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▼あらすじ
それが、小劇団で女装して舞台に立つ折原真陽にもちかけられた奇妙な依頼だった。
やむを得ぬ事情からそれを引き受け、真陽はターゲットである大手製薬会社の御曹司・三ノ宮遙尚の屋敷にメイドとして住み込むことに。
イケメンだが無愛想で仕事人間の遙尚に、彼を欺す罪悪感からまずはまともな食事を摂ってもらおうと奮闘する真陽。
一筋縄ではいかない遙尚とのバトルを繰り返すうちに、二人の心は徐々に通い始めるけれど……。
ちょっと辛口&スイートな恋のスペシャリテはいかが?
***
★4.5
テクノサマタ先生の素敵な表紙に惹かれて購入。
王道だし、さらっとしてるけど期待通り楽しく読めた一冊でした。
特に物語前半の、絶対に手料理を食べない攻めvs絶対に手料理を食べさせたい受けの攻防戦が見ていて楽しかったです(笑)
何と言っても二人の掛け合いが漫才みたいで面白い!
攻めは最初こそ素っ気なくて感じ悪いんですが、受けも受けで怖いもの知らずというか、攻めに気に入られるつもりがないからって遠慮なく言いたいことズバズバ言うので全く負けていません。
それどころか、結果的に攻めがちょっと押され気味になるのが笑えます(笑)
また、受けの作るご飯がそれはもう美味しそうで美味しそうで…。
夜中に読んでいた事もあってお腹が空きました(笑)
そんな受けの作るご飯を固くなに拒否し続けていた攻めですが、めげずに手を替え品を替え責めていく受けに最終的には根負けし、ご飯を食べてくれるようになります。
攻めが受けのご飯を初めて食べてくれたシーンは私も嬉しく、思わずにんまりしてしまいました。
そしてこの攻めがまた見事なまでのツンデレで、読み進める内に段々可愛く思えてくるんですよね(笑)
最後の方は最初の素っ気なさが嘘のように受けにベタ惚れで、プライドを捨てて必死に猛アタックする様子に胸がキュンキュンしてしまいました。
このお話の要になっていた遺言の内容は予想出来るもので、ラストにかけての展開は少々ご都合感があったものの全体的に見ればそれなりに上手く纏まっていると思いますし、何より会話のテンポが良くて楽しめたのと、テクノサマタ先生のイラストがとても良かったので個人的には満足のいくレベルの作品でした。
因みにエロの方はあっさりめなので、エロよりもあまあま癒し系のお話が好きという方にお勧めしたい作品の一つです。
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花嫁とあるので突拍子もない話と思いきや、わりと納得のいく展開で楽しめました。なにより受がとってもいい子!元気でしっかり者で頑張り屋。そりゃ攻も好きになるよー。そんな感じでほっこりする話でした。
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真船るのあさんの作品はたまに当たりハズレがあるのですが、これは、とても面白かったです。
私が本を選ぶ時、まず商品ページの作品紹介(あらすじ)を読みますが、その次に決めてとなるのはアマゾンなどの購入者レビューです。
ただ、本の好みというのは本当に千差万別なので、たとえ多くの方が支持されていても、自分には合わないということもあります。
この作品のレビューは概ね好評で、私自身、真船さんの作品は好きな方なので、内容にも惹かれて購入してみました。
アマチュア小劇団に所属する真陽(まひる)は孤児として施設で育ち、現在は独立して一人住まい。
バイトを掛け持ちしながら、劇団での活動にも力を入れています。
ある日、準主役でやった「女装姿」を見込まれ、さる富裕な青年実業家を誘惑して「結婚する気に」させて欲しいという依頼を受けます。
そのイケメン実業家はかつて婚約者に裏切られ、それがトラウマとなり恋愛も結婚もしないという主義になってしまったという経緯―真実はそのとおりではないと後に判明しますが―があります。
しかし、彼の亡父の遺言により、彼が35歳の誕生日を迎えるまでに結婚しなければ、すべての遺産は慈善団体に寄付されることになっています。
企業の重役にそれぞれついている親戚たちは何とかして彼に翻意させて結婚させようと、次々に魅惑的な女性陣を彼の元に送り込んでみたものの、彼は一向になびかずじまい。
そのため、彼の元婚約者に似ているという真陽に白羽の矢が立てられたのですが―。
全体的にとても読みやすく、特に主人公の真陽という男の子のキャラが好感度が高いです。
劇団存続のために気乗りもしない「女装メイド」の依頼を受け、女の子として青年実業家の屋敷で働くようらなったらなったで、彼の味気ない食生活を何とか改善しようと奮闘します。
どんなときでも、自分より他人のことを考えて一生懸命尽くそうとする姿は健気で、実業家が次第に真陽に惹かれていくのも納得です。
また、まさに「ソフトBL」というにふさわしい穏やかな? 描き方で、露骨な描写がないところも私的にはとても好みです。夢中になって読んだので、ほぼ1日で読了できました。