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人工知能の話は少々抽象的で、量子論の説明は全く物足らないが、ある種の量子コンピュータが現存して販売されていること、そして、このコンピュータは万能ではないが特定の課題に対して従来技術のブレークスルーになることはよく分かった。また、この量子コンピュータの動作原理である量子アニーリングについて、適切な比喩によって素人にも直感的にイメージできるよう解説されている点は、さすがはこの道の第一人者であると思わされた。
このほか、科学的・理論的に厳格な研究に励む日本の科学者と、たとえ完璧な答えが出なくても役に立つものなら研究して発展させ、その上で実用化して世の中に広めていこうとするアメリカの科学者やそれを資金的に支えるベンチャーキャピタリストの存在という科学やその応用に対する姿勢の違いについても、著者たちの実体験をベースに書かれており、この点も興味深かった。
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量子コンピュータといっても本命の量子ゲートによる汎用機ではなく、量子アニーリングを用いて組み合わせ最適化問題に特化したマシンの原理や今後について。
すぐに読める分量だし、やさしく書いているが、けっきょく原理はよくわからなかった。
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意味はたぶん、ほとんどわからなかったけど、すごくワクワクした一冊。
基礎研究やベンチャーの捉え方のくだりはすごく納得。
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量子コンピュータ
1965年 リチャード•P•ファインマン
量子アニーリング方式 焼きなまし
1998年 西森教授、門脇 大学院生
カナダ D-Waveシステムズ
ジョーディー•ローズ
2007年 量子ビット16個
2011. 128
2013. 512
2015. 1000個以上
グーグル、NASA D-Wave 2X
最適化問題
キメラグラフ; 8個
量子ゲート方式
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量子コンピューターが凄いというのはなんとなくわかるがなぜすごいのかというとよくわからない。
この本ではそんな量子コンピュータの仕組みを丁寧に説明してくれている。
で、読んでみたわかったかというとやっぱりよくわからない(笑)。
でも量子コンピューターが凄さが前よりもリアルに実感できるようになった。
コンピューターの未来が楽しみです。
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量子コンピューターについて最近の組み合わせ最適化や機械学習への応用も視野に入れて解説。特に著者自身が提唱し、近年の進展のブレイクスルーとなった量子アニーリングについて平易に説明されている(古くからある量子ゲート方式との違い、量子アニーリングを物理世界で実現してしまうハードウェアの開発、シミュレーティッドアニーリングとの対比を通じたトンネル効果の説明など)。
また、応用範囲についても、組み合わせ最適化と機械学習(特にサンプリング)について、どのような課題が量子コンピュータによって解決するのかが解説されている。
さらに、現在のレベルを冷静に分析した上で、今後の発展のためにどのような基礎研究・理論研究が必要かについても強調する。量子コンピュータの研究に人材と資金を呼び込もうとする意欲的な本。
日本の大学では、「理学・サイエンス」と「工学・エンジニアリング」が分かれていて交流がないと指摘する。
最後には、著者自身の最新のアクティビティーを例に、「なぜ・どう動いているかわからない」ものに対する基礎研究が制御や予測、技術開発のために必須だと訴える。
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GoogleとNASAが量子アニリーング方式の量子コンピュータでは組み合わせ最適化問題で、既存のコンピュータの一億倍早いと発表した話を皮切りに、D-Wave開発の経緯と背景そして出遅れた日本の反省と今後について語り、量子コンピュータの仕組み原理についてとても分かり易く(量子コンピューティングが始めて分かったような気にさせられた)説明する。
以下は量子コンピューティングの仕組みの説明の要約。
「巡回セールス問題を5都市で説明、25bitを用意、ビット間の相互作用を決め、0と1の重ね合わせになっている状態からスタートし、横磁場をかけ、後に弱くして相互作用を強くし最終的に横磁場を0にする。相互作用で、水が低いところへ流れるように0,1が決まることで、最短経路わかる。」
また、量子コンピューティングは機械学習での「選択変数」やディープラーニングウの「クラスタリング」にも応用できるとして、人工知能についても説明し、量子力学についても、量子が波であり粒子であることや量子トンネル効果など、不思議で有名な話なども分かり易く解説している。
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読了。
