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この作品が守り人シリーズや獣の奏者と若干違った雰囲気を持っているのは、医療が一つの軸になっているからなんだろうなと思う。そして相変わらず国と国との情勢をからめて物語を作り上げるのがうまい。さて、この先どうなるのか。
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<内容紹介より>
謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサル。遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病”黒狼熱”であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故甦ったのか――。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り……⁉
――――
黒狼熱に罹りながらも一命をとりとめたヴァンとユナ。そして、その2人を追おうとしていたマコウカンとその主人ホッサル。
2つの線が少しずつ近づいているようにも感じますが、まだ交わることはなさそうです。
全4巻のうち、半分を読み終えましたことになりますが、まだまだ展開が読み切れず、この先の展開が気がかりです。
1巻から継続して、物語の根幹には、征服民と先住民の間に色濃く残る感情の断絶や、ある種「エホバ」を彷彿とさせるような「血の汚れ」を厭う征服民ツオル帝国の宗教観など、ファンタジー(=フィクション、作り物)と切り捨てることのできない、重たい問題提起がなされているように感じます。
難しいことを「考える」ことも必要かもしれませんが、自然あふれるアカファの地で繰り広げられる、ヴァンやホッサルの活躍を単純に楽しむだけでもいいのかもしれません。
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ホッサルとヴァン、ダブル主演なのね。
でも、ヴァンありきのがホッサル?
と読み進めていた1巻。
どうやら、正真正銘のダブル主演だった。
そのほかにも、なにやら気になるお方がチラホラ出演されてきて。
終着点が全くわからない。
さて、ホッサルの無事の確認をしなくては。
あ!ユナちゃんもだ‼︎
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謎の病、黒狼熱。
生き残ったヴァンとユナの異変。
黒狼熱の謎を追うホッサル達
2つに分かれて話は進むが
どちらも非常に気になるところで2巻は終わり(汗
黒い犬たちを操る存在もめちゃくちゃ気になります
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こんなファンタジーは初めてかも。1巻からテーマを感じてはしていたが、明確に「ファンタジー世界の医学」が中心に据えられた。現代医療の小説だって書くのは大変だろうに、ファンタジー世界で、しかも説得力を以て描いている時点ですごい。
我々の世界で言うと恐らく中世から近世あたりの社会設定で、病気の原因、治療法の模索、実際の治療という流れと同時に、政治小説としての骨太な世界観があり、そして医学に対して信仰と哲学によって相対化される思想などなど、まさに、ひとつの世界がここにある感。引き続きこの世界に浴したい。
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2018.8.16読了。清心教医術は東洋医学に近いかな。考え方も含めて。「梢をざぅわざぅわと波打たせて」とあったけどざぅわざぅわって表現初めて見たかも。なんかいいな。狼と山犬や黒麦とアカファ麦の交雑種が物語の鍵として出てきた。交雑種は毒を持つもの例えば蛇なんかはその毒性がとても強くなりついでに血清も無い事が多い。種としてはより強いものになるわけだが他から見たら厄介極まりない。この点が物語に絡んできて面白い。火山地帯で岩陰に潜む魔物が毒の息を吹きかけてくるという戒めは火山地帯の毒ガスから子供を守る為のものなのだろうがこういう伝承もしっかり描かれているから物語にどっぷりつかれる魅力があるよなぁ。ミラルは地衣類研究家だったのか!日本ではすでに結構な数の地衣類が絶滅しているのだが、もしかしたらその中に新薬になりうるものもあったのかもしれないなぁとふと思った。こちらの解説もうまいなぁ。そうなの!多面的過ぎて当惑するの!と頷きながら読んでた。深い闇のかなたに小さな、けれども確かな灯火があるという文にも多いに同感した。2巻の表紙はもう1人の主人公のホッサルと顕微鏡を使ってるからミラルかな?1巻も素敵だったけどこちらも雰囲気がドンピシャで素敵なイラストだな。
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医療の道を先に進めるためにたゆまぬ努力をしているホッサルに、心を動かされます。
このあとユナが連れ去られてしまったし、病の原因など、裏で何が起きているのか、どうなっていくのか気になります。
