投稿元:
レビューを見る
表題作がやはり1番印象に残った。とても哀しいお話だけれど、清々しさも感じられた。シリーズものとしても新たな展開があり、これまでの作品たちも再読したくなった。
投稿元:
レビューを見る
三島屋変調百物語 第四弾
まさに安心のクオリティ。読み応えのある一冊でした。
今回は、おちかの心を揺るがす別れと、新たな出会いがありました。
ある意味、一つの区切りになったような感があります。
今後の展開が楽しみです。
投稿元:
レビューを見る
美味しい花見弁当を出す仕出し屋のだるま屋、しかし毎年花見の時期が終わると秋の紅葉狩りのころまで店を閉めてしまう理由とは。だるま屋の主人房五郎が母の弔いを終え江戸に帰る途中で出会ったひだる神の顛末は、不気味なイントロからは想像もできない江戸グルメと人情の物語。饒舌な筆者の語り口がぴったりはまり、最後にほろり。「食客ひだる神」途中が不気味な展開にもかかわらず見事なエンディングにうならされる「三鬼」など素晴らしい中編集でした。
投稿元:
レビューを見る
迷いの旅籠/食客ひだる神/三鬼/おくらさま
おつぎが、房五郎が、清左衛門が、お梅が語る。その身に起きた不思議をおちかに語る。人の心の奥底から現れて形になってしまった物を‥‥語ることで吹っ切れるのだろうか、浄化されるのだろうか。聞き手の気持ちは‥‥?
投稿元:
レビューを見る
4話の色合い、味わいの違いを堪能。
「食客ひだる神」は、久しぶりに読んで幸せな気分になれる楽しい話でした。
投稿元:
レビューを見る
江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は“お嬢さん"のおちかが一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。訪れる客は、村でただ一人お化けを見たという百姓の娘に、夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋、山陰の小藩の元江戸家老、心の時を十四歳で止めた老婆。亡者、憑き神、家の守り神、とあの世やあやかしの者を通して、せつない話、こわい話、悲しい話を語りだす。
「もう、胸を塞ぐものはない」それぞれの客の身の処し方に感じ入る、聞き手のおちかの身にもやがて心ゆれる出来事が……
投稿元:
レビューを見る
2016.6 おどろおどろさを感じなくなり、ホロっとしてり、せつない話が多くなりました。いい小説です。次回作も楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
シリーズ4作目。
百物語聞き手のおちかの心の傷が、聞き取ってきた怪異譚と彼女を取り囲む心優しい人達によって癒されてきて全快も近いのではないかと思わせる読み心地が漂う。
特に最後の一話「おくら様」に、傷を抱えたまま居着いてはいけない、前に向かって進まなければ幸せになれないと、おちかを思う人々のメッセージが込められている。
貸本屋の貫一の「生身の人の語りは、血が通っていて面白いが生物だけに、時にはあたる」
でも「読み物は生身の人からは離れている。どう間違ってもあたらないし障らない。気散じにはうってつけの上、読み物を通して知識が増えれば肝っ玉が強くなり一石二鳥」という意味の言葉が刺さる。
小説ばかり読んでいる私は、一体お楽しみだけを求めるこんな読書に意味があるのかと大げさに言えば悩んでいたことがこの言葉で少し楽になった。
投稿元:
レビューを見る
三島屋変調百物語シリーズの続編である。前作『泣き童子 三島屋変調百物語参之続』は、441pとボリュームはやや抑え目で、全6編を収録していたが、新刊は664pと再びボリュームアップ、収録数は全4編。百物語の聞き集めは、いつまで続くのか。
主人公のおちかに簡単に触れておく。おちかの実家は川崎宿の旅籠だが、訳あって、江戸は神田の袋物屋、三島屋に預けられている。本シリーズは、おちかが聞き手となって、客人から珍しい話を聞くという形になっている。百物語達成は、はるか先に思えるが…。
第一話「迷いの旅籠」から、いきなり長い。語り手は、子ども1人。村に伝わる行灯祭りが、領主の命により中止になる。滞在していた絵師が、空き家を利用した別の企画を提案したのだが、絵師の目的とは…。怪異を扱う以上、ありがちなネタだが、ビジュアル的に印象深い。この絵師は、本来の目的を遂げたのだろうか。
第二話「食客ひだる神」。なぜか夏場は休業する、評判の料理屋、だるま屋。主人がおちかに明かした、その理由とは。昔も今も、飲食店の競争は厳しい。繁盛するなら縋りたいという人が、いるだろうか。味がよければ繁盛するとは限らない。とはいえ、やはり、この主人の腕が確かだからこそだろう。このシリーズには珍しい、ほっこりする1編。
第三話「三鬼」。語り手は、とある藩の江戸家老だったという浪人。第二話から一転、重い内容である。荒廃した小藩にあって、さらに過酷な山奥の村。村人は皆、強制入植者だが、何かを隠しているらしい…。話も理不尽だが、ある意味、後日談の方が、おちかにとって理不尽だろう。聞かせるだけ聞かせておいて、それはないのではないか。
最後の第四話「おくらさま」は、異例の展開である。第一話とは違う意味で、説明しにくい。これも語り手としての能力なのか、体質なのか。今後も同じことが起きるかもしれず、真相はともかく、まだ完全に立ち直っていないおちかの体調が心配になる。心根が優しいのは悪いことではないのだが…。三島屋の主人は、まだ続けさせるのか?
