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ディック『高い城の男』の『精神的続編』と言われる歴史改変SF。ハヤカワ文庫版も上下巻で同時刊行されたが、私が買ったのは銀背の方。
『高い城の男』との共通点は色々あるが、本書の特徴は現代のサブカルチャーの影響をはっきりと打ち出しているところ。銀背の既刊にも漫画やアニメといったサブカルチャーの影響が強い作品が見られるが、小島秀夫や押井守の名前を挙げているのは非常に納得出来る。
個人的には巨大ロボをもうちょっと活躍させて欲しかったw
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タイトルといい表紙のメカといい、軽薄なキワモノと思って読み始めたが、なかなか重厚なデストピアの物語であった。
ひとつひとつ細部の練られたステージを経巡りながら、物語が進んでいく感じはゲームっぽい。
バイオでグロい汁気の多い暴力シーンがたくさん出てくる。拷問と回想がセットになって描かれるシーンが反復されるのが、読んでても苦しくて痛い。
将軍にもっと凄みがあれば、よかったなあとは思った。
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面白かった! エキセントリックなジャパネスク、「電卓」や肉電話(!)などのトンデモガジェット。イロモノっぽいが史実を踏まえたちゃんとした歴史改変SFで、一気に読ませる。
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日本が戦争で勝った世界という設定のSF。描かれる世界はブレードランナーやパシフィックリムといった映画で見たような世界観。想像を全然超えてこなかった。ストーリーにもキャラクターにも魅力を感じられず、著者が書きたいシーンを繋げたような印象を受けた。
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もしかしたら外国文学に「伊勢うどん」が登場するのは初めてじゃないかな?若名将軍とベンとの会話。
「わたしは伊勢うどんが食べたいな。好物なのだ」
「食べたことがありません」
「いつか連れていってやろう。伊勢志摩でも正しい伊勢うどんを出す店は数軒しかない」
「楽しみです」
場所は、ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(USJ)の首都ロサンジェルス。若名が言っていることは事実。ネットで知名度の高い店でも、かまぼこが入っていたり、卵をのせていたりする。伊勢うどんには、薬味として葱、好みで一味。あとは、ひたすら箸を使って、あの濃いたれをうどんに絡ませる。麺に白いところがなくなったら準備OK。一気にすするのみ。
歴史改変SFとしての面白さはあまりない。作者は日本のアニメやゲームのファンらしい。表紙のイラストに出ているメカの活躍に期待すると裏切られる。
拷問や嗜虐的な快楽への言及があって、人によっては嫌悪感を持つことがある。評者もどちらかといえばそうらしい。人間の身体を弄るのは、好きではない。(☆は厳密には二つ半。四捨五入で三つになっている)
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「お偉い将校はんは経歴が傷つかんことだけ考えとって、評価すべき所を見とらん。兵士は顎で使われてよろこんどる」
作者は幼少期から日本のオタク文化に親しんできたということで、「日本らしさ」というものをよく理解している。
「大日本帝国がアメリカに原爆を投下し、第二次世界大戦に勝利した世界」を舞台にした改変歴史SF(と呼ぶらしい)である。私はSFの良い読者ではないが数少ないSF読書履歴からするとこの手のディストピアものが比較的好物なのだろう。思いつくのは大原まり子の「ハイブリッド・チャイルド」である(Webで検索すると内田春菊の同名漫画がよくヒットするがおそらく無関係)。科学は進歩しているが人心は荒廃し、その中で懸命に生きる姿に心惹かれるものがあるのかもしれない。
本書も舞台設定は1988年であるが、技術は現実よりも進歩しているように見える。だが精神性はむしろ退化というか、「大日本帝国」から変わっていないようにも見える。たぶん作者の皮肉か何かだろうが、確かに敗戦という大きな出来事があったからこそ「大日本帝国的なもの」が否定されたわけで、もしそれがない、むしろ強化された世界と考えると、本書の舞台である北米大陸がこの有様であるとすれば、日本本土はどのような状況なのかがむしろ気になる。
ゲームのプロが存在し、観客にプレイを見せるという娯楽が存在しているあたりは非常にアメリカ的でもある。
主人公の一人(言ってもよいだろう)、特別高等警察の槻野昭子は天皇に絶対の忠誠を誓うガチガチの憲兵キャラで、不穏分子への拷問尋問よろこんで! みたいな感じだったのが様々な思惑に迷いつつも忠義だけは維持しようとしてかなり酷い目に遭うというあたりにカタルシスを覚える向きもあるのかもしれない。ビジュアルが表紙と口絵に巨大ロボのイラストがあるだけで人物が描かれていないため、勝手に軍服姿のあきつ丸を想定していて、それがあんな目やこんな目(ネタバレ回避)に遭うのでこちらの精神的にもなかなかきついものがあった
。ボーイフレンドは正直どうでもよろしい。
二段組で、ページ数の割りにボリューム感のある一冊。
余談であるが本文中では「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」が「USJ」と表記されるので、どうしてもユニバーサルスタジオジャパンが脳裏をよぎる。
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USJ means United States of Japan! i hate war, if got win to Japan. anyway, which one do you like, comedy or tragedy? life is very short. why don't get love and peace? 「四方の海、みな同朋(はらから)と思う世に、など波風の立ちさわぐらん」
