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国による隠蔽説を主張している作品。
様々な内容に愕然とする。
ただし、読む人によっとはトンデモ本と感じるかもしれない。ただし、何かが隠されていることは確かだと思う内容。
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鬼気迫る本である。著者は日航機墜落事件で、当時15歳だった次男と、12歳だった長女、親戚3名を失った遺族である。大阪大学工学部卒業、技師であり研究者という経歴で、理系の知識が豊富なためか、圧力隔壁の説明などは、私がこれまで数冊読んできた日航機墜落事件関係の本の中では、本書が最もわかりやすかった。また、行間から怒りや悲しみは痛いほどつたわってくるものの、文章は感情に流されることなく、冷静で明晰であり、大変読みやすい。こうした筆致で文章を書けるまでには、30年以上の月日が必要だったのだろうと推察する。
この事件では乗務員15名を含む520人もの命が失われた。世界最大の飛行機墜落事件にもかかわらず、実は誰一人責任を問われていない。裁判すら行われていない。
航空事故調査委員会は、同機が以前尻もち事故を起こした際のボーイング社による修理が不完全だったため、徐々に劣化が進んだ圧力隔壁が遂に破壊されたことが墜落の原因とし、これが日本政府の公式見解となっている。この場合、責めを負うべきは未熟な修理をしたボーイング社、点検時にそれを見逃した日航、欠陥機に運航許可を当時の運輸省ということになる。遺族は当然、この結論に基づき、関係者を告訴・告発した。
ところが検察は、告発されている関係者全員を不起訴にする。検察審査会により「不起訴不当」との判断が下されるも、検察は再度、全員不起訴とのを決定を下す。事故調査委員会の報告を読んでも、圧力隔壁破壊が事故原因かどかはわからない、つまり、政府の出した「結論」は信頼に足るものではないというのが、その理由だった。
「結論」に疑いを持たれた以上、更なる調査を命じるのが当然のはずの政府は、調査を早々と打ち切り、かなりの情報が得られるはずの相模湾での垂直尾翼の回収も、行うつもりはない。そして、1160kgという、1トン以上もの調査・証拠書類を、99年にすべて廃棄してしまう。
疑問に答えず「結論」だけを主張する政府、その「結論」では責任は問えないとする検察、信じ難いことだが、これがこの世界最大の飛行機墜落事件の着地点なのだ。本書は、「巨大な矛盾の谷間に突き落とされた」(著者の言葉)遺族の一人である著者が、事件についての論文や文献を読み、航空力学や法学を学び、執念で調べ上げた結果である。
著者が論理的に導き出した結論は、是非とも本書を読んでほしい。青山透子氏の「日航123便墜落の新事実」は、疑問点が数え上げられ、そこから結論が浮かび上がるような構造になっているが、著者は本書で、実際に起こったはずのことを、真相として明確に述べている。俄かには信じ難く、おそらくは反射的に反発する人もいるだろうが、「陰謀」などという、手垢のついた軽薄な言葉は是非とも控えてもらいたい。
本書は、著者が2年前に発表した技術論文、「日航機墜落事故 真実と真相」を一般向けに読みやすく編集したものだとのことだが、著者はその論文を責任を負うべき組織や人に、反応、反論を期待して贈っている。著者は本当に誠実な姿勢を貫いているのだ。また、本書の最後には、犠牲となった方、全員の氏名が記載されている。くだらない反応は、その方たちに対して失礼であり、あまりに冷酷である。
本書が一人でも多くの方の目に留まり、真剣に読まれ、真相究明のきっかけになることを心から願う。
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同時期に刊行したJAL123便と一緒に読まないと、あまりにも陰謀過ぎて、ケネディ暗殺事件以上の事件になってしまう。
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ネットの記事を見て、日航機墜落事故の陰謀論?を知り手にとった。事実をつなぎ合わせて考えてみても、明らかにされていない(しようとしていない)ことがあることも。すべて並べてみると、一般に事実として信じられていることが疑わしくて仕方ない。そりゃぁ誤射が原因だったら…墓場までもっていくんでしょうね。現状公開されているボイスレコーダーの音声もすべてなのかどうか、読み取りの精度も怪しい状況では、コックピットの会話や状況は憶測の域をでないが、最後まで乗客の命を守ろうとした乗務員の絶望感ははかりしれず胸がいたんだ。
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ちょっと、これが本当だったらどうすんのよ。障碍者の数の水増しなんて言ってる場合じゃないよ。なんでみんな呑気に過ごしてるのよっ。。。。。って具合に興奮しました。いったいいつになったら真相は解明されるのでしょうか。遺族の方なのにとても冷静で丹念で、早く安心して眠れる日を迎えさせてあげたいです。
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YouTubeのとある動画で”横田空域”という言葉を知り、吉田敏浩氏の著書をAmazonで検索するうちに、日航ジャンボ機事故関連の本が出てくるのを不思議に思い、レビューを開いて内に、これは読まねばならない、と思い高評価の本書を手に取ってみた。驚き、胸苦しさを感じながら、何度も閉じたり開いたりして読み進めた。
