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ここから、いろいろな動きが始まったナラティヴ・セラピーの原点。
手法として取り上げられている「外在化」と「治療的文書」は、いろいろな入門書などで説明を読んでいたので、この本を読むのは後回しにしていたのだが、ナラティヴ・セラピーという領域を作り出した希望とパワーがみなぎっていて、すごい。
これはナラティヴ・セラピーのビッグバンだな〜。
ものごとの「始まり」の本は、やっぱ読まないと始まらないなと改めて思う。
ナラティヴの理論的な根拠になっているフーコーの説明もとても明快で、「そうか〜、フーコーが言っていたのはそういうことか〜」と納得してしまった。
で、批判的な(いい意味で)フーコーの思想をここまでの実践知に展開したホワイトとエプストンのすごさ、
そして、次から次にでてくる「治療的文書」の文例の多さと豊かさは圧倒的。
やっぱ、「外在化」と「文書」というのが、ナラティヴという手法の根幹にあるんだな〜と再確認。(そして、その手法と背景にある思想が一体になっている)
そして、人間への限りない愛と信頼があふれているな〜。
あらためて、「問題が問題であって、人間は問題でない」というスローガンの力強さに心を打たれる。