投稿元:
レビューを見る
「大本営発表」
「公安警察」
「学童疎開」
「東京大空襲」
「秘密保全法」
興味深い負のイメージをもつ固有名詞の
ついた言葉がタイトルについている
「主な参考文献」が
巻末にざっと並んでいる
小説ですが
お気楽に読み飛ばせるフィクションではない
それでも
ぞっとするほどの
迫真性を帯びて物語が進んでいく
また
そのしたたかな登場人物たちが
縦横無尽に動き回る
その描写も秀逸
つい先日(3/27日 各紙新聞)に
今の政府の「放送事業の見直し」が
載せられたばかりだ
あくまでも
小説の上だけの
話にとどまって欲しい
今、どうなのだろう…
現実を憂いてしまう
投稿元:
レビューを見る
白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。死の間際、正光はあの空に何を見ていたのか。
興信所を営む鑓水と修司は、停職中の刑事 相馬とともに真相を追う。
戦争、公安、報道、すごい作品。
離島の人たちの結束力と暖かさが救いだった。
(図書館)
投稿元:
レビューを見る
「犯罪者」から続く鑓水、修司、相場の巻き込まれサスペンス第3作。
瀬戸内の小島を舞台だが、裏のテーマ(なのか、
主題なのか)である戦中の言論統制と現代の官僚組織の相似性か総括される。
作者の危機感がひしひしと伝わってくる。
こういう書き方があったか。
投稿元:
レビューを見る
上巻は、スクランブル交差点で天を指差す老人の死から始まる荒唐無稽な推理小説と思いきや、下巻から、作者が本当に伝えたいテーマが描かれている。
特定機密保護法の制定やら、自民党がメディアを呼び付けて事情聴取をしたとか、まるで戦前の報道統制に近付きつつある状況に警鐘を鳴らしている。
戦後70年も経ち、みんな平和呆けで、気が付けば「報道の自由度の国際ランキング」は72位。本当に火が小さなうちに消さないと大変な事になる。
投稿元:
レビューを見る
いやーおもしろかった!ドキドキハラハラはシリーズ通してすごいし、前2作以上に読み応えがあり、何度も目が潤む。もう大好きです。これ映像化しないかな〜、複雑過ぎて無理かな〜。
投稿元:
レビューを見る
すごい!すごすぎる太田愛さん。最後は心臓ドキドキさせながら読んだ。こんなミステリーあるんですねー!これはドラマか映画化されるな?と思ったら、トリック2や相棒の脚本家さんなんですね。
なので個人的にキャストを考えてみた。
鑓水→高橋一生
修司→健太郎(若すぎる?)
相馬→小栗旬
山波→滝藤賢一
俳優に疎くてこんな感じにしか思い浮かばなかった…(笑)
映像化して欲しいけど、内容が内容だけに難しいのかな?まさにこの本に描かれている言論の統制そのものだけど。
ひとつ、相馬の処遇がどうなったかだけ気になった。
それと、私が読んだ本だけ誤字があったのかもしれないけど、明らかに名前が違うところがあった(正光と書くところが、喜重となっていた)ので、ちょっとだけ「???」ってなったけど、脳内変換して無かったことにしました。私が読んだ本だけ??
