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解かりきっていた事だけど、やはり、『からくりサーカス』は良いですね
正直なトコ、(1)よりも、(2)よりも、感想を書き終わった後の疲労感はとんでもないですし、(4)はもっと強まるだろうって確信もあります
けれど、その分、自分が漫画の感想書きとしての地力が、ちょっとずつ上がり、それが自分の小説を書く際の基盤を支えてくれている、と感じられます
それでは、もっと面白い小説を書き、デビューするべく、この(3)の感想も十行に纏めようと思うので、読んでいただければありがたいです
高速道路上での死闘を乗り越え、梶山達との友情が深まった勝
だが、勝は自分と友達になってくれた彼らを、これ以上、危険に巻き込まないために、遠ざかる決断を下す、涙を堪えて
一つの別れは、新たな出逢いを齎す。仲町サーカスと、新たな街に向かう道中で出会ったのは、今後、勝にとって大切な人になっていく、タランダ・リーゼロッテ
おぞましき獣性を宿す猛虎に姉を殺された妹は、愛獅子と共に、復讐をしようとしていた
けれど、それは建前であり、リーゼは己が隠し持っていた醜い嫉妬の心を恐れ、猛虎に喰われる事で、姉への贖罪を果たそうとしていたのだ
そんな罪悪感に縛られるリーゼを救ったのは、笑顔で宿命に立ち向う勇気を得た勝だった。やはり、仲間の覚醒を促せる勝は、文句なしに強いのだな
また、リーゼだけでなく、ヒロとノリも、勝の内に秘めた強さに、とある事件で触れた事によって、勝への態度を変えていく
勝とヒロ、ノリ、彼らの関係は年の離れた友達と言うより、やはり、兄弟って表現が、最も、ピッタリだな
絆が強まった仲町サーカスは、訪れた町で興業のチャンスを掴む。その好機を、手から溢さない為とは言え、何故か、しろがね、リーゼ、そして、勝は大勢の観客の前で「コミック」をやる事に!! 頑張れ、勝ッッ
そして、次巻、この『からくりサーカス』に、大きな動きが起こるッッ
この(3)で、特に印象的だったのは、やはり、勝がしろがねに叱られるシーンでしたね
躾けや体罰が厳しく言われるご時世ですけど、子供が自分の命を脅かすような真似をしたのなら、例え、それが正しくとも、親や教師は真正面から叱るべきであり、生きているって事を子供に実感させるために、頬を打つべきであるように思います、私は
月並みな表現ですけど、打たれた方の頬よりも、打った方の心が遥かに痛いのであれば、それは愛のある行為じゃないでしょうか
頬を打った後、抱き締める、それが大事では?
この台詞を引用に選んだのは、例によって、藤田イズムが感じられたからです
勝の「これから」を知っているってのも、選んだ理由に入りますね
彼自身は、まだ知りません、自分を縛りつけようとしている「何か」が、どれほど、強大で凶悪か、を
けれど、勝はそれを知っても尚、呪縛を断ち切るべく戦うのです
この台詞は、上手く言葉に出来ず、絞り出すようにして発しているのが、また、良いんですよね
だからこそ、勝の強さが、リーゼの哀しみに亀裂を入れ、彼女が本物のサーカスの猛獣使いとして覚醒する起因になったように思います
「誰も・・・何かに・・・操られることなんて・・・ないのに・・・・・・・・・操られて、上手に生きるよりも・・・下手でも・・・自由に・・・もう、いいよ。ぼくが、あんなトラ、やっつけてやる!」(by才賀勝)