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原題は"HBR guide to office politics"であり、「社内」という範囲にこだわらずに、広く参考にできるケース集であった。とはいえ「職場の政治学」題名をつけたら売れなかったのかもしれない。
書かれている内容としては、アメリカの企業内で起こるごく日常的なケースを、抽象化してまとめたものであり、いわゆるビジネス書である。付き合いにくい人との人間関係、リソースの入手法、出世、派閥、権力闘争といったことがトピックとして取り上げられている。事例の感じ方には個人差があるだろうし、ましてや一般化できるものでもないが、読者の置かれている状況によっては参考になる部分が少しはあるかもしれない。
また読了後、少しweb上の情報を探してみた。
ciniiで社内政治を検索しても、学術論文としては紀要が1件ヒットするのみ。あとは雑誌の記事が中心となった。
Office Politics や Workplace politics で検索すると以下のとおりだった。
https://www.mindtools.com/pages/article/newCDV_85.htm
http://www.managementstudyguide.com/workplace-politics.htm
しかし、検索語を再考し、「組織内政治」としたところ、以下がヒットした。
http://repo.lib.hosei.ac.jp/handle/10114/6786
これは優れたレビュー論文といえよう。大学における組織内政治に関する研究例はなく、リサーチには労苦が伴うと予想される。教育学より経営学の組織論分野といえよう。