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今年、馳星周を何冊か読むことになったのはこの作品のためです。
以前、台湾野球の八百長を題材にした作品が面白かったが、今回はイタリアサッカーの八百長。
日本のサッカー界にはない(と信じている)が、ヨーロッパの大きなリーグ以外は「あるんじゃないか?」と思わせる内容。しかも日本人をターゲットにしたため、日本人でヨーロッパに渡ったサッカー選手の日常やら、悩みやらを赤裸々に記述されており秀作だった。
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「夜光虫」の続編。
元プロ野球選手で、台湾にて野球賭博に手を出した加倉昭彦。過去を消し、逃げてきたイタリアでサッカー賭博に関わることに。標的は日本人ゴールキーパーの大森。彼の信頼を経て八百長に手を染めさせるが、その前に立ちはだかったのはかつて愛した女に瓜二つの大森の姉・綾だった。
加倉は誰を欺き、そして誰を殺すのか。。。
正直、夜光虫のことは覚えてなかったが、馳ワールド全開といった感じ。そんなに組織は甘くないといいつつも、大森姉弟の行く末やミカが簡単に逃げ切れたような。それともまた続編があるのか?
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『夜光虫』の続編。台湾で居場所をなくし過去を抹消した主人公が行き着いた先はイタリア,そこでサッカーの八百長に手を染める。忘れられない女の面影を胸に手を汚し堕ち続け破滅へと突っ走る。因縁の好敵手,馬兵との対決も見もの。面目躍如の傑作だ。
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馳ノワール炸裂!暗黒小説の真髄ここにあり!ただ綾にはガッカリした。自分で万が一人殺しでも構わないと言い、高中にも後悔するぞと言われた時に後悔しないと言ったのにあの憎しみようったらないね。まぁ気持ちが逆転するほどの仕打ちは受けているが、、、
しかし夜光虫の続編とは巻末の既刊紹介読むまで全く気がつかなかった。時が経ちすぎてるよ。要再読か⁉︎
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3.5 初期の馳が帰ってきた、という感はあるが期待が大きすぎたのか少し不満。加倉をもっと残忍な悪役に描いて欲しかった。女々しすぎるわ。
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前作「夜光虫」は、情念のアクションハードボイルトで、その無軌道に走り続ける主人公の情動に圧倒された。
暑苦しいまでに”動”き続けた加倉が、「暗手」と呼ばれる”静”かな八百長ゲームの仕掛け人としてイタリアを舞台に再登場。
もはや死だけを待ち望む加倉が、再び情動を揺さぶられ”静から動”へ変化していくさまが、彼を取り巻く悪党、なかでも殺し屋「馬兵」との対峙をメインとして描かれる。
女との絡みは(きっかけとしては必要かもしれないが)平凡ながら、馬兵との近親憎悪のような敵味方を超えた敵対関係に緊張感があって物語をラストまで引っ張ていく。
前作ほどの畳みかけるようん見せ場はないが、より洗練されて、凡庸なハードボイルト小説のレベルは軽くクリアしている。果たして加倉はどこまで地獄を彷徨うことになるのか。
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【4.5点】3.11以来すっかりヌルくなってしまった馳星周の面目躍如ともいうべき作品は、初期の暗黒ノワールである「夜光虫」の続編であった。勿論前作を読んでいるに越したことは無いが、読んでいなくとも十分に楽しめる作品に仕上がっている。前作は台湾での野球賭博を巡る話だったが、今度は舞台もイタリアに移したサッカー賭博を巡る話。台湾では次から次へと殺しに手を染めていた加倉だったが、イタリアでは殺し以外を生業として、いつしか「暗手」として知られるようになっていた。そんな暗手の次の八百長計画への布石も万全だったはずが、過去を彷彿とさせる女性と出会ったばかりに次第に歯車が狂い出す。既に堕ちるとこまで堕ちている暗手をこれでもかというくらいに追い詰めるあたり久し振りにシビれる馳ノワールを満喫。ただその発端となったのは彼自身の甘さだったことは否めず減点。個人的には完全復活というには少々物足りないので、また次作以降に期待したい。
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460Pの割にさらりと読むことができた(『夜光虫』の続編とのことですが、そちらも読んでなかったけど)。いや血の海とか黒社会の内容なんですけど、集中して読めたということで。サッカーの八百長の仕事をする主人公。昔、愛した人に似ている女性が現れ、破滅の道へ。主人公の苦悩、殺し屋との対決。面白かったです。女で苦しみ、また女で苦しんでいく。人間は変わらなのね。
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夜光虫の続編。夜光虫の内容そのものを忘れていた(笑)。人を陥れながらも、心の葛藤には引き込まれる。「あぁ、そう言っては・そうやってはダメだろ」とつい言葉に出てしまう。ハッピーエンドが欲しいけど、そうならないのはこの人だね
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章短いので読みやすいしイメージしやすい。内容もゾクゾクし 読みたくなる。悪霊も人間らしいハートがあるわら
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夜光虫の続編。ノワール。救いようのない世界間を味わいたくて久々に読んだら16年前に読んだ「夜光虫」の続編だった。暗手の中に見え隠れする人間らしさが読んでてハラハラさせる馳ワールドを十分堪能出来た。満足♪
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ずいぶん馳星周作品は読んできたのに、『夜光虫』はまだだった!読まなきゃ!! まあ、読んでなくてもそれはそれ、これはこれ、でこちらを読めたけど。かなりなページ数を一気に読ませるなんて流石だな、と。ヨーロッパサッカー好きとしては、こんなことが現実にはあって欲しくないなと思うけど。
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久々に読んだ馳星周作品で読みごたえがあった。主人公のキャラクターもクールでよい。舞台がイタリアというのは馳星周さんがサッカー好きということもあると思うができればアジアにしてほしかった。
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感想
サッカー賭博なども本当はあって、泥々した世界なのだろうな、というのが率直な感想。我々はいつもスポーツの綺麗な面しか見ていないのかもしれない。
暗い。暗い話で、主人公はどうしようもないどん底に落ちるのだが、読了後は話がスッと抜けていくような感じがあり、物足りなさは感じなかった。
あらすじ
暗手と呼ばれるヴィト・ルーは日本人で、元プロ野球選手。野球賭博に身を染め、暗殺者を経て、今はイタリアでサッカー賭博の片棒を担いでいる。
中国人マフィアの王天から、ロッコという片田舎にあるセリエAのクラブチームにいた若手で有望株のゴールキーパーの大森レオを買収するように依頼される。
暗手は、ミカという日本人の娼婦を使い、大森の恋人として当てがい、大森の弱点に仕立て上げる。
いつも通りの仕事のはずが、大森の姉の綾に昔追い続けた女の影を見て、このまま賭博に身を染めるか、綾や大森たちを救うのか葛藤し始める。
中国マフィア側には馬兵と呼ばれる伝説の殺し屋が雇われていた。馬兵は暗手に唯ならぬものを感じ、気にかける。
暗手は大森たちを救うために、マフィアと対峙するのか、そのままサッカー賭博に手を染めるのか?