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ページ右側にどーんと刃物、ページ左側にずらずらと写真の刃物へのラブレター。
刃物マニアなイギリスの人が書かれた、刃物への愛着を語る本。正直、思っていたのと違ったけど、これはこれでなかなか。
そもそも刃物のチョイスが『出来のいい名のある刃物』ではなく、著者さんの『愛着と歴史のある刃物』なので、持ち手が変色してたり(でもそこがかわいい)、大幅に使い減ってたり(でもそこがかっこいい)、オリジナルマークを入れてたり(でもそこがイイ)、そんなんばっかりです。
『僕の見つけた究極の最強刃物』って感じがする。ほとばしるオタクパワー。
刃物はペットのようなもので、たまに噛みついてくるけど、かわいがっていれば愛着がわくし、刃物もそれに応えてくれるらしいです。本当かなそれ。
ただ、彼的には、器物には魂は入ってないらしいですが――そんなところに宗教的価値観の相違を感じたりも。
西洋ナイフと、中国のナイフと、日本のナイフに項目が分かれていて、それぞれの形状に違いがあるのが興味深かったです。ナイフの扱い方も違うし、用途も違い。西洋の刃物は肉を切るのが得意そうで、日本の刃物は……こうやって見ると魚切るのと、野菜に細工するのに向いてるんだなーと。
三徳包丁が、世界のあちこちで使われているっぽいことに驚きました。というか日本の刃物、割と存在感強い。著者さん的には、日本の刃物は職人技の結晶的な何かっぽいです。ロマンか。そこにロマンを感じるものなのか。