるのか、実に不思議。久々の作品集「自生の夢」を読むのが本当に楽しみだ。それにしても「空の園丁」はいつ出るのか。ずいぶん待ってるぞ。
円城塔「リアルタイムラジオ」もおもしろかった。例によってよくわからないのだけど、それでも楽しい。どういうわけか切ない読後感が残って、これまた不思議である。語り手は、ワールドと呼ばれるデータ世界に住む百億体のエージェントの一人。「バナナ剥きには最適の日々」(大好きだ)をちょっと思い出す。ワールドの実装者は幻肢者だとされているのだが、彼が失った肢はマイナス2本…へ?それはまたどういうこと?…しれっとして語られるこのビジョンには参った。
長谷敏司「震える犬」は中篇なのだが、これ内容的に長篇の方が良かったのではないかなあ。人工的に知能を高められたチンパンジーと、その行動を観察することで人類の進化の過程を探求しようとする研究者たちが描かれるのだが、「人間とは何か」「愛とは何か」という壮大なテーマだけに、もっと突っ込んで読みたい!という気持ちになった。
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私には難易度高めなSFでした。短編だからなおさら凝縮されていて、読みこなせなかったのが残念です。飛浩隆さんの『海の指』が一番情景が想像できて切なく、面白かったです。イブニング誌で漫画化することを前提に依頼した短編とのことですが、どの作品も怖ろしく漫画化には向かない作品だったのがちょっと笑えます。特に円上さんのコンピュータ言語の世界の物語は…視覚化すら難しそう。長谷さんの『震える犬』では、やはり犬は人類の隣人なのだなぁとその存在のありがたさに寧ろこちらが震えます。理系の知識が足りないことを自覚.
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SFアンソロジー。
宮部みゆきの名前に惹かれて読んだが、いまひとつ。
面白かったのは、飛浩隆の「海の指」。
世界が「灰洋」と呼ばれる灰色の流体に分解されて呑み込まれて僅かに残った陸地の「泡洲」に8千人が暮らしている。「海の指」という現象が、ときどき「灰洋」の底に沈んだものと同じ造形を「泡洲」に押し上げて積み重なっている。
志津子の前の夫で、DVのあげく志津子に刺されて「灰洋」に呑み込まれた昭夫が、海の指によって「泡洲」に来て志津子を連れて行こうとするのを、今の夫で流体の中から有用な物を拾い上げる技術者の和志は志津子を取り戻そうとする。
その世界観をス劇画にした木城ゆきと「霧界」も面白い。アニメにできそう。
「灰洋」との境界の「霧界」に沈んできた女の子がそこで暮らす男の子と出会い「霧界」を知るが、科学者の父親が「泡洲」の陸上から自分を探していることを知って帰って行く。
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飛浩隆さんと長谷敏司さん目当て。
宮部みゆきさん人気のお蔭でなかなか予約も
回ってこなかった!
SFゼロ年代とかいう区切りがある物の、
2020年も見えてきたこの頃、
本来のサイエンス・フィクションと云うよりも
ヒトと機械で何が出来て何が出来ないのかが
テーマに扱われる作品が多くなってきたような
気がしていたのですが、顕著な一冊でありました。
飛浩隆さんは相変わらずどストライク。
長谷さんも。萌えの無い長谷さん大好きです。
神林長平さんの「あなたがわからない」これが
一番印象に残ったかな…もう一度読み返して、
読み込んでいきたいです。
苦手な円城さんも、ワタシにも読めて解る短編でした(笑)
安心と安定の宮内さん。キャラもストーリーもまとまっていました。
木城さんの漫画久しぶりに見た!