投稿元:
レビューを見る
シリーズ第3弾。今回はいつも飄々として、つかみ所のなかった鑓水さんを主役にすえて、国家権力による情報操作の怖さにせまる骨太な物語。
冒頭の渋谷のスクランブル交差点の真ん中に死期せまる老人の構図がすごい。「ひとつの国が危険な方向に舵を切る時、その兆しが最も端的に表れるのが報道、報道が口を噤み始めた時はもう危ない」「闘えるのは火が小さなうちだけ」正光老人の言葉が重い。
投稿元:
レビューを見る
人の死に関わる行動を取るということは多分ずっとずっと自分が死ぬまで重くのしかかるもの。
たとえそれが戦時中のやむを得ぬ事情の上だったとしても。
戦後70年経とうとも。
難しかった。
警察、公安、探偵、当事者たち、それぞれの思惑が入り乱れ、全部は分からなかったけど、読み応えあり。
戦争、平和、権力、マスメディア、警察、政治、てんこ盛り。
投稿元:
レビューを見る
太田愛 「 天上の葦 」
最初は 国家犯罪を暴く小説だと思ったのだが、主要人物の心情、エピグラフや表紙絵の意味 から考えると 著者が描いたのは「過去を後悔している人の罪の償い」
善悪がはっきりしていて、テンポがいい、テレビドラマのような 二項対立な組み立て。戦争を後悔している人たちの言葉には感動した。国家権力と報道の関係性はモチーフとしては 少し古い気がする
組織全体に悪が蔓延しても、組織内部の内部告発者が現れ 自浄能力が働いたことに 明るい未来を感じた
エピグラフのブレイク「無垢の歌」と 表紙「ヨセフの夢(ヨセフの前に現れる天使)」は 物語の枠組みを意味していると思う
*笛吹き=山波、天使=正光 ?
*笛吹きと天使が出会う→天使が望む通り 笛吹きが無垢の歌を歌う→笛吹きは 葦のペンで書き留める
表紙の天使は ガブリエル
神の言葉を伝え、エデンの園を守った
タイトル「天上の葦」には 2つの意味がある?
*葦=人間→権力を持つ人間(おかみ、国家)
*葦=葦で作ったペン→記録者(報道、正光、山波)
投稿元:
レビューを見る
面白かった!ストーリーもいいし、いつもの相馬、鑓水、修司のキャラもいい。どこの本屋にもおいていなくて、注文して購入。人気なのかな?
投稿元:
レビューを見る
社会的な問題点をえぐるような視点とサスペンスと躍動感が感じられる。著者の技量が感じられるのは登場するあらゆる人に感情移入できる文章力だろう。
投稿元:
レビューを見る
天上の葦。上下。
太田愛さん。
興信所所長の鑓水と、
調査員の修司と、
刑事の相馬。3人のお話。
自分が生まれる前の東京。
昔、東京は一度、なくなった。
戦争の最中にタイムスリップしたかのように、引き込まれていきました。
国家を守る警察に逆らえばどんなことになるか、一生忘れないように骨の髄まで叩き込んでやるのだ。公安警察恐ろしい。
何もない空を指差した。
自由がなくなっていった時代。
常に小さな火から始まる。
始めてはならぬ。
進むべき道を進め。
上下巻。
一文字一文字、しっかり読みました。
おもしろかった。
とても考えさせられる本。
重い内容だけど、
鑓水・修司・相馬の
掛け合いが、テンポよくて、
愛があって、やっぱり良い。
ハラハラドキドキ。
そして涙。
おすすめです、
投稿元:
レビューを見る
なるほど、作者が訴えたい事は良くわかった。報道の自由は絶対に守られなければならないし、権力に対する厳しい姿勢は堅持され続けなければならない。
投稿元:
レビューを見る
評価は5++
内容(BOOKデーターベース)
失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の三人が辿り着いたのは瀬戸内海の小島だった。山頂に高射砲台跡の残る因習の島。そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、誰もが思いもよらないかたちで大きな歯車が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリックを暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。―君は君で、僕は僕で、最善を尽くさなければならない。すべての思いを引き受け、鑓水たちは力を尽くして巨大な敵に立ち向かう。
最後に正義は勝つ!という安心感有り。
ミステリー部分のおもしろさもさることながら、今回は老人達が話す戦争中の出来事に心が潰されそうになった。政治家や国に騙されて泣くのはいつも国民。憲法の無い時代の国の作った身勝手な法律に腸が煮えくりかえった。
憲法って大事。。。しかし、政治家っていつの時代もろくな事せんわ(`_´)
投稿元:
レビューを見る
2018.10.26読了。
面白い!
そして戦争があった時代のことをすごく考えさせられた。
いい世の中になって欲しい。