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展開に飽きない。
どんどんと引き込まれていく。
細かい設定や登場人物が多いせいか、まとまって読まないと面白くないと思う。
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ホッサルの治療が始まった・・・ 王幡候とアカファ王のはざまで。 一方ヴァンは、自分の異変について実感と理解を!? サエ再登場!彼女の立ち位置は!? そしてユナは!? 個人的に、ずっとヴァンを追っかけていたいと思いつつ 3に進みます♪
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奇しくも本年度の本屋大賞が発表されたこの時期に、2015年の本屋大賞受賞「鹿の王」を文庫で読んでいる。小説の中の時代背景も、舞台である大地もフィクションだが、緻密に描かれたこの世界の大地は四季を通して美しく厳しい。読者はこの時代、この空間に生きていると没頭する。これが「鹿の王」にぐいぐいと引っぱられる要因のひとつだと思う。
話を小説の内容に目を向ける。岩塩坑から始まり、王族が集まる鷹狩りの場所で続きざまに起こる悲劇。250年前に絶えたはずの疫病が、この大地を再度襲い掛かる。主人公のふたりはスタンスは違うが、この疫病(誤解を畏れずに云うならばテロといえる)へアプローチしていく。
第二巻では、この疫病テロともいえる事件な背景に人為的な何かが潜んでいると暗喩している。徐々に明らかになって行く事実は、第三巻への大きな期待と不安へと続いていき、読者を上手く乗せていく。
(…で、さっそく気になるので、第三巻を読んできます)
最後に全四巻の二巻まで読んだ感想として、朧気ながら見えてきたのは、主人公が持つ対比した「死生観」。
全て読み終わったらこの対比がどのようにリンクしていくか、今から楽しみで仕方ない。
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【いちぶん】
人が犯した罪ゆえに病に罹るのであれば……そんなことがあるのなら、この世は、とうの昔に楽園になっている。
病には情はない。善悪も関係ない。だからこそ恐ろしいのだ。
(p.251)
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この巻の主人公はホッサルだね。
西洋医学的な医術を使う家系の天才。
しかも世渡り上手。
彼が黒狼熱を医術で克服するために奮闘する話がメインかな。
この世界の医者は西洋医学と東洋医学の一派に分かれてて、一部の人以外は対立しているって感じ。
黒狼熱を克服するためにも噛まれたのに生き延びたヴァンの血が必要になり隠密行動が得意な部族に連れてくるように頼むんだけど、送り込んだ女性がヴァンの元に辿り着く前に襲われちゃってさぁ大変。
ヴァンとユナの方も徐々に身体や精神に変化が出てきて、なんかとんでもないことが起きそうな気配。
様々な思惑や陰謀が交差してますます複雑に絡み合いながら物語は進みます。
はたして黒狼熱の原因はなんなのか、誰がなんの目的で襲わせているのか。全貌が明らかになるには今しばらくかかりそう。
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どこかにあるに違いない。
どこかにいるに違いない。
もしかしたら自分が知らないだけで、その動物も病も民族も実在なのかもしれない。
物語前半を読み終わって、現実の中に紛れ込もうとする世界は、ヴァンが経験している「裏返っている」状態なのではないか、とすら思える。
面白い。
続きが気になる。
すぐにでもまた「裏返り」たい。
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2巻目、読了。ますます物語に魅了されてく2巻目。ホッサルが施す医療。祭司医の求める医療。命と、魂。ファンタジーと、敬遠していた自分に反省。壮大な物語の旅を楽しめる、しあわせ。続けて、3巻目へ。
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東乎瑠(ツオル)帝国の皇帝の甥とアカファの王が大々的に行った鷹狩りの最中、突然黒い犬たちが襲いかかってくる。
噛まれた者全てが発病するわけではないが、発症したものは苦しんで死んでいく。
この病に効く薬はまだない。
謎の感染症と国際情勢の巻でした。
病の広がりに創薬は追いつけるのか。
そして黒狼熱で全滅したはずの岩塩鉱で、生き残ったヴァンとユナ。
姿を隠している彼らの元を犬たちが襲う。
いや、犬を操っている何者かが襲う。
その時、犬と同化している自分にヴァンは気づく。
そしてユナも。
ヴァンをおびき出すかのように、ユナがさらわれる。
250年前の疫病の謎を調査するため、ホッサルは当時の発祥地を訪ねる。
遊牧民と狩猟民。
征服者と被征服者。
混合・交配。
それによって生まれる異物。
疫病は自然に発生したのか、誰かが故意に病原菌をばらまいているのか。
物語の先は、まだ見えない。
”健やかな時は心が身体を動かしているような気がしているが、病めば、身体は、心など無視して動く。それを経験して初めて気づくのだ。―身体と心は別のものなのだと。”