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図書館で表紙借り。日常ゆるエッセイかと思って借りたらがんエッセイでびっくりした。
がんを「似合わない服」に例えているのがいい得て妙で、頼んでもいない似合わない服を恐ろしい速度で勝手に編まれていく怖さ、に、自分の意思は一切考慮されず止められないものへの恐怖が実感を伴って感じられた。
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カタカタ、カタカタ。いつの間にか編み上げられた「似合わない服」。ある日突然、私に届けられたその服を、着たくなくても、一旦は着るしかない、そうやって乳ガンを引き受けたミルコさんの潔さ。一気に読んだ。ミルコさんのほかの本も全部読みたくて本屋に急いだ。
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サラッとすごいことが書いてある。「放射能の恐ろしさを・・・語ることはできないが、・・・想像はつく。なぜなら、放射線治療を受けた部位だけ、私の肌は汗をかかない。」思わず絶句。いつものように圧倒されました。『やめてみてわかったこと』ただただすごい。私もそろそろやめどきかと、遅ればせながら考え始めた。
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どういう内容の本なのか、ぱらぱら見ただけでは分からない本。
書き方もとくにこだわりのない短文を集めたような感じだけど、
乳がんを患ったあとの生活や考え方などをまとめた本、と言えるのか。
この人の前の本を読んでいれば分かるのかもしれないけど、
最初の六本木界隈の生活の話からいきなり「がんを患って」な話に転じるとか
(しかもなんのがんなのかしばらく読まないとわからない)
ちょっと不親切な感じがする。
な感じで、久しぶりに乳がん関係の本を読んだ。
この方が治療した2009年よりは、
今の方がずっと、痛みや辛さやしんどさは軽くなっているだろうから、
これから治療するような人であれば、
あまりそこは気にしすぎないほうがいいと思う。
副作用への対応策はいくらでもあるし。
でも乳がんの治療を経験した時、したあと、の気持ちや
そこから見直す日々の過ごし方は、
かかった時期に関係なく、共感する人もいると思う。
途中で薬を飲むのもやめてしまったみたいだし、
「私もやめちゃった」な人は、そこで「同じ」と思えるかもね。
がんは細胞の病気だから個人によって違う、という言葉に納得。
人によって現れるものも、感じることも、違っているのが当たり前。
だから文章で残すことに意味はあると思う。
まあ私はこの本を読みながら、あまり共感はしなかったけど。
がんになる直接の原因なんて見つけられないと思うけど、
今ある生活の行きすぎや無理が、社会や体を蝕んでいるという一面はある。
今の社会の流れ全部を変えることは難しくても、
気付いて自分や身近な周囲を見直していくことが
病気になったことで得た大きな意味である気がする。
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タイトルと表紙のイラスト(吉田戦車さん!)だけで
ファッションの話かと思って読んだら
ガンの話でした~。
それはまあいいんだけど…
なんだかな~
最初の数ページを読んで
「うわ~私はちょっと苦手かも…」と思ってしまったのよね。
子猫をペットショップで衝動買い→育てるのが難しくて実家の母に預ける(いや、ぬいぐるみじゃないから!)
高級レストランで作家先生と食事→味もわからないままの接待飯はあとで全部トイレで吐く(牛さんやらあなたに食べられた動物に謝れ&シェフにも謝れ!)
値札を気にせず高級ブランド服を購入→タンスの肥やし
六本木在住→朝は近所のファストフードで食べながら仕事
とかね…
かつてのバブルな人たちの
「こうやって私たちクリエイターは経済をまわしているの」的な感じがめちゃくちゃ苦手。
で…読み進めていくと…
ガンになって生活をあらためていく&地球環境も考えていくようになる(原子力とか世界的な情勢も)
という著者の手記。
で、タイトルの「似合わない服」=がんのことだそう
人が「変わる」きっかけ
著者にとってはがんだったという。
その変わっていく記録としての手記なんだろうな…。
と、最後まで読んでやっと思えたかな。
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規模の大きなことを勘でもって結びつけた感が大きい。読んでいるわたしには何もかもが直感の絵空事にしか聞こえてこない。「見聞きしたこと、つなぎ合わせました!」という感じ。いちばん大きなはずの「体感」がまるで伝わってこないのがいっそ爽快ですらある。
書いている本人には実感のあることなのだろう、たぶん。がんとはそれくらいとほうもない体験で、だからこそ読む価値があるのだと言われたらそれまでだが。
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闘病後記とは知らずに手を取った。最近「風邪の効用」を読んだし、自分のからだが自然にあることを考えていたので、色々と思うことが多かった。
自分が癌になった原因を探究するという姿勢が魅力的。そしてその原因というか、理由の一つに資本主義やバブルを見出していく。今のわたしには、すごく良く分かるような気がした。
自分のままいたいんだという細胞の叫び、私もよく受け取っている気がする。ちゃんと聞いてく。
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バブリーな生活をしていた著者が、がんを患ったことで考えたことを綴ったエッセイ。
がんによって、すべてのモノを失ったかのように見えるが、文中からは逆に本質的に大切なものを得、前向きに生きる力を得ているように思えた。強い人だなと感じた。