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落語を元にしたミステリ。
途中までは落語の筋通り。しかしそこからもう一捻り加えてオチがある。落語の続きなんて考えた事がないから新鮮であった。
ミステリ仕立ての話もあり面白かった。
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古典落語を題材とした「坊主の愉しみ」「品川心中幽霊」「頭山花見天狗の理」「蕎麦清の怪」「そこつの死者は影法師」「猫屋敷呪詛の婿入り」「らくだの存否」の7篇を収録。最後に「もうひとひねり」を加える構成はたしかにミステリ。急にミステリ用語が登場したり、メタギャグを多用したりなど、今までの著作のなかで一番ユーモア度が高い。
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山口雅也さんの、約5年ぶりの新刊である。その間に、山口さんが大病を患い、1年半も寝たきりだったと知ったのは、読み終えた後のことだった。
山口さん曰く、奇跡的に健康体を取り戻し、作家生活を続けるに当たり、自分が書いてこなかったようなものを書いてみたい、誰も書いてこなかった地平を切り拓いてみたい、と考えたそうである。その結論が、落語とミステリの融合だった。
元々、実験的作品が多い山口さんであるから、こういう試みはお手のもの。いかにも落語らしい軽妙な語り口は、堂に入っている。いくつになっても、柔軟かつ挑戦する姿勢は、作家に限らず、見習うべき点は多い。かつての新鋭や風雲児が、大御所になるほど保守的になっていく例は、多いのだから。
「坊主の愉しみ」。一儲け企んだ偽坊主。何だよそのオチは…。「品川心中幽霊」。某有名シリーズの脇役が登場するが、何だよそのオチは……。「頭山花見天狗の理」。ここまで来ると、もはやオチなのかどうか………。本作中唯一、元ネタと似た話を知っていた、「蕎麦清の怪」。オチがわかっていたので、苦笑するしかない。
「そこつの死者は影法師」。いわゆる、あのネタだが…書けません。「猫屋敷呪詛の婿入り」。化け猫の話かと思ったら、終わってみれば…。「らくだの存否」。タイトルでネタがわかるだろうか。そういうことです、はい。
全編とも興味深く読めたし、落語としては面白いのかもしれない。しかし、肝心のミステリの部分は、正直薄味であるし、融合とまでは言えないかな。実験性でも、《Mシリーズ》3作品『ミステリーズ』、『マニアックス』、『モンスターズ』などの方が、上だろう。
ケチつけてすみません。次回作は、気長に待つとしよう。
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「坊主の愉しみ」「品川心中幽霊」など7編からなる短編集。
落語を題材に書かれているので、自分で語るような感じで読むと面白い。
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この手のメタな語り口が得意な人だったら楽しいのだろう。落語を知ってればなんとかなる落ちからタイトル落ち、こりゃほんとにミステリなんかいな落ち、いろいろといい加減でよい。要はのりが合うかどうかなんだろう。ダールのトリビュートがあるんだが、ダールののりかというとまたちょっと違う。確かに、死に損ねたひとのものの言い方という感じがあるのは共通しているけれど。
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『日本殺人事件』(第48回日本推理作家協会賞受賞)の著者が贈る
語りの妙味溢れる新作短篇集
落語×謎(リドル)。骨董好きの道楽坊主・無門道絡と巡る、江戸自由自在。
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先日、図書館の子供のコーナーの新刊の場所に、「猫の皿」の絵本が置いてあったので読んでみた。
絵もさながら、同じ内容なのに、子供用の方が何かとても楽しく読めた。
この本も、骨董好きの道楽坊主と無門道路との掛け合いなのだが、、、、
最初はとても面白く読んでいたのだが、、、、段々どこがミステリアスなのか?
江戸の時代と現代の密室事件とを組み合わせているのだが、、、最後の方は、少しずつ、面白みが書けてきた。
やはり、落語は落語で、面白みが沢山詰まっているからだと思った。
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もはや一つのジャンルになる程に定着している「落語ミステリ」だが、今までの落語ミステリは、寄席やその周辺で起こった事件を噺家が探偵役になって解決する形が殆どだった。山口さんのこの短編集は、落語そのものがミステリ仕立てになっているという違いがある。だから冒頭は「えー」と、落語の語り出しのまま。この趣向は新鮮で面白かった。
ただ、噺の中に謎は出てくるのだが、解決が無茶苦茶。ミステリとしては全く成立していない。いろんなパロディを取り込んでいて、そっちに力を入れ過ぎたみたいで、この著者にしては凡作だった。装丁が良くてそそられるのに勿体無い。
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図書館より。
名前で借りてみた。さりげなく読了。
元ネタの落語がわからないので、楽しさ半減か。
所々でチラッと出てくる現代のネタにクスリと笑う。
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落語ミステリ……というと、落語を題材に取ったり落語家が主役だったりするミステリ、ってのを思い浮かべるのですが。これはちょっと違うなあ。じゃあ何かって言うと……落語の世界で起こるミステリ、かな?
語り口調は全く落語。とにかく笑える要素がたくさんで、そこにミステリ。しかし密室とか出ては来ますが、落語の元ネタを知っている人にとっては謎でも何でもない。といっても、これは普通のミステリでやっちゃダメな密室トリックだよなあ(笑)。もちろん、この世界ではオッケーです。これを密室の謎にしちゃうのか! と抱腹絶倒。
お気に入りは「猫屋敷呪詛の婿入り」。怪談めいた雰囲気が好きだったのと、これが一番真相が読めなかった話。まさかそっちだったとは!
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【内容】古典落語をもとにミステリふうの色づけ(密室とか)とか入れてしっちゃかめっちゃかシュールなギャグが+αされた短編集。
【感想】おもろないようなけっこうおもろいようなヘンな気分。とりあえず落語やし正月読書には向いているかも。
この著者は『生ける屍の死』が出たとき読んで、いいと思ったのになぜかその後手にしてなかったので期待感あった。