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最初はダラダラした本だなぁと
好感がもてなかったけれど、
読み進めていくうちに、
この夫婦に愛着がわいてきて、
トークショーに行きたかったなぁと思った。
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円城塔と田辺青蛙という夫婦がお互いに課題図書を出しながら、読書感想エッセイを交互に発表する。
本のタイトルから、離婚についての考察が繰り広げられるのかと思ってしまうが、そんなことはない。
また、この夫婦に離婚の危機が起こるのか?とも考えられるが、そんなこともない。
むしろ、「この夫婦、異様に仲がいいな。新婚さん?」というのが読後感の印象。タイトルはあくまでこの仲の良さ前提の照れも入った一種のギャグでした。
まだ恋愛感情が色濃く残っていそうな現在進行系カップルの交換日記を読んでしまった気恥ずかしさというか。
お二人のキャラがなかなか面白く(円城さんは割ときっちりとやりたい性格、田辺さんは割とアバウトに独自なワールドでやってきたい性格)その対比によるリズムが、この本を魅力的にしている。
また、二人とも小説家なので、本に対する知識が深く、脈略の無い本の選択ではありながら、世の中には面白い本があふれているんだなーと灌漑深くなる。
amazonだったらすぐに手に入るけどあえて本屋に階に行くとか、紙の本を手に入れることをルールにしていることが、本に対する愛を感じた。その中で、田辺さんがアメリカに出張している時に課題の本が手に入れずらいとか(電子書籍はルールとしてNGとしている)、やはり電子書籍はこういう時にも威力を発揮するのだなぁと感慨深くも気付かされた。(インターネットは当然だけど、グローバルに強い。)
課題図書の中では、以下が気になりました。
「〆の忍法帖」山田風太郎
すごいオリジナリティー、山田風太郎さんはいままで読んだことないけど、いつか読まなくてはと心に誓った。
「ボビーコンロイ 死者の国より帰る」ジョーヒル
「熊が火を発見する」テリービッスン
日常に少しシュールな設定というような小説。
「羆嵐」吉村昭
人食い熊の大正時代の事件を題材にしている。文体によるリアルさなど、興味が湧いた。有名な作品みたいですが、私は知りませんでした。
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読書案内本は好きなのですが、書いている人の好みや思想が丸出しになるので、なかなか自分とピッタリ行く一冊に巡り会えない事が多い昨今、これはヒットでした。
円城塔さんの小説自体、自分の頭で付いていける物が数本しかない為、ハードルが高く書架で見かけても食指が伸びないのですが、これを機にもう少し色々チャレンジしてみようと思いました!なんだ、案外普通の人っぽい所も多いじゃないか(笑)
ハードルを下げてくださった大要因は奥様の田辺さんの方なのですが、こちらの方の作品は読んだ事が無いので、あの円城塔さんの奥様だからな…と恐る恐る開いたものの、こちらもこちらで、なんだ、普通の腐女子じゃないか(笑)みたいな。
読み進めていくうちに、掘り下げる傾向の夫と、深く考えずにスルーする妻のすれ違いが多くなっているくので、ハラハラドキドキなドキュメンタリーでもありました…でも、仲良しなんですね!夫婦って、不思議だ…。
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WEB連載をまとめたもの。
本の好みがまったく違う作家の夫婦が、
お互いにおすすめ本を提示し、読んでレビューを書くという企画。
一応のルールはあるが、あってないような感じも。
試みは面白いけど、
結局、好きな本って変えられないものなんだなあ。
この連載の中で並行して進むネタがあるでもなく、
妻の書く内容がだいたいいつものパターンとなってるので、
企画を越えて何か別の話が発展していく感じがない。
「本1冊」になる量を目安でやめる、という以外の、
企画が終了する理由が思い当たらない。
逆に、もっと続けましょう、という積極的な理由も思いつかない。
『活字狂想曲』『本を読む時に何が起きているのか』は
読んでみたくなった。
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夫婦で互いに本を勧め合うという試み。
これによって知らなかった互いの姿が見えてくる......かもしれない。
本を勧め合う中で、妻は夫がコーヒーが好きで無かったことを知り、夫は妻がいい加減だったことを再確認するのであった。
それぞれの文体も見どころ。こんな感じだ。
妻:『恐怖新聞』ってほら、新聞がガチャーン!って!
