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昔高校生や大学生のころ大好きだった西村京太郎氏の
体験談。
ところどころに、彼の推理小説のなかにも
ここにかかれてある内容が反映されていることが
あったような気がします。
『日本人は戦争に向いていない』という章は
なかなか読むべき内容が多くかかれてあると思います。
今の国粋主義や、愛国者と呼ばれる人々に読んで
ほしいと思います。
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西村京太郎作品は1冊も読んだ事がないので
このベストセラー作家の過去は知らなかった。
流石ベストセラー作家、読みやすかったが
自伝として面白かったのは第一章と二章の一部かな。
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最後の陸軍幼年学校生徒。その目から見た敗戦直後の日本の姿はリアル。日本人は現代戦に向かないという指摘はその通りだと思う。戦中の精神主義、組織体質は現在も変わっていない。
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トラベルミステリー作家として著名な西村京太郎氏が、初めて書き下ろした自伝的ノンフィクション作品です。
戦中・戦後を生きた来られた筆者の貴重な証言や生活実態等がたくさん紹介されており、当時の空気が伝わってきました。当時の筆者の年齢では戦争はそこにあるものですが、しかしそんな中どう生きるかをリアルに考えていた話はなるほどと思わされました。
最後にどうしても書いておかなければならないこととして、日本人の対抗力(なぜ戦争に反対できないのか)について、以下の7点
1、国内戦と国際戦の違いがわからない
2、現代戦では、死ぬことより、生きることが重要なのに、日本人は、死に酔ってしまう
3、戦争は、始めたら一刻も早く止めるべきなのに、日本人は、だらだらと続けていく
4.日本人は、権力に弱く、戦争を叫ぶ権力者の声に従ってしまう
5、頭の中で反対でも、沈黙を守り賛成しなかったからいいと、自分を納得させてしまう
6、日本人の場合、社会の前に世間があって、その世間に対して、社会的行動を取れない
7、日本人が、一番恐れるのは、「臆病者」とか「卑怯者」といわれることである。だから、「臆病者」「卑怯者」といわれるのを恐れて、戦争に賛成した。
をあげて、「よく言えば日本人は平和に向いている」と書かれていました。示唆的なまとめと表現だと感じました。
「戦争はいけない」、改めて考えさせられた一冊です。
お勧めします。
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こんなザマだから負けたのだろうし、このザマを70年も引きずっているからこそ、やっぱりまだダメなのだろう。お上の言う通りになんかしないで、自分で物を考え自分で調べ自分で手の届くところから行動しないと。世の中を変えられるのはお上じゃない、末端の人間一人一人の力だよ。
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1,2章は自分の体験をもとにして書いてあるので、特徴があったが3章は一般的な資料をもとにした意見であった。
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すごい余白であっという間に読み終わったぞ。終戦時はゼロではなかった。飛行機を作れる工場も発電所もあって、仕事がないだけだった、というのは新鮮。しかもそのときをリアルに生きていた人の証言、こういったものが過去を知るために必要。
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かのミステリー作家が、自らの戦争体験を語る一冊。
細かいことはさておき
「本来なら自軍の兵士を生きて帰らせてこその戦略であるべき」
というような指摘だけは絶対に忘れない。
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さすが惹きつける文章と飾らない表現で、雰囲気に飲まれてしまう。面白い。実際に当人が感じた感覚をそのまま表現している感があって、リアリティがスゴイ。前半は半生記、後半は意見となっていて、前後半で面白さの意味が違う。戦争反対が左に寄らない珍しい一冊。おすすめ。
