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★紀伊國屋じんぶん大賞2017(ベスト7!選出)
★武田鉄矢さん、岡崎武志さん、絶賛紹介!
★NHK総合TV「あさイチ」、『朝日新聞』などで紹介
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<ニワトリ無くして、人類無し!>
なぜニワトリは人類に欠かせないパートナーとなったのか?
古代から近未来まで、ニワトリとともに
歴史・文化・科学を巡り、地球各地を巡る、驚きの文明論
・なぜ古代から人類とともにニワトリは世界各地へ広まったのか
・私たちの健康・医療に果たしてきた知られざる役割
・神や悪魔の使いから、生贄の儀式まで、なぜ深く信仰とかかわるのか
・ダーウィンの進化論など、科学の発展をいかに陰で支えたか
・平等社会や、女性の地位向上にどのように貢献したか
・世界を席巻したニワトリは、アメリカでいかに作られたか
・NASAの火星移住計画に、ニワトリが選ばれたわけ
多大な恩恵を受けてきた、この恐竜の小さな末裔たちのことを
私たちは余りにも知らない。
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ニワトリを巡る文化誌で、進化・宗教・産業・科学等、いかに多方面にかつ深く人類とニワトリが関わりあってきたかを、世界中の痕跡から探ります。
いつの間にか人間とともに暮らすようになったニワトリが、民族と供に移動し、宗教における特別の存在となり、社会の都市化と近代産業化において、良質なタンパクを多量かつ安定して供給する役割を果たすようになりました。
現在、地球上には200億羽のニワトリが生息し、これは鳥類では2位のコウヨウチョウの20億羽を引き離す数です。雌鶏は1年に1兆個の卵を産み、鶏卵用に産まれたヒヨコのうち、雄として産まれてしまったヒヨコはアメリカだけで年間2億羽以上がすぐに処分されてしまうというニワトリの運命は、「絶滅する運命ではなく増殖する運命——それは絶滅よりも悪い運命」と言えるかもしれません。
一方で、こうした世界的な動きに対し、手間も金もかかりますが、地場の品種を快適な環境で育て、原産地統制呼称を許された動物福祉に適合し美味なチキンを育てる/選ぶ動きも広がっています。安価に供給されたタンパク質により生活の質が向上し人々が救われた側面もあり、一概に善悪を語ることはできませんが、こうした大量産業化とエシカルの分化は現代文明の至る所に見られ、この点も正にニワトリが人類の文明を反映している証と言えます。
その他にも、奴隷や女性が養鶏により生計を立てられるようになり、平等な社会の参画者になった歴史や、ワクチンの製造をはじめ保健医療に果たしている役割、東南アジアへの野生で暮らすニワトリの先祖を探す旅等、様々なテーマからニワトリを記述したこの本は、人にとっていかにニワトリが欠かせない存在かを思い知らせ、このニワトリの愛おしさを感じさせてくれることでしょう。
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現在地球の動物性たんぱく質供給の多くを担い、常時200億はがいるらしいニワトリの由来を調べた本。以外とわかっていないことが多くて、原種は東南アジアの赤色野鶏でおそらい。秋篠宮の専門がニワトリで、以前遺伝子が解析される以前にこの家畜化について一回だけ家畜化されたということに関わる論文を出したらしい。
現在の品種改良されたニワトリは、もともとは食用というよりも宗教や闘鶏が主たる理由のようであって、東洋と西洋のニワトリがイギリスで掛け合わされたのが主な契機となった。現在のブロイラーのような47日間で2.6kgになる一方餌は1kgもいらない。一方1950年では70日でその半分強の体重で1.5倍の飼料だった。
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教養が試される本。
セキショクヤケイから家畜化されたニワトリはどのように世界(主に欧米)に拡がり文明の中に浸透していったのかを丹念な取材で明らかにします。
歴史上の地名や人名がたくさん出てくる上に、鶏の品種名や取材した人物の描写まで出てきます。さらに、意味の解り辛い悪文がところどころトラップのように潜んでいます。難解で脳みそが沸騰しそうな本でした。歴史や地理の素養があればもうちょっと楽に読めたのかなあ?
