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紙の本

激甘な溺愛ストーリーと濃厚な官能

2017/02/03 21:43

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

正直なところ、都合の良過ぎるストーリーではあるし、勝手に向こうからやって来るような手間要らずの上げ膳・据え膳な官能アプローチを荒唐無稽と感じることもないではないが、濃厚な官能描写がそれらを補って余りある。年上のお姉さんや熟女が恥じらいながらも昂り極まって最後は貪欲に求めるいやらしさに溢れた作品である。

教育実習に訪れている22歳の主人公が目を覚ましたら、そこはホテルで、どうやら酔っぱらっていたようで、同じく酔っている先輩教師で26歳の【莉緒】に迫られているという冒頭から官能場面である。お姉さん的優位で主人公を誘惑しているのだが、生真面目な主人公が抗うためにまるで逆凌辱のような構図にもなっている。経験豊富っぽく振る舞いながらも実は生娘な莉緒は思惑あって主人公に操を捧げつつ筆下ろしの役を担い、主人公の優しい言葉で惚れたりしている。ただ、ここからしばらく莉緒には出番がなく、その思惑を遂行すべく母にして教務主任である43歳の【綾乃】にバトンタッチされる。そして、主人公の若き義母であり、未亡人でもある31歳の【結夏】との場面が合間に挟まれていく。

亡夫の事業を受け継いだ女社長として凛とした佇まいの結夏が主人公の前では溺愛っぷりを見せるギャップがあり、内心では主人公を男として意識している。それを主人公に看破されたことで関係ができていくのだが、元より結夏とは男女の仲を請い願っていた主人公が拙いながらも励む 前戯には敏感に反応してしまう可愛らしさもある。女の悦びを享受して最後の一線を越えるまでがじっくり濃厚に描かれるいやらしさにあっても母の矜持を残す結夏は最後まで躊躇っていたことが後で分かる。そのクライマックスまで母であろうとし続けていたのは良かった。

年の差を終始気にする綾乃はある意味で結夏とは対照的とも言えるが、主人公が優しくリードすることで遂には我慢の限界を超えておねだりしてしまう可愛らしさといやらしさがたっぷりあった。女の悦びを自覚する点では結夏よりも貪欲であり、実習中の主人公の姿を後見している時でさえ発情してしまい、直後に校長不在の校長室へ連れ込んでしまうほど。次第に積極さを見せ、結夏への嫉妬から対抗心まで芽生えるほどに主人公を求めてしまうには理由があって、それが娘たる莉緒の母思いな思惑に繋がっている。

最後は結夏がお膳立てしての全員集合と相成る流れだが、ここで母として身を引こうとする結夏を総出の色責めで翻意させる一幕が加えられたのは捻りの利いた演出だった。実は誰よりも結夏こそが主人公を深く愛していたことを示しつつ、他の2人も負けないという構図によって甘い成分がさらに激甘へと進化したようである。

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