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お店の短編が五話
2021/10/17 08:49
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーとしては表題作の「怪しい店」が一番おもしろい。ただ個人的には「潮騒理髪店」がよかった。畳む寸前の店に訪れた謎の美人OLの行動を推理する話で、殺人事件がないせいか読後感もよく、ほっこりする。
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あとがきが。ミステリ作家はカニバらない、と。他の作家がベストセラーとなれば関連で自分の本も売れると。
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古物の魔
燈火堂の奇禍
ショーウインドウを砕く
潮騒理髪店
怪しい店
以上5本の「店」が絡む火村とアリスの短編ミステリー集。
火村准教授と作家アリスのコンビというだけでファンには楽しみなのに、5本がそれぞれ趣向が違っていてワクワク満載サービス満点大満足。
あらためて「あー有栖川先生は本格派ミステリー作家さんなんだなぁ」と感動すら覚えました。
この一冊でいろんなタイプのミステリーが味わえます。
一番好きなのは「潮騒理髪店」、次が「燈火堂の奇禍」でした。
解説も楽しくてしかもビシッと鋭い。
一字一句逃さず楽しめました。
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様々な店で起こった事件を、火村とアリスが解決していく、作家アリスシリーズの短編5編。
各短編、安定した出来。事件も殺人事件一辺倒ではなく、ひねくれた店主がいる古本屋での万引き事件だったり、火村が旅先でたまたま寄った理髪店の出来事だったりと、バラエティーも豊かです。
「古物の魔」は骨董品屋で起こった店主殺人事件の話。この話のポイントは、なぜ犯人は死体を遠くまで捨てに行かず、すぐに見つかる押し入れに隠したか、ということ。火村いわく「犯行を完全に隠してしまうのではなく、発覚を少しだけ遅らせたかったかのよう」とのことですが……
犯人の動機と、犯行の発覚を遅らせたかった理由、タイトルの意味も相まって、哀愁の漂う印象的な短編です。
表題作の「怪しい店」は、人の悩みや愚痴を聞く聞き屋の女店主の殺人事件の話。
犯人指摘までの軌跡がユニーク! ロジックの転がし方が相変わらず素敵だな、と感じた短編でした。
この場合犯人というのか微妙ですが、古書店の万引き事件を扱った「燈火堂の奇禍」は、本好きにはいろいろ考えさせられる短編でした。
店主は本を買おうとした客に対し、「本当にその本が必要だと思うなら10日後にもう一度買いに来い」、と言います。
積読がたまりつつも、ついつい衝動的に本を買う自分にとっては、ちょっと耳が痛い……。でも、その場で買わないと、もう買えないかも、と思うと、店主には「見逃して下さい」という気持ちになります。
話を読んでいると、この本の登場人物の一人も、そんな気持ちだったのではないかな、と悪いことをしている人ながらも、少し同情的になってしまいます。
火村の旅先での理髪店の出来事を描いた「潮騒理髪店」は、火村と理髪店店主のやり取りがとてもいい雰囲気。また火村とアリスのやり取りも思わずニヤリとさせられました。
以下、私事でつらつらと。
4月から社会人になり、時間的余裕が減り、本や映画に触れる機会も減っていたのですが、年明けから、徐々に本を読みたい欲が戻ってきました。
そこで、手に取ったのが、高校時代からお世話になっている火村・アリスコンビが活躍するこの本。自分も自分の周りの環境も変わっていきますが、そんな中で、この二人のやり取りは、昔も今も変わらず、読んでいてなんだか懐かしさと、不思議な感動がありました。それは久しぶりに、友人に会ったような感覚かもしれません。
長期シリーズを読む楽しさというのは、こういうところにあるのかもしれません。少し離れていても、前と変わらぬ雰囲気で迎えてくれるのです。
この二人には、これからもお世話になるのだろうな、と改めて思った一冊でした。
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毎度ながら火村シリーズの短編は、ロジカルの巧さとまとまりの良さが光りますね。「店」をテーマにした五編が収録されており、本格捜査だったり安楽椅子ものだったり日常ものだったり、あるいはアリス視点だったり火村視点だったり倒叙だったりと、形式もジャンルも様々ですが、いずれも完成度が高くて面白かったです。一番好みだったのは「ショーウィンドウを砕く」。冒頭のサイコパス診断の話題がラスト数行に効いてきて、ぞくりと寒気を覚えました。
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短編集。人死にのない話もありどれも面白かった。火村とアリスのコンビはまだまだ安泰で安心。東川篤哉の解説が美味しい
