3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり前に購入して、始めの方だけ読んで、積ん読状態……でしたが、今回完読しました。海外を拠点の企業ビジネス物と思っていたら、恋愛物でもあるし、ミステリーでもある……。面白いと感じる方は多いでしょうが、自分は、あり得ない展開に引いてしまいました
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知らない作家さんだったけど、本屋で最初の数ページを読んで購入を即決。
主に香港・マカオを中心に東南アジア、東京と話しが展開する。ありがちな産業スパイもののような始まりをしたくせに、青春時代の恋の話なのである。
カズオ・イシグロが旬で売れ線なのだろうけど、早川さんにはこの本こそもっと売り出して欲しいと思った。
文庫本にしては、ちょっとお高いけど、読めば満足。
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ページをめくる手が止まらず深夜1:50に読了。今年読んだ小説で一番おもしろかった。この作品の良さをどう伝えたらいいのか…気になる作品はまずあらすじを読むと思います。しかし『未必のマクベス』という物語はこの13行のあらすじでは伝わらない。13行では文体の心地よさや、クレバーなら登場人物たちのやりとりや、上手くいかなかった初恋のこそばゆさまでは読み取れない。あらすじに目を通した後でもいいので、裏表紙の帯の本文を読んで、ピンときた人は手にとって欲しい。そして優一と共に四百年前に書かれた戯曲に抗う旅をしてほしい。
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未必とは必ずしもそうなるとは限らないがなったらなったで構わない。という意味。
この物語はこの「未必」という言葉に集約されている気がする。
王にならなければいけないし、ある人を助け出さなければいけない。
企業内政治に巻き込まれるし、友情も試される。
すべてのことにベターじゃなくベストの答えを出したいけど
負け戦だという事もわかっている。
ある人から見れば主人公はなんでそんなに優遇されてるんだとも思われる。
だが、彼が感じている孤独に触れたとき、
マクベスにこの物語がならないことを祈るのみだ。
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本屋で平積みになっていたのと帯が中々熱烈なコピーだったので手に取ってみました。いやぁ、面白かった。一冊かけたラブレターとありましたがまさしく、という感じだったなぁ。主人公が毎日PCに打ち込んでた彼女の名前は空に消えていた訳では無かったんだなぁ。
主人公たちの勤めている会社がちょっと危な過ぎない?とかそんな事でそこまでするの?とか色々言いたい事はあるんですがでもマクベスの筋と絡めて展開される物語と人間関係が次へ次へとページをめくらせる感じで一気に読んでしまいました。女性陣も中々にしたたかでしっかりしていて男性に依存するタイプでも無く、感情的になるわけでもなく好感度が高かったです。
それにしてもワンタンメンが食べたくなる話だなぁ…。色々言いたい事はあるんだけどそんな感想しか出てこない自分にガッカリ。ここ暫く読んだ中で一番余韻に浸った話だったなぁという感想です。
面白かった!
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「本作を読んで、早川書房に転職しました」って帯コメは大袈裟でも何でもないだろうね。こんな本を作りたい!って思わせるでしょう、そりゃ。面白いもん。いや、ほんと面白かった。
(純愛+企業+犯罪)小説、と盛りだくさんな中身なんだけど、ごてごてしてないところもスゴイ。だけど、フツーのサラリーマンが、人をこんなにもあっさりさっぱり殺しちゃっていいのか大丈夫か、って不安になるほどその手を(直接間接問わず)血に染めていく。でも香港澳門の何とも言えない妖しい空気がそんな犯罪さえも飲み込んでいく感じがいい。でも高木さん、最後のそれはちょっと泥臭さすぎやしませんか?