本書がトンデモ本の類でないことは読め始めてわかるが(著者が収集・分析してきた多くの資料や証言がそれを裏付けている)、同時にここに書かれていることが嘘であって欲しいという気持ちも湧いた。
当時、高校生だった自分。夏休み明けの最初のホームルームで、担任の先生が犠牲になった客室乗務員の一人が卒業生だったことを涙まじりに語ったのを今でも鮮明に覚えている。
マスコミ報道から、自分も原因は “圧力隔壁破壊”とかいうもので、B社の修理ミスもあるけど、気づかなかった日航も最終検査で見逃した運輸省(当時)も悪いと思ってきた(にも関わらず、日航だけが加害者として振る舞い続けたことにも違和感を感じなかった)。
事故に遭った人は気の毒だな、飛行機事故は恐ろしいな、というだけで30数年過ごしてきたことのショック。国家権力と”組織”の論理の怖さ…。ぜひ多くの人に読んでいただきたい。
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1985年8月12日。尊い520もの命は何故に奪われたのか。驚愕のストーリー。垂直尾翼を失い、操縦が困難になった123便。自衛隊・総理は、524人の命乞いを無視して唯一助かる機会を奪った。それは横田基地への緊急着陸。さらに、自衛隊標的機の123便への衝突の不祥事を隠すために、123便を情け容赦なくミサイルでの撃墜を命じた。総理が自衛隊幹部とテロ虐殺を共謀し殺害実行した123便墜落の驚愕・慟哭の真実がここに。
私が生まれる前の事故であり毎年テレビで特集される番組で知る程度でしたが、これは事故ではなく事件だったんだと衝撃でした。証拠は消されているので仮説ですが、いかに事故調の説明が杜撰で辻褄の合わない内容なのかと知り、上辺だけの謝罪や慰霊に騙されてきたのか知り、愕然としています。これだけの年数がたっても隠蔽されたままの事件で家族や大切な人を失った遺族たちはいかほどの気持ちだろう。胸が痛む。この本を取り上げないマスコミも同様に恥を知れと言いたい。
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著者は、事故で家族を亡くした遺族の方。多くの論文や著作を読み、資料を集め、その調査結果と検証の到達点として、一つの仮説に到達。その全容を2015年に「日航機墜落事故 真実と真相」として論文化している。本書の発行は2017年、先の著書から事件の概要を一般向けにわかりやすくまとめたもの。
航空機に関する専門家ではない著者、これだけの情報を集めて、まとめ上げたことがすごい。
しかし、確かに証言や事件のピースを繋げば、そのような仮説になるが、仮説には多くの推論が含まれていて、決定的とまでは言えないように感じる。先の著書には、そこを補うだけの根拠が示されているのかもしれないが。
結局、事件当時の中曽根首相は、アメリカ軍関係者の証言が明らかになった後、「真相は墓場まで持っていく」と語ったとも伝えられているらしい。本当に何かを墓場まで持っていったのか?40年近く経って、当時の首相や自衛隊、日本航空幹部が亡くなっても、この仮説を裏付ける決定的な証言や告白、証拠が出ないというのは事実である。
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日航機123便墜落で息子と娘を亡くした小田氏の魂の告発書である。
恐ろしい。読みながら何度も鳥肌が立つ。
青山透子さんの本を読んでいたから多少の免疫はあった。それでも身の毛のよだつ思いをしながらよんた。
小田氏の推論はきっと正しい。本書では全ての証拠を挙げて論証しているわけではないが、緻密な調査と何度もの検証作業の末に組み立てられた推論は信憑生がある。
事実と証言をつなぐにはどのピースがあれば良いのか。小田氏はその作業を膨大に積み重ねてきたはずである。
その集大成として組み上げられたストーリーはこれがおそらく真実であろうと思わせる迫力があった。
わが息子と娘の無念を晴らしたい。二人の死を意味のあるものにしてみせる。その思いから来る小田氏の執念が本書を書かせたにちがいない。
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先日、飛行機に乗る機会があり乱気流で少し揺れ怖い思いをした。その時にそういえば有名な日航機123便の事件の原因などを知らないなと思い、読んでみた。
ホームズは「不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」と言っているが、この事件の疑問点は全て著者の語ることにより非常に残念だが説明がつく。
そこまで人にさせる権力というものの魔力。また私たちは島国である利点もあり、長いこと戦争をしていない(もちろんしたくない)そうした平和の中で自衛隊が単なる災害派遣時の人としてくらいしか認識できなくなってるいるが、彼らは歴とした軍隊であることを日航機の事件は示している。
(やはり辛かったのか翌年以降、航空自衛隊の自殺者が多かったらしい)
知床の事件もそうだが、不意に呆気なく家族や大事な人が死んでしまう。そんな中で専門家でもない筆者が執念で航空学を学び、この本を書き上げたことが本当にすごいと思う。
名著
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こんなに読み進めるのがこわい本はなかった。
ここまで詳細を自ら調べ上げ、何があったのかを突き詰める執念は言葉にならない。
全て非常に細かい調査がされていたのに、自衛隊による毒ガスによる殺害と火炎放射器で焼き殺したという推察については詳細が述べられていなかったのが残念だった。
トロンについての記載は一歳なかった。
読むべき、多くの人に知られるべき事実の本です。