こわーい!
あれだ、名前に⭐︎が入る人が書いたやつ。ってアレ?
それは、「つのだ⭐︎ひろ」か!
「つのだじろう」とは別か!てへ!
そういえば、ツノダとカクタとスミダさんが周りにいるけど、皆「角田」って書くんだよなー!!
夫:『熊嵐』は以前から読みたいと思っていた。
この吉村昭の文体は精緻、静かでありながら決して単調ではないし、人の心が通っている。
『三陸海岸大津波』は既読だが、あれにも心を強く動かされた。
堀口大学といえば言わずと知れた詩人だが、女性らしい(という表現が適切かどうかはおいておいて)言葉遣いをする人物だったようだ。
知らなんだ。
とまあ、テンションも違えば興味のある分野も違う夫婦間の、気安いながらどうにも理解できない部分もある互いの姿を感じながら、新しい本を探し出すのは面白い。
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読んでいるうちに、だんだんと同じような展開になってきてマンネリ化。夫婦だからって読む本まで一緒ってわけにはいかない。
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円城塔セレクトはさすがだけど、この奥方は…一体何者?…ホラー作家だそうで。
夫に病床から「君は看病向きじゃないから看病しないで」と言われたり、「入れちゃえ」系料理とかって辺り、私と同類?なヒトな気もする。自由奔放のようだけど、旦那様を大事に思ってるのがそこかしこに伺えて、まあいいか。
連載中に周囲の同業者達から夫婦仲を心配されたとか、この連載で相手の好き嫌いを知ったとか、それも微笑ましいかな。
ちなみに一番インパクトあったのは、セレクト本ではなく、「六条御息所」が「6丁目の貴婦人」と翻訳されているってことでした、なんだそりゃ!
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芥川賞作家の夫とホラー作家の妻が互いに課題図書を出し合う読書リレー本。読み終わって「ごちそうさまでした」って言いたくなったので、タイトルは明らかに釣りだと思う。野生動物の追跡者のように、妻の行動を推測する円城さんが面白かった。
読みたくなった課題図書メモ。
『野崎洋光 和のおかず決定版』
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』
『ウナギと人間』
あと田辺さんの「作家同士でバトル・ロワイアルになったらどうなるか」って話の詳細を知りたい。すごく面白そう。辻村深月さんが中盤まで生き残る理由は何だろう……。
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タイトルに反して中身はとてもほのぼのとしたリレーエッセイ(になるのかな?」
勧められた本の感想にお互いの日常を絡めて書かれている文章はとてもおもしろくてスイスイと読めます。
てか、読みたい本が増える〜(笑)
こういう夫婦のカタチもいいなぁ。
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作家で夫婦が互いに相手に本を勧めるという書評というよりエッセイに近い。書評家の解説よりは感想に近い。また読みたい本が増えてしまって困ったものである。
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読書リレーによる書評本。ふたりの作家により書かれているので、ふたり分の個性が詰まっています。思ったことは色々あれど、読み終わって一番の感想は「ご自愛ください」でした。かなりご夫婦で本の趣味が異なるご様子。それをハードスケジュールでリレーするのだから、体力も削がれることでしょう。夫婦エッセイとしても楽しく読めました。
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仲良くないことも美しき哉。
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なかなかすごいタイトルであるが、ここからこの中身は想像できなかった。
1.相手に読ませたい本を指定する。
2.指定された課題図書についてのエッセイを書き、次の課題図書を指定する。
3.2を繰り返す。
作家だから本をよく読む夫と、作家なのに本をあまり読まない妻。夫婦でイベントや企画にOKすることはこれまでなかったのに、なぜかこんな企画が思いつき、WEB連載から一冊の本へ。
一応、テーマは「夫婦の相互理解」ではじまった。一番最初に例であげられたのが、宮沢りえの「Santa Fe」で、次が「こち亀全巻」、これは企画中のジャブで実際にはレビューされていないが、ようは入手性だとか読むの大変だとか、そこら辺のルールのやりとりの話。
むう、興味をそそる企画ではないか。
だがタイトルがタイトルなだけに、タダではすまない予感。
やりとりは全部で40冊。最初は本のチョイスで知的喧嘩をふっかける、という雰囲気も見えたのが、次第に、本にかこつけてあれこれと吐露するシーンになっていく。コーヒーが本当は嫌いだが、一応飲めるようになったという夫。それを知らなかったという妻。次第にエスカレートして、なんでこの人と結婚したのかな、なんていうことまで出てくる。そう、「読書で離婚を考えた」かもしれないような話が頻発してくるのだ。
そういう不思議な夫婦関係に、ヒヤヒヤとも、もっとやれともつかない不思議な感覚を覚えつつ、登場する本のチョイスに悦ぶ。
「VOWやもん!」 まさかこんなのが来るか!