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短編集。
▼ショーウィンドウを砕く
物語の語り手を犯人自らが行っている。
会社の経営が上手く行かず、資金繰りも行き詰まりつつあった夕狩は恋人を殺害してしまう。
恋人から自宅の鍵を失くしたと連絡を受けた夕狩は、そのことを利用しようと思いつく。
翌日、強盗の仕業に見せかけて夕狩は凶行に及ぶ。
物語の中に出てくるショーウィンドウは、子供だった夕狩にとって憧れの象徴だった。
ショーウィンドウの向こう側にあるものは、いつも眺めるだけの存在。
どんなに欲しくても自分が手に入れることはない。
町中のショーウィンドウを片っ端から叩き割っていく夢は、夕狩の潜在意識が見せたものなのだろうか。
手に入らないものならば壊してしまえ!と。
物語の中に登場するサイコパステスト。
それによって夕狩がサイコパスである可能性を描いている。
本当の動機は何だったのか?
大切なものを失うことが怖くて?
自分にとって冨と権力と地位の象徴だった存在だったから消した?
もしかしたら夕狩自身にもわかっていなかったのかもしれない。
ただ、殺さなくては…と思いついただけなのかもしれない。
もっとも印象に残ったのはラストシーンだ。
火村の声が幻聴のように夕狩には聞こえる。
聞こえるはずのない言葉が。
一番ゾクッとさせてくれたのは、火村の幻のひと言だった。
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「店」を巡る謎を推理作家・有栖川有栖と盟友の犯罪学者・火村英生が解き明かす、5つの短編。火村英生シリーズは初読み。
5つの店は、骨董品店、古書店、ブティック、理髪店そして、最後は・・・
期待した割には、謎も大したことなく、火村&有栖のコンビも愛着がわかなくて、石持浅海の座間味君と大迫警視正のコンビようにはいかない。
このシリーズはもういいかな・・・
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『怪しい店』有栖川有栖
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作家アリスシリーズの「店」にまつわる短編集。
安定の面白さ。
そして、安定の火村先生の格好良さ。
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アリスと火村先生の掛け合いがやっぱり面白いよね。
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火村とアリスのコンビシリーズ。
短編連作で、全て特徴のある「お店」が舞台。
殺人事件から、事件と気づかない不思議な出来事まで、毎度のように火村が謎を解いていく。
表題の「怪しい店」はラストに収録されているが、すべての話が怪しい店である。
何屋さんかわからない「怪しさ」や、品揃えが変わらないぱっと見惹かれない骨董品屋さんなど、いろいろな店が出て来て、その店に関係する事件で面白い。
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5編からなる短編集。骨董品店からみみやという架空の店まで、お店にまつわる事件。ロジカルと叙情が合わさった「潮騒理髪店」が好きだ。
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僕が有栖川有栖の本の感想を書くときになんだか「さすが抜群の安定感」しか言っていないような気がするのだが、やはり今回も言ってしまう。さすが抜群の安定感。
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有栖川有栖さんの文章はあいかわらずやわらかく、とても癒される……ミステリなのに爽やかで柔らかい。好きだなぁ。
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なんとも魅力的な店が並びます。行ってみたいお店近づきたくないお店、色々。確かに言われるとお店って全く知らない人を無条件で受け入れてくれるけど、考えてみると少し怖いかも。
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お店をコンセプトにした有栖川有栖の短編推理小説。
イメージが膨らみやすい作品が多く読みやすかった。
殺人事件だけでなく、日常に起きたちょっとした出来事を推理していくのもなかなか良い。
「潮騒理髪店」においては「え、それが動機!?」と思ったのですが…お相手はその方に全く興味がなさそうな受け答えだったのが妙にリアル。
やられたほうは覚えてるけど、やったほうは気にも留めないんだよなぁ。