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母の死を悟るほどには大人で、それを受け入れるまでには成熟していない13歳の少年。つきつけられる現実は残酷で、そこから彼を救うために怪物は現れました。とても哀しく残酷で、でも心温まる物語です。
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なんとなく購入。絵がカッコイイ。そして絵はコワイ。本文はそんな怖くない。
正直に言わせてもらうとウザイ主人公でこういう人は側に居てほしくないな、とは思う。ウン。でもじゃあどうやって接したらいいんだろうか…。その辺りの矛盾を本人も抱えていたからああいう態度になるんだろうし、怪物が歩いたわけだけど…でも手に負えないよな。私だったら絞め殺したくなるガキだな、ウン。
そう言う感想を抱く時点で自分がもう子供視点から物語に入りこんでないんだなぁという事を理解しました。子供の心を忘れずに表現できる作家ってスゴイなぁ~ ケストナーは読者に子供の心を忘れないでくれ、と訴えてましたけど…中々凡人には難しいものだな、うん。
ただ、最愛の母を助けたいのに何も出来ない無力さ、自分の行動を決められない怒り、周囲の腫物に触るような対応の戸惑い、何よりも子供であるという事で何も出来ない自分への苛立ちは強く強く、感じました。ああ、子供ってイヤなもんだ。早く大人になりたいって思うよなぁ…。これはアレだな、周囲の大人がきちんと彼の事をどうするのか話し合い、対応を取るべきだったんだろうなぁ。
全ての物語がハッピーエンドで終わるわけじゃない、罰を与えて何になるというの?という台詞は中々沁みる言葉です。
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切なく、面白かった。いじめというのは、どこの国でも近いものがあるのかな。でも、爬虫類を模したスーパーヒーローが出てきたり、なんだか日本っぽい。
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引き込まれて、一気に読み切ってしまった!
禅問答のような、イチイの木の怪物とのやりとり。
そして、一番大事なことは、自分の本当の感情に気づくこと。
そこには、いいも悪いもなく、ただ自分が感じていることに気づいて向き合っていくこと。
すごく深い物語で、とてもここでは書ききれない...
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「真実を話しなさい。それだけでいい」イチイの木の怪物が真夜中に現れて語る3つの物語。そして4つ目の物語はお前が語るのだと言う。感動した!重病の母、うまくいかない学校生活、気の合わない祖母に悩む少年コナーの悪夢なのか。そして怪物がコナーに求めるお前だけの真実とは。真実は2つの面を持つ。それが当たり前であることを、生きるためにはそれが必要であることを、押し潰されそうな少年に教えるために怪物は語り始める。ダークファンタジーの形を取った少年の成長物語いや魂の解放、解脱小説の傑作と敢えて言わしてもらう!
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映画の予告が気になったのと挿絵が個人的にクセになるので読みました。
重いテーマだけど児童書だからかとても分かり易く描かれております。
コナーの葛藤と優しさと秘密、そして怪物の厳しい物語と最後の優しいささやきに少しだけ涙が出る作品
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なんだか説教臭いというか教訓めいた内容の子供向け物語なのかなやっぱり…と序盤は思っていたが、いざ読み進んでいくと中身自体に魅力があるので、そんな懸念は忘れてしまった。
まあ結局のところそういった要素はある程度残ってはいるんだけど、訳文の巧みさもあって、視覚的イメージも鮮やかに、いわゆる一気読み本として楽しませていただいた。
21世紀版「クリスマス・キャロル」みたいな?
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闘病中の母、離婚した父。真夜中にあらわれるイチイの大木の怪物。残された王子と農民の娘と魔女の義母王妃の物語。アポカセリーと司祭、二人の娘の物語。母さんが落ちていく悪夢。たくさんの考え、ひとつの行動。
予定調和的な物語の世界観に対する、現実の複雑さ。
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うーん、って感じ。
物々しく「真実」とか言われるとなんかシラケちゃう。
で結局、怪物の登場って必要だったのか?
怪物がいなかったらコナーは先へ進めなかった?素直になれなかった?そんなことなかっただろ?
第一の物語とか第二の物語とか、もったいつけて語られた寓話だけども、何てことないめっちゃ浅い物語じゃない?
良書に違いないって思い込みでなんとか感動できないものかとがんばってみたけれど、やっぱり僕には無理だった。
すいません。
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素晴らしかった。
平易な文章からでもこれほど奥深く物語の世界に没入できるとは。
これが児童書とは思えない。一度読んだはずだけれど、それから数年たったいま読み返すとまったく違う味わいがある。
人生は言葉ではなく、行動で示す。真実はいつも曖昧で、どれもただしい、重要なのは自分にとっての真実だ。
簡単なことを言っているし、コナー少年も最後には「それだけ?」と戸惑っている。でもそれがいかに難しいことか。
物語は凶暴で勝手に走り出すと、真夜中に現れる怪物はコナー少年に言う。僕にとってもそうだった。この物語は勝手に暴れてくれた。かきむしってくれた。いい作品だ。
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中学生の夏休み課題図書(平成24年度)
ざっと読んだのがダメだったのか
なんでこれを課題図書にしたのだろうかと・・・
お母さんが癌になった男の子のところへ真夜中になるとイチイの木の怪物が現れる。
考えることがたくさんありそうですが、私は微妙な内容でした
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目の前で弱っていく母を見るのは辛かっただろう。怖かっただろう。
身に起こる不幸を、小さな身体で必死になって受け止めようとするコナーの姿が痛ましかった。
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児童文学ですが、
誰もが抱える根源的な苦悩が描かれています。
人の心は簡単に判断できないものです。
人は自らの胸の中に、
矛盾を抱えながら生きているのですから。
多くの人はこの矛盾に押しつぶされそうになりながら、
胸に重い岩を抱くようにして生きています。
本書は子供にも理解できるように、
人として生きることの苦悩を語っています。
世界は優しいけれど、
それ以上に残酷だということを、
子供たちは年月を重ねるごとに
学んでいかなければなりません。
つらいけれど、
生きるってそういうことかもしれませんネ。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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主人公コナーの家のそばに生えているイチイの木が突然、怪物となって現れる理由は、中盤以降までわからない。
しかし、中盤をすぎるといっきに加速してラストへとつながる。
あー、なるほど、と。
とても哲学的であり、真実であり、コナーの立場を具現化した納得させられるものだった。
最後はじーんときた。
とにかく、本の装丁が素晴らしい。
ほぼ全ての見開きに何かしらの挿絵や装飾がある。
墨絵のような世界観が挿絵によって浮き彫りに。
とても美しく、読むのが楽しかった。
映画化されているのでそちらを見てみようと思う。
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親を失うかもしれないという恐怖と葛藤をこれほどまでに描けることに驚嘆した。
それぞれのストーリーは世の中の矛盾と理不尽さ、その中にあって何を選びとるかを問いかける。
こどもの抱える心の闇に目を背けず、かなしみや傷みをちゃんと共に経験することが再生へと向かうのではと思う。
映画もすばらしい出来だったが、本は静けさと深さをもって訴えかけてくる。