僕は宮部流時代物のファンであるし、好きなシリーズではあるが、固定フォーマットでしばらく続けるにしても、どのようにまとめるのかは大いに気になる。現時点で終わりは見えないが、おちかと三島屋に災厄が降りかからないことを、願うのみである。
投稿元:
レビューを見る
三島屋シリーズの4作目。
これまで以上に怖かった…。
何が怖いんだろうと少し考えた。
恐怖とは死そのものではなく、あちらと何一つ共有できないこと。そういう存在が自分の真正面に居ることで、この世の一切の輪郭がぼやける。それは、こちらの存在そのものの確信が危うくなることに通じる。
これで読書納め。
来年はもっと読もう。
投稿元:
レビューを見る
このシリーズは久しぶりでした。
やっぱり面白かった。
三島屋シリーズで一番好きかも。
昔の話を忘れてしまっていたのが、歯痒かったです。
宮部さんの作品もまた読むぞ
投稿元:
レビューを見る
むーん!やっぱり宮部さんは凄い!!!
どれもこれも読み応えたっぷり!迫力も深みも、増し増しです!!!
表題作の「三鬼」がやっぱり一番それを感じたけど、どれも人間の業を抉り出している感じで・・・。
また一歩踏み出したおちかの姿も嬉しい。
ああ、全部読み返したくなってきちゃったよ~~!!!
投稿元:
レビューを見る
三島屋シリーズ第4弾
宮部さんの江戸ものは、いや現代物もかな
どこか切なく真摯で、特に三島屋シリーズは大好き
おちかが、少しづつ再生していき美しくなっていって
今回、また大人になり、切ないけど夢も希望もある姿が力強い
周りの人たちも、去る者もいれば来るものもいて
いつまでも続いて欲しいシリーズ
投稿元:
レビューを見る
三島屋変調百物語の4作目。細かいことは覚えてないが、私はこれまで、このシリーズはおちかの悲惨な事件のこともあり、少し苦手って印象があったが、この巻の4作はそのおちかがいい方向に踏み出してきており、面白いと思った。しかしこのペースでは百物語達成は私は読み届けられないか・・・
投稿元:
レビューを見る
2015〜16年に日経に連載されたものの単行本化で、シリーズ第4作。中編4話で565ページ。
日経で読んでいたので2読目。
いつものように三島屋のおちかが、不思議語りを聴く。
「迷いの旅籠」は隔離されて死んだ名主の家の隠居の家を使い、絵師が亡者をこの世に呼び出した物語。
「ひだる神」は行き倒れた餓鬼(ひだる神)にとりつかれた弁当屋が共存して商売を広げ、成仏したあとも懐かしむ話。
「三鬼」は、妹を辱めた者を斬って、罪人の遺族などを集めた山間の村の番士にされた侍が、村の不思議を探るうち村の負担になりそうな重傷者の命を取る鬼に出会う物語。
「おくらさま」が出色。
黒白の間に現れた梅と名乗る振袖を着た老婆が、香具屋の美仙屋では災いから店を守る「おくらさま」を祀っていたが、火事の時に店を守ってくれた代わりに次姉の菊が次の「おくらさま」になってしまったという不思議を語って消えてしまう。おちかと従兄弟の富次郎は梅を探すが、貸本屋の若旦那勘一の情報でいまわの際の梅を見舞うことができた。
梅はおちかに「おくらさまになってはいけない」という言葉を残す。おちかが恋心を抱いていた手習所の若先生が郷里に帰り、勘一が現れた。新たな展開がありそうな予感。