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▼あらすじ
二十歳になったら、僕は海の泡になって消えるんだろうか──。
アイルランドの離島で暮らす人魚の末裔・水凪。海の中を自由に泳ぎ、天候を予知できるけれど、島では忌むべき存在として疎まれてきた。そんなある夜、水凪が救ったのは、難破した若き公爵のリアム。瀕死の重傷を人魚の力で生き返らせたのだ。
「どうせ僕は長く生きられない…」
水凪は意識が戻ったリアムに自分が恩人だと告げられず!?
***
★3.5
北沢きょう先生の美しい表紙と、人魚姫をモチーフにした物語に惹かれて購入しました。
ファンタジー、スパダリ攻め、不憫受け、どれも私の大好物好なので期待して読んだのですが…。
うーん…残念ながら私の好みからはちょっと外れたかな…。
まず、出会って早々に二人とも恋愛感情を抱いているのに引っかかってしまいました。
一目惚れという事らしいですが、展開が早い作品ってどうしても物語に入り込みにくくてマイナスポイントになってしまうんですよね…。
それと、受けの周りの人間がとにかくクズ過ぎてイライラしっぱなしでした。
受け自身も頭が足りないので簡単に騙されるし、不当な扱い(仕事をしても正当な報酬を貰えなかったりだとか、村の男達の精処理道具になっていたりだとか)を仕方ないとはいえ何の疑いもなく受け入れている所に更にイライラ。
あと、これは表紙だけで一棒一穴系の作品に違いない!と勝手に判断した私が悪いのですが、水凪が複数モブとヤッてるシーンが出て来た時は予想を裏切る展開にげんなりしてしまいました。
攻めは攻めで相手の事をしっかり抱いているにも関わらず水凪が自分の命の恩人だって気が付かないどころか途中で最低な態度を取るし、ほんと「何なの!?」って感じで…。
シリアスなムードに加えてとにかくストレスを感じるシーンが続くので申し訳ないのですが読んでて疲れました…(^^;)
水凪がリアムと結ばれてからは恋人同士らしい甘い雰囲気になりますが、それでも水凪が差別意識のある島民から危害を加えられたり暴言を吐かれたりするシーンが出て来るので、やっぱり萌えよりもストレスの方が多かったです(^^;)
これで最後に胸がスカッとするような展開が用意されていればまだ良かったのかもしれませんが、残念ながらそういった展開はなく、結果、モヤモヤが残る形に…。(終わり方は悪くないのですが…。)
それに特別な真珠やら発情やらメロウの能力やら色んな設定が次から次に出て来て、ちょっと詰め込み過ぎな気がしました。
ご都合っぽい展開も目立つように感じましたし、ファンタジーものは好きですが今回は色々と読んでて引っ掛かる点が多かったのであまり楽しむ事は出来なかったかな…といった印象でした。
ページ数の多さから読み応えのある作品を期待していただけに残念です。