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読みだしてしばらくはドタバタ恋愛ものなのかなと思ってなかなか進まなかったのだけど、それが途中からもう、ずっぽりハマってしまったというね。
おおよその流れとか次の展開とかラストとか、こういう風になるんだろうなというのはわかっているのにそれでもなおこの2人から目が離せない、ずっと読んでいたい、一緒に歩いて行きたい、そう思ってしまう。
安易なハッピーエンドはあまり好きじゃないし、お約束的涙誘う展開も飛ばし読みしたくなる、そんな私でさえこの2人の幸せを心から信じて祈って見守っていた。なんていうか、とてもとても優しい自分を発見できる、そんな一冊。
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2017.11.9
さらさらと一気読み。壱春と桜子それぞれのサイドから描かれていて、なんかほんとあっというまに物語が進んでいった。壱春と真織の高校生時代の話は、自分の高校生時代を思い出すくらい、描写がありありと高校生活を描いてた。放課後、テスト、自転車通学、花火大会ー
哲さんもいい味出してたなあ。
あと個人的に、登場人物の名前が好きでした。
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過去に大事な人を失った家具職人と、不器用な女子のラブストーリー…というか、恋愛だけではなく、家族の問題にも踏み込んだ小説。
今までの窪美澄さんの小説とは一味違う内容で、特に桜子のキャラクターは今までいなかったタイプで新鮮。アラサーならではの焦りや家族の縛りなど、環境は違っても共感できる部分のあるキャラでした。
壱晴の話を聞いて、重すぎてちょっと引くくだりとか、リアルでした。
そんな強く、まるっとは受け入れられないですよね…
重要な場所として登場する松江市の風景とともに語られる過去パートには、どこかノスタルジックな雰囲気もあり。
壱晴の桜子への想いが、単なる昔好きだった人の代わりから、本当に大事な存在になった心の変化がちょっとわかりにくかったかなと……。どこが転機だったんだろう?
まだ読んだことない人に窪さん作品を読んでもらいたいときに勧めやすい1冊。
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大切な人の死を忘れられない男と、恋の仕方を知らない女。
欠けた心を抱えたふたりが出会い、お互いを知らないまま、少しずつ歩み寄っていく道のり。
家具職人の壱晴は毎年12月の数日間、声が出なくなる。
過去のトラウマによるものだが、原因は隠して生きてきた。制作会社勤務の桜子は困窮する実家を経済的に支えていて、恋と縁遠い。
欠けた心を抱えたふたりの出会いの行方とは・・・
変化し続ける人生のなかで、他者と共に生きることの温かみに触れる長編小説。
なーんつっちゃてますけど、けっこう重いんだよねー、これが。桜子なんて、ちょっとイッちゃっててコワいしww
壱晴だって、なんで桜子なんだか・・・?
死んじゃった彼女と境遇が似てるっぽいってとこがひっかかって、これまたコワイ。。。
桜子のお母さんもけっこうコワイ・・・っつーか、こういう人いるけど、私には無理っっ!!!
ま、若い二人が末永く幸せになってくれれば、嬉しいんですけどねーww
ってことで、私は、哲先生が一番好きでしたねーw
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よくある高校生時代に好きだった女の子が亡くなってしまって現在も引きずってる男が過去を断ち切って現実と向き合うお話。ヒロインの女の子も30歳で処女で痛い感じで、、、この手の話は飽きたしワンパターンだし正直全く好みではなかった。
題名が素敵だから楽しみにしてただけにがっかりだな。恋愛小説の鉄板が好きな人は絶対好きだろうし、泣ける!という人も多いだろうなぁ。映画化とかしそうな典型的パターンかな。
ただ、全く好みじゃないしなりゆきも見えてるしいつもの窪さんのがいいー。
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なんとも優しい物語。登場人物みんなが優しくて、そして不器用で、気が付くとそれぞれの人生を応援している自分がいた。
家具職人の壱晴。彼は高校時代、大好きな恋人を目の前で亡くし、それがトラウマとなってそれ以来12月になると1週間くらい声が出なくなる時期があった。そんな彼は不特定多数の女性と一夜限りの関係を繰り返していた。
また、彼と出会う桜子は32歳にして処女。家庭の事情があってなんとなく恋愛に踏み込むことができないでいる。
そんな2人の恋の行方は・・・
という物語なのだが、不器用な2人を心配しながら読んで、最期にはすっきりとした気持ちになれた。