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タイトルに惹かれて読んだけどタイトル通りは前半のみ。「当時何があったか」ではなくて「著者が当時何を経験したか」を読みたかったので△ 読む人が読めば充実した内容だと思うので別のタイトルにしたほうがいいと感じた
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敗戦時15歳だった著者が、戦争前後の体験や思いを語るように書き下ろした本である。著者は歴史学者でもルポライターでもなく、言わずと知れたミステリー作家であり、語られることはあくまで個人的な回想である。しかし語られる体験が個人的だからこそ、戦争が「兵士」としての人でなく。生身の人間の普通の人生を如何に破壊したかが、具体的にわかる。また、各国の戦闘機の数、生産能力の比較などは文献から引用していて信頼できる
こんなエピソードが語られている。本の副題にもある通り、著者は陸軍幼年学校「最後の生徒」であるが、「陸幼」は陸軍士官学校、陸軍大学校へと繋がるエリートコースである。当時「隣組」という住民組織があったが、「陸幼」に受かった者が自分の組から出るだけで、組長は鼻が高い、というほどだった。そこに合格するほど優秀な著者だが、戦後の混乱で、大学には行っていない。様々な職を転々とした後、通信制の大学で学ぼうと思い立ち、仕事の休み時間に願書を提出に行く。ところが途中の交差点で、車も走っていないのに全ての信号が赤になっていて、そこから先へ進めない。その場にいた警察官に詰め寄ると、マッカーサー一行が「お通りになる」ので、それまで道を空けているのだと言う。結局願書提出は間に合わず、その日が提出期限の日だったため、著者は「マッカーサーのせいで大学に行きそこねた」のだった。
こうした個人的体験は、膨大な戦死者の数等と比較すれば些細な事かもしれないが、戦争が生活のあらゆる面に途轍もない影響与えたことがかえって生き生きと伝わってくる。その他、当時の食糧事情、労働事情、沖縄のこと、東條英樹のこと、愚かな軍人への怒り、最後は日本という国は戦争に向いていないということ等が、経験に基づいて語られる。学術書ではないので、あくまで著者の見解であるが、私には大変説得力があった。また、ミステリー作家としての自身についてのエピソードは、著者の小説の愛読者(私はそうでもないが)は大変興味深く読めるはずである。
ミステリー作家である著者が本書を著したのは、現在の日本に大変な危機感を抱いているからだろう。日本には死を美化する風潮があると著者は言う。軍歌の歌詞を引用しながら、「死」を気楽に唄う風潮を憂える。戦争の実相を知らず、戦争になっても自らは戦争に行かず、当たり前だが死んだ経験もない者が、見ず知らずの人の死を「美化」する「国柄」とやらに乗って時代を後戻りさせようとしている。そうした流れへの警告として、私は本書を読んだ。著者のミステリーが好きな人にも、特に興味がない人にも、一読を薦めたい本である。
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百田尚樹の「戦争と平和」を読んだ直後に読んだため、内容がかなり重複していた。だが、中心は西村氏の戦争体験。終戦時は八王子の幼年学校で兵隊の訓練をしていた。貴重な体験をこの年になって書いたのはすごい。
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著者には珍しい自伝エッセー。昨今の右傾化に危機感を覚えて書いたということらしい。前半は自身の戦争体験についてで、後半は太平洋戦争で日本が敗れた理由について、著者が考えていることを率直に述べたものである。とても共感する話が多く、実際のその時代を体験された人ならではの重みもあり、とても興味深く読めた。
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戦中を生きた筆者による回想録であり、なぜ日本が戦争に負けたのか、が記されたエッセイ。先日読んだ「失敗の本質」にも通ずる内容が分かりやすい言葉で書かれていて、読後感は相通ずるものがあった。軽い絶望感、だ。
日本人なら誰しもが、多少なりとも共感できる部分が書かれていると思う。
日本人には戦争はむいてない。平和が向いている、という筆者の思いに少し救われた気もした。
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本書の三分の一は陸軍幼年学校を中心とした話、三分の一は戦後、ベストセラー作家になるまでの話、最後は西村氏の戦争についての考え方だった。とても読み易く、真っ当な反戦の方だとお見受けした。氏の小説は一度も読んだことはないのだが、今度読んでみようかなと思っている。