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大倉財閥の生みの親である豪商・大倉喜八郎の物語。
幕末から明治、昭和にかけて豪商と言われた人々の中でも
特に「戦争屋」「死の商人」などと、とにかく悪評が高い。
それはよく知ればほんの一面に過ぎず、その人柄や功績は
もっと評価されるべきであるという作者の思いから
この小説は書かれた。
同時代に生きた渋沢栄一などと比べるとなんとも泥臭いが、
どんな相手に対しても信念を貫く強さやどことなく
親しみやすい風貌が運や人を惹きつけるのだろう。
一緒にいるとワクワクするような、ハラハラさせられながらも
そばにいて見届けたくなくなるような魅力を感じさせる
人でもあったらしい。
しがない乾物屋だった頃から喜八郎を支えた岡っ引きの常吉は
実在する人物であろうか。常吉の目線から見た喜八郎が読者を
冒険に誘い出してくれる。
そう、ちょっとした冒険小説みたいに読める本であった。
この小説を読んだからと言って悪評が覆ることはないように思う。
ただ、並々ならぬ冒険心と信念を貫き通す肝の座った生き様を
しめす人があの時代にはたくさんいて、大倉喜八郎も
まごうことなくその一人だったのだ。
幕末から明治にかけての激動の時代には、
本当にすごい人がいたものだと
ただただ圧倒されるばかりである。
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「死の商人」と世間に言われながらも、日本とアジアの発展のために活動してきた商人・大倉喜八郎の人生を描いた小説。
約束を守り、どんな仕事でも丁寧に行う。現状維持に満足せず、変化することを怖れない。本書は大倉喜八郎の活躍を楽しむだけでなく、ビジネスで心がけるべきことも教えてくれます。
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好きな作家である江上剛さんの作品で東京経済大学の創設者である大倉喜八郎氏の生涯を描いた作品です。
ちょうど息子が東京経済大学に進学したので読んでみました。
渋沢栄一氏と同じ時期での活躍ぶり。
理解が深まりました。