この流れでトニー・たけざき先生も書いてくれないだろうか…。
宮部みゆきさんが一番ライトだったかな。
その点からしたら、この一冊の中では異色(笑)
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変容した世界を描く飛浩隆「海の指」と、知性化したチンパンジーと人間の内戦を対比させて人間性とは何かを問う長谷敏司「震える犬」が傑作。
特に前者は『ブラッドミュージック』を読んで以来、変容した世界ネタが大好物なのに加えて、この作者らしい音楽をうまく盛り込んでいて素晴しい。
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様々な光景(ビジョンズ)を、七人の作家が描くSF短編アンソロジー。漫画も1編あり。
いろいろな作家の作品がありおもりろいが、中には理解の難しいものもあった。
以下は読書メモ:
宮部みゆき 星に願いを
異星人SF. 本当に醜いのは自分自身だと見えてしまった。
飛浩隆 海の指
泡州(あわず)は灰洋(かいよう、うみ)に浮かぶ島。
振動で現実化する記憶。
木城ゆきと 霧界
漫画。海の指のアナザーストーリー。
宮内悠介 アニマとエーファ
物語を作る人形と、レジスタンスに入った少女。戦乱を生き抜いて、最後に書く物語は…
円城塔 リアルタイムラジオ
ワールドはファイルシステムで、二組の名前から不可逆に次の名前を生成していく暗号化プログラムが動く。
神林長平 あなたがわからない
空気を読む。相手の気持ちを考える。共感能力。
エンバーミングとクローニング。
最後がわからない。
長谷敏司 震える犬
これのみ100ページ超の中編。
チンパンジーにVRを使って知性をあげる実験で、人類の進化に起こったことを探る。
犬は求心力だった。
400万年の原生人類までの進化を、チンパンジーに知恵をつけて観察することで染み渡るシミュレーションしようとする。
話が少し長く感じた。
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久しぶりに骨のあるSFを読んだ
冒頭の宮部みゆき作品が良い。きっちりとしたオチやそこに至るまでの躍動感なんて最高だ。次の飛作品は灰海という新しい背景を持ってきた。この背景に馴染めなかったのだが、こんな作品は大好きかな。魚舟獣舟イメージ。
中盤からの宮内作品は難解というかピンとこない。続く苦手な円城作品も同じ。比較的好きな神林作品でも軌道修正できず、ラストの長谷作品はほとんど流し読み。
SF苦手になったのかな? そんなことないバスだと思いながら、また乱読を楽しむことにしよう。さて、風呂だ。酒だ。
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宮部みゆき「星に願いを」
飛浩隆「海の指」
木城ゆきと「霧界」
宮内悠介「アニマとエーファ」
円城塔「リアルタイムラジオ」
神林長平「あなたがわからない」
長谷敏司「震える犬」
「あなたがわからない」が一番好きかなー。「海の指」や「震える犬」も印象に残っている。
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6編の短編と1編の漫画からなる作品集。
飛浩隆目当てで購入したのだが、他の作者の作品も充分に堪能することが出来た。
短編小説は、宮部みゆき「星に願いを」、飛浩隆「海の指」、宮内悠介「アニマとエーファ」、円城塔「リアルタイムラジオ」、神林長平「あなたがわからない」、長谷敏司「震える犬」、そして木城ゆきと「霧界」は飛浩隆の「海の指」を原作とした漫画となっている。
いつもなら衒学的であまり面白みを感じない(そんなに何冊も読んではいないけれど) 円城塔の作品も面白かったし、飛浩隆も相変わらずグロテスクで壮大なスケールの作品だった。
神林長平の作品は、読み始めは「なんか一番つまらないなぁ」と思えたのに、読み終ると「一番面白かったなぁ」に変わっていた。
実は初めて読む作者だったので、色々と調べてみたら、なんと生まれた月日が一緒だった(彼の方が年上)。
長谷敏司の作品は「五十枚を目安に書いてください」という依頼に対し百八十枚越えの中編となっており、人類の発祥の謎とチンパンジーのフィールドでの実験過程がオーバーラップしていく様は、ベタだと思われる人もいるかも知れないが、僕にはとてもスリリングで妙に納得できる内容でもあった。
宮部みゆきも(彼女の最高傑作ではないとしても)いい意味で安心して読めるし、宮内悠介の、小説を書く人形を軸に人間世界の縮図を描いたような作品もグっとくるものがあった。
木城ゆきとの漫画も、飛浩隆を原作としてはいるが、内容は全くのオリジナルと言っても過言ではないと思う。
いずれの作品もSFというジャンルを意識することなく、面白く読み進めることが出来た。
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SF。短編集。
飛浩隆「海の指」は既読のためスルー。好きな作品です。
円城塔「リアルタイムラジオ」もスルー。苦手な作家さんなので。
全体的に高水準の、完成度が高い作品揃い。☆3.5。
宮部みゆき「星に願いを」
あまりSFの印象がない作家。しかし上手い。SFホラー的な感じ。
木城ゆきと「霧界」
マンガ。飛浩隆「海の指」原案。「海の指」の設定プラス、小林泰三「海を見る人」の読後感という印象。良い。
宮内悠介「アニマとエーファ」
物語を紡ぐロボット。この設定が好き。
神林長平「あなたがわからない」
意識。共感能力。難しいが、結末の世界が反転する感覚が刺激的。
長谷敏司「震える犬」
中編。AR。チンパンジー。進化。チンパンジーの社会性の変化が非常に興味深い。
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図書館より。
読みたい宮部みゆきのみ、読了。あと、漫画も読了。
SFというよりは、私的にホラー。怖いよね。
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宮部みゆきのみ読了。途中ドキドキしたけど収まるところに収まってホッとした。地に足のついた短編SFだった。