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これは面白い。第二次大戦で日本・ドイツが勝った世界が背景皇国軍人であるが怠け者で昇進できない石村紅功と特高で男言葉(訳者のせい)の槻野昭子が主人公。アメリカが勝ったことになっているゲームの製作者を追うが、拷問にあったり死にかけたりでかなりハード。表紙はワンシーンではあるがちょっと違う感じ。
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もし、第二次世界大戦で日本とドイツが勝利してアメリカ合衆国が両国の占領下になっていたらという、パラレルワールドを描く。
著者である、ピーター・トライアス氏の日本の歴史、文化、サブカルチャーに対する強烈な愛情を感じる。『攻殻機動隊』、『パシフィック・リム』、『ブレードランナー』から影響を受けたと思われるシーンが多数あり、映画などで描かれるステレオタイプの日本人像を意図的に表現していて、それが世界観にマッチしている。
非常に魅力的なキャラクターである、特別高等警察の槻野課員は攻殻機動隊の草薙素子がモデルだろう。他にも関西弁を喋る巨大ロボパイロット、電卓と呼ばれるスマートフォン、アームガン、猥雑に日本化されたアメリカの街並みなど見所は多い。
あなたが前述の3本の作品が好きなのであれば是非お勧めしたい。
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第二次世界大戦に日本が勝利し、USAをナチス・ドイツと分かって統治しているという歴史改変の世界が舞台。アルゼンチンの軍事政権下時代のような、告発されたら拷問・処刑が待っている恐ろしい世界になっている。あり得そうな設定。 繰り広げられる物語、ガジェット、キャラクタに惹きつけられました。完全燃焼、出し切った感満載で面白かったです!
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“民族”という語は差別的と言っていい。原文ではnation だろうか?
英語としてはGrate Empire Niphon だろう。南朝鮮の拷問博物館、支那の南京大虐殺博物館の世界観そのまま。偏見もユーモアとかペーソスとかがあれば読めるが韓国名物蛸の活造りを見るようなスプラッターに終始。昭子が人体彫刻家に嫌悪を催していきなり射殺、その結果、忠誠心が疑われ拷問の末、殺害予定が脱出、報復に活躍というプロットが必然性が弱い/翻訳で大阪弁を交えるなどして残酷ムードの救済を試みているが、日本が米本土に原爆を複数投下して制圧という設定自体に朝鮮民族に核兵器を持たせてはならない認識が浮かぶ
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表紙のガンダム風メカバトルがメインだと思ったら、電脳ゲームや凄惨な拷問など人間のハードな駆け引きがキモのサイバーパンク。
変な漢字使いが、日本占領下のアメリカという違和感を際だたせる。
過去・現在の構成が見事。
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表紙に惹かれて購入。巨大ロボットがバトルを繰り広げ大活躍! と、思ったら違いましたね。「高い城の男」とも日独が勝った世界というところ以外、あまり共通点もなし。アクション娯楽大作としては、いろいろてんこ盛りで面白いと思いました。
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『高い城の男』は読んだことありませんが、高校生のころから読みたいと思っていた名作です。
歴史が好きなので、改編歴史ものは好きなのですが、この作品に関して言えば、面白かったけれど名作というほどではなかったと思いました。
プロットはとてもいいのです。
この路線でしっかりとストーリーをまとめれば、読者の胸を打つ感動的な作品になったろうと思います。
実際エピローグを最初に書いた時の主人公はベン(石村)と槻野(昭子)だったらしいのですが、次第に比重が昭子寄りになっていったようです。
昭子の登場から作品はきな臭くなり、とにかく拷問シーンが続きます。
その拷問の仕方がどうも日本ぽくないというか、中国の古典辺りに出てきそうなやつで、手足を切断したり皮をはいだり。
日本の拷問って、水責めとか石抱きとか骨を折るとかはあるけど、手足を付け根から切断とかあんまりないような気がするんだよね。
日本のアニメやゲームから影響を受けた世界観は、日本がアメリカに負けて、アメリカの文化(映画やコミック等)の影響を受けて作られたものであって、作中のように日本が勝利していたのならば、もっと精神世界に重きを置いたような気がします。
それに、広大なアメリカの西半分を支配して、田んぼを作らないって、日本人じゃない。(笑)
天ぷらバーガーを食べるくらいなら肉巻きおにぎりを食べると思うのですよね。
まあ、細かい違和感はどうでもいいのですが。
ただ、作者の考える日本的というのと、日本人読者の考える日本的というのにずれがあることを踏まえたうえで、作者はロボット戦闘ものが書きたかったんだね、と思うしかありません。
いちおうまだドイツとは同盟中であり、ベトナムなどとの局地戦はあるものの、ロボット兵器を作るメリットが作中で全く語られません。
小回りきかないし、燃費悪いだろうし、維持費もかかると思われるロボット兵器を持つメリットって?
そして一番残念なのが、勝利国日本(皇国日本)の誰一人も幸せそうではないこと。
裕福でもない。
ゲリラと地下組織と反政府運動とヤクザ。
戦勝バブルみたいのが全然なくて、本当に日本が勝ったのですか?って思ってしまう。
書きたい部分を重点に書くのではなく、書くべき部分を充分に書いてほしかったなと思いました。
でも、エンタメとして面白く読みました。