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その昔、会社の慰安旅行で行こうかと冗談で言ったことのある渡鹿野島。新聞の書評に書かれているのを目にしたので読んでみた。三重県民として、故郷のことを知っておきたいとも思って。
大衆週刊誌のネタではあるものの、下世話な話題だけでなく、なぜこの島が売春島となったのか歴史的背景の記述もあって、フーゾク情報としてではなく、風俗史としてしっかりと読める。
「必要悪」ではあるものの、難しいよなと改めて思う。結局は中途半端な島になって寂れちゃうんだろうな。
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まさに人身売買の内側に迫った本。こんな島があったとは知らなかったし、女性を「売り飛ばす」ということの本当の意味も知らなかったので、いろいろ勉強になった。ちょっと近づきがたい世界が存在しており、近年はそこに外国人の女性も送り込まれているという現実も興味深かった。廃れる前に行ってみたかった。
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三重県の的矢湾の渡鹿野島
古くから風待ち島で漁師や船乗りが集まる場所だったらしい。男が集まれば商売目当ての女も集まる。
そこに1965年以降に四国から売春婦が移住してきてから更にさかんになった。ホストに入れあげた挙句に沈められたり、悪い男に騙されて売られてきた女も居たという。
1990年代には置屋が乱立したのをピークに今ではすっかり寂れてしまっている。
まあだからこんな本が出版されるんだろうな。
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2016年の伊勢志摩サミットが開催された賢島からほど近い海に浮かぶ渡鹿野島(わたかのじま)。
ここは江戸末期から連綿と続く、欲望渦巻くアイランドだった。(過去形)
最近、ハマりつつある書店のノンフィクションのコーナーに平積みされていてジャケ買い。
この島のことは知らなかった。
サブカル系の胡散臭さがぷんぷん匂うエピソードの数々。
島に売られていった少女の話や、バブル時代には客でメインストリートが溢れかえったという話、そして朽ちていくのを待つのみという現状など、興味深かった。
ドロドロした好事家の欲望の薄汚さに対して、時流に乗れずに滅びゆくものの美しさを感じた。
今こそ訪れてみたい島だ。
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こんな島があったのか!と見事帯の謳い文句に誘われて買ってしまいましたが、感想としてはそれなりにちゃんと産業として成立していた様子が描かれており、想像したような鬼畜的な人身売買が横行していたわけではなかったです。
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この島のことは、女性フリーライターが失踪したことで知っていたので、ルポが出ると聞き大いに期待したものの、おもしろくなかった。同時に読み進めた、青木理の『誘蛾灯』にくらべると、引き込まれない。ただ、この著者が誠実な人であることはわかった。
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渡鹿野島の置屋の衰退。休息する漁師のために江戸時代から夜伽。船で菜売り(野菜)を漁師に売りにいく。それを貧乏人の娘を養女にやらせ売春。
戦時中、500人の予科練が駐在。売春縞の存在の噂が広まる
最初は4人の売春婦が置屋を始めた。旅館にマージン戻る。
女衒がAV女優つれてきた。若くて美人はサービスのクレーム多い。女衒は200万円置屋からバンス(前借り)を受け取る。女はそれを払えるまで働く。男の借金の為、売春
元刑事が置屋の女と結婚。警察の手入れは事前に知り、
50万円で逮捕されず。
最盛期は300人の売春婦。実際は唯一の生き残りの置屋によると60人。
業務拡大なしで生き残った置屋の女主人
現在は8人の売春婦で営業。
伊勢志摩サミット。
ヤクザのヒモに貢ぐ女達と置屋の関係は良好。借金のある女は少ない。
浄化運動。アジアから安く女を仕入れる。当局ともめたくないので短期間。昔の情緒はなくなった。
企業コンサルとなる詐欺師Y藤。成功している置屋に投資させられ全てを失う。離島に7階立てのホテルを建設したら資材運輸費が増え10億円はかかる。
競売でホテルを買った名古屋の不動産屋。500万円で購入。裁判所が認めた価格。三重県、伊勢市が固定資産税での評価額は1億4000万円。意義申し立て中。
全国のリゾート地の廃墟が多い理由。
建物を寄付。貸してくれと提案。換金性がない=価値がないからできないと断られた。
会員が集まらなかったゴルフ場は経営権だけ残し、ゴルフ場は市、県に寄付。地元に仕事は残る。
たとえ売春産業でも。住民達が安心して暮らせるほうが大事なのではBY不動産業者
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売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ。高木瑞穂先生の著書。法治国家の日本にも渡鹿野島のような場所があったというのが驚き。読書好きで人よりも物事をよく知っていると自信過剰になっていた自分自身の不勉強と非常識を思い知らされました。それにしても取り締まる役目のはずの警察官がいつの間にか取り締まられる側の味方になってしまうなんて、この警察官には職業倫理というものがないのでしょうか。人間の弱さを感じます。
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三重県にある、かつては島全体が売春業で栄えた渡鹿野島の栄枯盛衰を関係者のインタビューを中心にまとめた本。
1990年代前半に根本敬著の「因果鉄道の旅」では「M県W島」として著者自身の潜入ルポと共に「島全体が遊郭」と紹介されていたところが、所在地、島の実名、関係者のインタビューも含めて公になっていたことに驚き。
両方を併せて読むと、渡鹿野島の全盛期がより立体的に浮かび上がる。
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現在、進行中の問題であるならまだしも、もうそういった行為が行われたことは過去として脱却している島を、また扱うこと自体、興味本位に思えてしまう。ニュートラルな立ち位置を取ろうとしている感じを主張しながら、島を本名で語らず、文中も「売春島」と呼び続けるのが、どうにも下衆い。島の方々からすればはた迷惑も甚だしい、風俗ライターが一山当てようとしただけの最低な本だと思います。
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三重県にある、かつて売春島として栄えた渡鹿野島が、どうやって栄え、どうして没落したのか、売春産業に関与した一や島の人はどう考えているのかを描くルポ。なかなか良い。
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デリヘルなどが興隆しヤクザの愛人らが売春する場所も都心部に移り浄化が流行ったことだけでなく元警官を内縁の夫にするやり手女将の経営する置屋とホテルが詐欺師の色恋営業で破壊されたことで島が衰弱したことが分かる素晴らしいルポ。
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三重県志摩市にある小さな島渡鹿野島.昔から売春島として名を馳せたこの島は今は凋落して以前の繁栄は見る影もなくなっている.クリーン作戦が行われ観光地として再出発を図っているが厳しそうだ.風俗ルポライターである著者がなんども島に渡り聞き込み調査をしている経過が綴られる.
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“売春島”と呼ばれる三重県の離島、渡鹿野島。島民全ての生活が売春で成り立っているとされる現代ニッポンの桃源郷が、今、消えようとしている。島が凋落した全貌と、売春の実態や人身売買タブーに迫る。
バブル崩壊とともに衰退したというが、こんな島が現代の日本に割と最近まで存在していたことにまず驚いた。時系列がゴチャゴチャしている上、仮名や伏字が多く読みづらいけれど、著者が一生懸命取材したということはよくわかる。
(Ⅽ)
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三重県の渡鹿野島は対岸の鵜方からポンポン船で3分の距離にある。この島は性サービスが充実した女護が島としての噂があり、本書はその栄枯盛衰を足で調べたルポです。調べると、突然、売春島になったわけではなく、そこには売春がつきものだったという“風待ち港”の起源がありました。資料の乏しい日本の性風俗史の一端や暗部も少し触れていますが、さらに知りたいと思いました。