量子コンピュータの量子アニーリングという方式が、トンネル効果を使って、エネルギーの最低地点を求めることに使っている、という点を理解できて、得した気分。
量子力学のトンネル効果を使って、過学習や鞍点の問題を回避しているわけか。
最近、人工知能や機械学習、統計学の本を図書館で借りて読んでる。
今頃になって、大学生の頃にちゃんと理論物理学を習っておけばよかったなあ、とか思ったりする。
あの時はチンプンカンプンだったなあ、と後悔したり、昔勉強した内容をようやく理解できて、自分も成長しているな、と思ったり。
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「邪気眼」と並んで声に出して読みたい日本語の代表格である「シュレーディンガーの猫」。恐らく多くのビジネスパーソンも「ああ、その案件はまさにシュレーディンガーの猫状態だね。そういうことでよろしく!」という会話を耳にしたことがあると思うが、本書は量子力学を援用することで、従来のコンピュータよりも遥かに高い演算能力を持つ量子コンピュータの概略書である。
正直なところ、この1冊で「量子コンピュータが理解できた、ヘイヘイ」とでも言おうものなら、世界中の学者によって私が箱の中に閉じ込められ、青酸カリのガスの中でシュレーディンガーの猫状態になりそうな気もするので、そんな大げさなことは言えないのだが、とにかく量子コンピュータが「バリヤバイ」(by 向井秀徳)なのは分かった。
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量子コンピュータという言葉だけが一人歩きしてるが、その限界や現在世界中で行われている競争、今後の展望について気軽に触れられる本。
著者は量子アニーリングの第一線の研究者。
実際の量子コンピュータであるD-Waveがどのような仕組みで動いているのか、なんとなく理解できた。
量子トンネル効果についてはなんとなくはぐらかされたような印象があるが、興味がある部分は別途掘り下げていけば良さそう。
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まえがきに、「専門知識がない人でもなるべく理解しやすいように解説する。」とあるが、
「門外漢の私でもよく理解できた」とは言い難いかな。
そんなに量がないので読み切るのはさほど苦でもない。
量子コンピュータの仕組みや人工知能との関係のイメージがホンノリとつかめたのかどうか。
基礎的な理論で大きく貢献している日本人研究者のさらなる活躍を期待します。
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量子アニーリングという理論を使っている
物理現象そのものを使って問題を解くらしいが、現状のコンピュータと全く違う原理なので戸惑った。
汎用ではなく組み合わせ最適化問題に特化している。
といってもその問題は非常に応用範囲が広いので十分ブレイクスルーになる。
絶対零度近くに冷やす必要があるが冷やすのは小さいチップなので電力はスパコンよりずっと低いというのはなるほどと思った。
ページ数はそんなにないがあまり詳しく説明されても多分パンクするので今はこれぐらいでいいと思う。
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量子コンピュータおよび「量子アニーリング」を一般の言葉で説明した本。量子コンピュータへの期待の誤解も言及されています。
数式は皆無なため、原理を追求したい人には不向きです。
仕組みは少しわかるのですが、実用例が乏しいので実際の活用イメージは付きにくいですね…。
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量子アニーリング方式のコンピュータの解説が中心ですが、それにしては、やや冗長な印象。
量子コンピュータの紹介という意味なら、量子ゲート方式の解説などもあった方がいいのでは。
人工知能についての記述は、大したことない印象。
なんとなく、この分野をのぞいて見たいという方にはいいのかもですね
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以前から気になっていた「量子コンピュータ」。
動作原理と結果の解釈方法は今一つ理解できなかったが、とりあえず「量子アニーリング方式」と「量子ゲート方式」というキーワードを覚えておこう。
本書は、「量子アニーリング方式」で組み合わせ最適化問題の近似解を得ることができる「量子コンピュータ」について、現状と発展の方向性のヒントを示してくれている。
汎用性はないが、問題によってはスーパーコンピュータ「京」で3年かかるものが1秒で出せるのは脅威的。
答えを得るまでの速さのみならず、コンピュータの動作自体にかかるコスト削減による省エネ率が半端でなく利用価値大。
ざっくり言うと、3年でかつ1億円もかかるため非実用なものが、1秒1円でできてしまうということ。
現在はビックデータを力任せに処理するのに、尋常でないエネルギーを使っているから、人工知能の商用化のネックは超省エネ化をいかにして行うかにかかっているはず。