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第11回小説現代長編新人賞受賞作品。
新人賞である、ということはこの作品が作者にとってデビュー作であるということ…デビュー作とは思えないほど、描き慣れてるなと感じる文章を書く泉ゆたかさん、本当にすごいと思います。
また、年頃の女の子の心情の移り変わりが本当によく文章化されていて、時代は違えども、女の子の考えていることはそうは変わらないのかもしれないなーとも思いました。
私も学びに精を出そうかな!と思えるような、一歩を踏み出す勇気をくれるようなそんな作品でした。
泉ゆたかさんのこれからの作品も楽しみにしています!
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第11回小説現代長編新人賞受賞作に加筆修正したデビュー作
数学者で祖父ほど年の離れた芒夫の跡を継いで寺子屋の師匠となった桃と、鈴と春という利発な教え子の成長の物語で、心情が丁寧に描かれている。
両親が川の濁流に呑まれて助けられなかった傷を負う春は、大岡越前守が川の改修工事のために作った土木工学を学ぶ塾に進学し、裕福な商家の娘でプライドの高い鈴も遅れて入塾し、算額を完成させる。
後半に和算の問題の解き方も示されるユニークな小説になっている。
桃が川に流された春を救う場面は物語のピークだが、ちょっと無理があるように思う。
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江戸期の寺子屋を舞台にした小説。主人公の桃さんのキャラが今一響かなかった。鈴や春の描写は良かったのに。
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誰が主人公なのか分かりづらい。私だけ?
表紙と中身のギャップがすごくて、内容がストンと入ってこなかった。
あと、皆名前が似てて最初の方は誰が誰だか考えないと分からなかった。
キャラ設定が弱い感じ?
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表紙の可愛い女性と、本の中の寺子屋の女師匠との違いが、何かちぐはぐ的で、本を読みながら、鞭を手にする師匠の姿が、思い浮かぶことが出来ないでいた。
親子よりもっと年の離れた、寺子屋の師匠であった数学者清道の妻になった桃だが、一緒になって8年で、夫は他界してしまい、師匠の後を継いだのだが、・・・
河の氾濫で、両親を亡くした春が、大人なのに、もう一度、学問を習いたいと、長い道のりを歩いて、訪問する。
春の素直さ、従順さ、真面目さと、寺子屋で、我儘で、自由奔放の秀才の鈴とが、登場して、気儘だった桃を算術ヘと、引き戻す。
最初は、誰が主人公なのか?と、思いつつ、題名だけでは、鈴なのか?と、思っていたのだが、・・・
中ほどまでは、何かマンネリ化的であったけど、最後の方の、川の氾濫で、桃が、春を救助する所は、ソワソワと、してしまった。
助かって良かった!
そして、箸もひかからないような言い方をしていた大工の平助と、桃が結ばれる事になり、良かったと、・・・
昔、小さい時にツルカメ算を父親から教えて貰ったのに、ちょっとでもできる所見せたかった私は、Xの記号も知らない時なのに、はにかみながら、〇と△で、問題を解いて褒めて貰った事があった。
よくできる兄達にも褒める事を余りしなかった父だったのに、わたしはとても嬉しかった事を思い出した。
和算の本も読んだ事がある。
この時代にこのような複雑な問題を解いていたのだと、・・・それに、算額の話もその本に掲載されていた。
この本で、鈴が、若くて、このような算額を飾れるのは、やはり、親のお金の寄付金のような物が存在するのだろうか?等と考えてしまった。
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茅ケ崎で寺小屋を営む桃23歳を主人公にした物語。筆子には、春15歳、鈴9歳など。桃の幼馴染みの大工が平助。泉ゆたかさんのデビュー作です。味わい深いです。「お師匠さま、整いました!」、2017.1発行。