「〆の忍法帖」 作品というより山風レビュー
「人間にとってスイカとは何か」 これ先日ラジオで聞いて気になってた本
「野崎洋光 和のおかず決定版」 これは持ってるんだけど、紹介されてた他の野崎本がうれしかった
「バトル・ロワイアル」 最終回はこれ。味わい深い。
相互理解はそんなに進まなかったが、相互理解が進めば解散、という夫婦かもしれないから、そういう意味では危険な連載で、やっぱり「読書で離婚を考えた」のかもしれない。
ほんと、この本は不思議な味わいというか、いろんなところに光をあてられるというか。当事者たちほどに感情は揺り動かないだろうけれど、読み手次第、読み方次第でいろいろと変化しそうな素敵な素材となりうる本。仲良くないことも美しき哉。
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私が通う図書館は、市民が返却した本を一時保管する棚がある。その棚にいつも注目していて、そこに面白い本がないか物色するのが好き。この本はそこにありました、円城塔さん、気になってる作家さんの一人なので。
夫婦が分かり合うために本を勧め合うという企画本。円城嫁の田辺青蛙さんも(兼業)作家さんです。この手の本の紹介本って私大好き。40回の往復書簡なんだけど、ひとっつも読んだ事のある本はありませんでした、やっぱり小説家さんってのは本読んでますよね、、そして幅広い~。本の題名はインパクトありますが、読みながらいやいやちゃんとお互いいたわりあって楽しく仲良く暮らしてる感、漂ってると思う。
本の紹介は勿論あるんだけど、それ以外の彼らの人となりの吐露が面白い。旦那は理系頭でロジカルで色々きちんとしてたい、一方嫁は猫のようなというかね。かみあわなさがこっちからするとほほえましく写るという。
最初はオモロない、なんか外れだったかも、、と思いながらも読み勧めたのです。でも知らない本の紹介、特に奥さんの、円城さんが勧めた本の紹介が素敵だったな。円城さんは本紹介も雲にまく感ありというかね。誰もがハマるとは思わないですけど、これを読むとお二人が好きになると思う。続編があれば手に取りたい(調べたけどなかった笑)
私的な気になった本リスト
人間にとってスイカとは何か
→スイカに依存して暮らす人々の村へ20年(!!)通い続けた記録
台所のおと
→幸田露伴の娘、文の本。恐ろしいほどにきっちりしてそうで怖いもの見たさある
年収は住むところで決まる
→これは絶対読んでみたい、住むところというのはどんな地域で住むかってこと、決して高層マンションとかじゃない
活字協想曲→公正の人のお話
私が西部にやって来て、そこの住人になったわけ←恋愛小説集Ii、でた、岸本佐知子さん、ここが一番私とかすった本だった
パリの夜→ロランバルト、ここも私とかすったとこ、ロランバルトさんはいいです、喪の日記がよすぎたので是非こちらも読んでみたい
白い方丈→好きなタイプの本だと思うが、須賀敦子全集第二巻て、。京都とミラノのお話。
和のおかず決定版
壊れた脳 生存する知→外科医、三度の脳出血
バトル・ロワイアル→なんとなく押さえておこうかなという打算
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夫婦とも作家の二人が相互理解を深めるためにお互いに指定した本を読み、レビューする、というやりとりをまとめた本です。お互い本読みではあるものの、全く違うジャンルの本を読む二人なので、結構読むのがしんどそうというか、かみ合わないところがスゴイ。それでも凸と凹のように、なのか、お互いにないものを求めるのかうまくいくもんなんですね。でも読んでいたらなんだかこちらがしんどくなってくる本でした…。