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ニワトリの歴史を追っている本。文化史・歴史に対しての比重が大きく、直近の「工業生産品」としてのニワトリに対する比重は小さい。
ジャーナリストらしく現代のニワトリ業の闇に触れようとする際の過程・触れ方は流石ではあるものの、やや学問チックな部分の触れ方について厳密性にかけるのは致し方ないところ。
日本人的には秋篠宮殿下の専門がニワトリに関連することだったというのは興味を引くところではある。
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ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』でも、「小型小動物や鳥や昆虫」というカテゴリーに押し込められて、あまり注目されていない、というニワトリ。大型家畜に比べて研究がいきとどいていないようだが、実のところ、人のいるところにニワトリあり、で、その足跡を追うとたまらなくおもしろい。
二本足の薬箱、と題した章では、ニワトリの身体のすべてが古代の処方箋にたびたび登場することを説く。赤ん坊の歯を生えさせるとか、ヘビの噛み傷の解毒剤とか、うつ病、不眠症にもいいというからすごいなあ…いまでも生の卵白をやけどの治療につかっているところもあるという(これはかえって危険性を増大するそうだが)。
ではニワトリで身体を治すのはみなトンデモかというと、そんなことはない。つい最近まで、インフルエンザワクチンも鶏卵が必要だったし、いまでは異種の遺伝子注入されたニワトリによる薬の研究がおこなわれている。
…っていう話は、ニワトリ愛的にはあまり聞きたくないかなあ(けど印象的)。
ちょっと「人類に使われてきた」という印象がつよくて、そこは西洋的かなあ、とも思うけれど、最後の方には、ニワトリとの小さな暮らしに回帰することや、なによりニワトリの原種であるヤケイへの大いなる敬意に終わる。ああよかった。
ニワトリ本としては、『ニワトリ 愛を独り占めにした鳥』というのが光文社から出ていて(Kindle Unlimitedの対象でもあるよ)、これがやはりたまらなくおもしろいので、にわかニワトリ好きはそちらも読むべし。
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鶏肉大好きだし 昔勉強もしたので手にとってみました。
思ったとおり 授業のテキストになりそうな 内容でした。
ニワトリって どこでも見かけた事があると思っていましたが バチカン以外世界中で飼われているそうです。
この本は ルーツを辿っていましたが
はっきり限定できていませんでした。
というのも ニワトリ(その原種)は いつ頃から人と係わったのかについては
骨などが殆ど残っていないそうです。
確かに、人がある程度食べて その辺に捨てたとしても
野犬などが食べちゃって・・・・
だから 品種改良とか進化の様子が未だにわからないそうです。
とはいえ 古代エジプトなどの 絵などからは
高貴な鳥として 扱われていた事が残っています。
そして日本などでは アマテラスさんなどの 使いとして宗教にも使われるようになったけど いつからか 生贄にされたり 祈祷に使われて 殺されて でも、そのニクは 貧困者への 食事として提供されてるようです。
アメリカでは 奴隷にされていた人達が 唯一飼えた ものが ニワトリでした。
牛とかは飼ってはいけなかったそうです。
そして 牛などよりも 手軽に飼えたので 女性でも飼育できて
良い収入源になったようです。
そして フライドチキンのレシピが広がりそれと共に売上も上がっていきました。
戦時中は 兵隊さんには 牛などの肉を 提供するので 庶民は鶏肉という方針だったようで ますます ニワトリが人気上がりました。
更に ニワトリは 卵も含めて 栄養素もたっぷりあるので 古くから薬としても重宝されていたようです。
しかし、現在では 大量生産の為に
薬品を投与した ブロイラーや 動けない状態の ブロイラーが 沢山いるけど どうやら 動けない方が 仲間内でつっつき合うことを防ぐのに良いらしいけど 私は なんか こういう飼い方は 嫌だけど 大量に鶏肉が必要ならば 仕方ないのでしょうかねぇ。
今後 ニワトリが 快適な状態で 沢山飼育できるように 研究を続けていってもらいたいと 思いました。
ニワトリについて 学びたいと思う方に お勧めの本でした。