とはいえ、若かりし頃の苦くて甘い恋がこころのどこかにくすぶってる人は、きっと楽しめる。
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2018.01.30読了
まあ、カタカナが多くて電子辞書を引きながら読みました。
こういうの、"ウィットに富んでる"とでも言うのでしょうか?!セリフがシャレてるわけです。キザなんですね、ちょっと恥ずかしいくらい(笑)
でも、物語がとても素敵なんです。本当に血腥いストーリーなのですがそれだけじゃなく愛情たっぷりで、先が気になって仕方なくなるんです。
ただ、とにかく人が殺されます(汗)そんなんナシやろ?ってくらい。誰が誰を殺したんだか?最後はごちゃごちゃになりましたが無視して読み進めました。
読後感として未だモヤモヤしている部分(意味がわかっていない部分)があります。
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吉祥寺アトレの本屋のレジ横に山積みになっていた
他の本とともにたまたま手にとった全く知らない作者の本
通勤途中に読むにはかなり長く重い作品
普段何気なく使っているICカードのセキュリティに関する仕事は拗れると殺されるレベル、やばい
という本ではないのだが…
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ランキングで皆さんの評価が良かったので「読みたい」に入れてはみたが、613頁で一冊となると、通勤電車で読むためのポータビリティを重視する身としては、些か躊躇。
まあ、薄い本でもすぐに分冊にする出版社より良心的だとは思い、本屋さんで手に取って中をパラパラ捲った末に、雰囲気にも惹かれて購入。
東南アジアをまたにかける若きビジネスマン・中井優一。
タイから香港へのフライトが、澳門に到着地変更になった夜のカジノから運命が急展開する。
その晩、街娼から囁かれた『あなたは、王になって、旅に出なくてはならない』という言葉をきっかけに、正にシェイクスピアの「マクベス」をなぞったように進む話はいい意味で外連味たっぷり。
巻き込まれ型のお話しで、敵はもとより味方が誰かさえも分からない状況は、読んでるこちらも暗中模索での疑心暗鬼。「マクベス」からは悲劇の結末を想起させられるだけに、読んでいても息苦しい。
読了後、物語のカラクリが十分腑に落ちたわけではないし、結構荒っぽい展開だとも思うのだけど、クライムノベルあるいはハードボイルドでありながら青春小説の香りも残す文章に惹かれ、終章の余韻も深い。
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香港、マカオ、バンコクといった東南アジアの都市を舞台にしたIT企業のウラ社会を描くビジネス犯罪小説としては現実離れしすぎていると思うけれど、シェイクスピアの戯曲『マクベス』をモチーフに、愛する者を安全なところへと引き上げようとする主人公の王としての旅のお話としては秀逸だった。
登場人物たちも魅力的で、スピーディな展開もあってサクサクと読んだが、董司長(ドンシイジャン)とか維多利亞港(ビクトリアハーバー)などの表記・発音には現地感と馴染めなさもつきまとった。
積み木カレンダーの解答も、11と22日のバースデイを絡めて、余韻を味わえる。
ダイエットコークとラムのカクテル「フェイク・リバティ」が飲みたくなった。
17-124
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期待はずれ!
ちょっとカッコいい物を、とにかく詰め込んだようで、
一貫性も意外性もなかったです。
突然のDeus ex machinaばかり…
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すごく不思議なお話でした。丁寧で優しくて、しかしどこか恐ろしくて冷たいような。
厚い本でしたが、惹きつけられてわりと短時間で読み終えたように思います。自分の理解力が足らず、ところどころ混乱した部分もあるため、もう1度読みたいです。
重たくて軽い。優しくて残酷。ラブストーリーのようでミステリー。そんな印象の本でした。
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ダイエットコーラのキューバリブレを飲みたくなりハバナクラブを購入。
もう一回読んでも良いと思える内容だった。
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特に前半引き込まれる。はじまりから退屈せず本当に小説の世界に入ったかのような感覚。それぞれのキャラクターの描写も詳細で目に浮かんでくる。後半は流れがよくわからないところも多いけど、この世界観だけで読んでよかったかなという感じ。
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読ませる力が強い小説。久しぶりに一気に読み切った。誰が敵で誰が味方なのか、マクベスになぞらえた筋書きは、実際のところどういう形で決着していくのか、見どころが多くて飽きないのは確か。
しかし初恋小説、と言われるとどうなのだろう、というのはある。主人公の真意がわかりにくくなっている文章構造もあって、彼が38歳にもなって、改めて「初恋」を取り戻したのかはよくわからない。帯には「本の形をしたラブレター」というような文句も踊るが、これは中井からの、と考えると腑に落ちなくて、どちらかと言えば鍋島からのそれだったのかな、と思う。
結局のところ中井も伴のシナリオに踊らされていただけで、伴も鍋島とJプロトコルのそれに、という気がしてしまい、シナリオの、アペンディクスの外へ本当に抜け出そうという「生」を誰からも感じることができなかった。理不尽なシナリオに動かされる群像、という様は伊坂幸太郎のそれをも思わせるが、あちらでは結局明確な生きる意志や、逃亡への意欲が見られて、その生々しさに唆られる。こちらはどこか浮世を離れてしまっていた。
しかしエンターテイメントとしては確かに完成されている。とても楽しい1冊だった。