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終わりかたがよるのふくらみっぽかった。最初から桜子に感情移入して読んでたけど、一番よかったところは哲先生との最後のやり取りでした。窪さんの作品の登場人物は弱い自分に対して苛立ってもがいているのがまるで自分みたいで辛くなるけれども読んでしまう。窪美澄と奥田亜紀子はどうも自分に合うみたいだ。
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女性にだらしない無気力な男性と、
男性から重いと思われる女性。
2人の過去や想いが、穏やかに流れる。
過去が胸にしみる。
淡々と話が進み、
あーよかった。と
優しい気持ちになりました。
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窪美澄さんの長編は読み応えがあって良いですね。少し重いくらいが窪美澄さんってカンジ。
過去に大切な人を亡くした壱晴と
まともに恋愛をしたことのない桜子の物語。
壱晴の過去に迫って行くまでがいちばん引き込まれました。
ただ、壱晴の桜子への想いの変化が少し唐突で、説得力に欠ける気がして、そこだけ少し残念でした。
やめるときも、すこやかなる時も人生を共にするというのは、大変だけど素晴らしいことですね。
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やっぱり窪美澄はいい。
人間賛歌の小説だと思う。
高校時代に最愛の彼女を目の前で亡くして以来、その月の(12月)のある一定期間声が出なくなる家具職人の壱晴と、そのパンフレットを作ることになった制作会社の桜子。
あーふたりが結ばれてほんとに良かった。
”すこやかなるときも、やめるときも”って普通言うけど、
この場合はやめるときが最初にくるんだね。
病める時こそ、真に問われるその人間関係が。
壱晴の師匠、哲先生も先輩で今はスナックのマスターしている柳葉君も、桜子のおかあさんも妹の桃子もみんな不器用だけど優しい。
暴力をふるう桜子のお父さん、真織のお父さんは例外としても。
桜子の気持ちが痛いほどよくわかって。
恋をする時ってこんな気持ちになるんだって思い出した。
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過去の悲しい結果に終わった恋愛をいまだに引きずっている家具職人が、恋愛下手な女性と知り合う。
二人がどう寄り添っていくのか、切々と伝わってくる。
最後に二人は何を乗り越えたのだろうかと余韻のように考えた。
タイトルが深く心に響く。
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家具職人の壱晴は毎年、12月の数日間声が出なくなる。過去のトラウマによるもので、その時期を一人で過ごしたくなくて、行きずりの女と一夜の関係を持つ日々を送っていた。
32歳独身の桜子は、実家の経済的困窮を支える日々。恋の仕方を知らず、男性経験もなくやっと付き合った男性から「なんか重くて・・・」と振られた過去がある。
そんな二人の出会いの行方とは・・・
という話なんだけど、最初のあたりはやや退屈な感じ。正直、桜子には魅力を感じられないし、壱晴が桜子を好きになった心の動きも見えず、それだけに唐突な感じもしてなかなか物語に入り込めなかった。
だけど、壱晴のトラウマとなった過去の出来事が明らかになるにつれ少しずつ面白くなってきて、壱晴が封印していた過去に向き合うあたりは、「傷ついた壱晴の再生物語・・・」などという簡単な言葉では片付けられないほどの質量でそれぞれの家族の様々な問題が突きつけられ、こういうところが窪さんらしいとにやり。
壱晴の過去の彼女真織の家庭の問題、桜子の父親の屈折、壱晴の師匠哲先生の後悔。。。それらが重層的に語られて物語が深みを増していく。
壱晴が桜子の家で父親と対峙するシーン、哲先生に最後の最後で椅子の出来を初めて褒めてもらえたシーンはもう、涙涙だった。
トラウマを抱え、声がでなくなる壱晴のことをまるごと背負っていく覚悟を決めた桜子を最後は応援する気持ちになれたのもよかった。
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桜子のキャラ設定がものすごく絶妙。
オトン、オカン、いもうと、会社の設定
どれも本当に桜子を引き立たせてます。
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恋愛小説を読んでも最近では感動することもなくなってる自分が、こんなにのめり込んで読んで共感して涙を流した本は珍しい。最高の作品。
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記念日反応、大切な人をなくすこと、だらしない女性関係なのに親しい女友達、なぐる父親…と淡々と流れる物語の中に劇的要素は満載です。なぜか、そのどれにも心が動かされず、共感できないまま読了。私の想像力や共感力が足りないのか?…う~ん、作品と私の相性が悪かったという事にします。