投稿元:
レビューを見る
女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した登山家・田部井淳子さんをモデルにした長編小説。
樋口明雄の「南アルプス山岳救助隊シリーズ」を読むようになり、すっかり山岳小説にはまり、手にした1冊。
恥ずかしながら、田部井さんの存在をこの本を読むまで知らなかった。エベレスト登頂に成功したのが1975年。昨年お亡くなりになるまで山に登られ続けたと言うが、まだ女性が軽視されていた時代に、アンナプルナ、エベレストを目指した様子を今作では描いている。時代は変わっているものの、今まで実現していないものを実現しようとする心の強さは、現代を生きている私でもパワーをもらえる。
山の様子などは、普段山岳小説を描いている作家さんには及ばないところはあるが、決して表舞台では語られない本当の登山の厳しさなどがしっかり描かれており、エベレスト登攀の後半は主人公と一緒に山を登っている感覚になり、登頂に成功した時は、その光景が目に浮かぶようだった。
主人公の淳子、そして旦那さんの前向きな生き方に元気をもらえるオススメの1冊!
投稿元:
レビューを見る
20170908リクエスト
女性で世界初エベレスト登頂に成功した登山家・田部井淳子さんをモデルにした話。
ご自身の努力ももちろんだけど、ものすごい強運に恵まれていたのだと感じた。山屋には、こんなに運不運が関係するのだとは。パーティー組んでいく他の人も実力ある人ばかりでも、山の上では予想外のことが起きるんだなと。
運も含めて、実力だと思うので、結果がついてきて幸せな人生を送られたのだろうなと思う。
ご冥福をお祈りします。
唯川恵さんの作品とは思えないような、感じでした。これから新たな境地を開いていくのか、楽しみです。
投稿元:
レビューを見る
女性で初めてエベレスト登頂に成功した話。女性だけで成し遂げる難しさや家族の温かさやあきらめない心やいろんなものが詰まった話だった。
投稿元:
レビューを見る
生々しい話だと思ったら、ちゃんとモデルさんがおられたとのこと。
そんなことがあったなんて知らなかった・・・
すごいです。
投稿元:
レビューを見る
山への想いや、素晴らしさを描いているのはもちろんですが、人間関係など山以外の苦悩や葛藤が想像よりずっとたくさん描かれていて驚きました。
女性としての生き方を描いている本でもあり、自己啓発本よりもずっと心にしみる言葉があります。
今までの唯川恵さんの本は読んだことがありませんが、恋愛小説のイメージがあります。それとは全然違った題材なので興味を惹かれ読んでみました。
手にとって本当に良かったです。
登山家・田部井淳子さんをモデルにした本だということなので、田部井さんの本読んでみたいと思いました。
投稿元:
レビューを見る
海外遠征って、資金集め以外にも大変なことがとても多いことを知りました。
登山のレベルは全く違うけど、やはり山に求めているものには共通するものがあるのがわかってうれしかった。
山歩きは、パーティー間の登山のレベルと気持ちとの両方が合わないと一緒に登るのは大変なんだよね。
投稿元:
レビューを見る
山の本はいい。『ソロ』(笹本稜平著)を先日読んで、舞台も同じエベレストということで早速手を出した。田部井淳子さんをモデルにした小説。最初はほぼノンフィクションかと思い、本人名で登場かと思って読み進め、”田名部”という名前が誤植か?と思ったほどだ。
ラインホルト・メスナー、植村直巳、長谷川恒男など有名人は実名だが(田部井さんも十分、有名人だと思うが)、主人公田部井淳子が田名部淳子、ご主人の政伸さんが正夫さん、谷川岳一ノ倉沢登攀のペア佐宗ルミエさんはマリエさん等々、微妙に名前を変えてある。これじゃあ、「多く食べる胃袋と書いて”食べ胃”と呼ばれてます(笑)」という田部井さんのシャレの効いた自己紹介が使えない(笑)
その他、幼馴染の勇太や大学同僚の麗華あたりも、完全な作者の創造による登場人物だそうだ。
フィクションにしてエンターテイメント性をより高めてあるのだろう。田部井さんの初期の偉業にのみ焦点を当てつつも、最晩年の東北地方の高校生らとの富士登山活動をプロローグ、エピローグに使い、登山家田部井淳子さんの生涯を貫く信念のようなものが、非常に簡潔に浮彫りとなっている作品だった。
女性に対する偏見もまだまだ健在な昭和の時代に、女性初や女性だけで、と数々の偉業を達成してきた田部井さんと彼女を囲む女性の熱い想いがひしひしと伝ってくる。今年(2017年)ヒットした映画『ドリーム』にも相通じる内容でもある。
主人公となる女性たちの高い能力や強靭な意志もさることながら、男性優位の風潮の中でも女性の実力に理解を示す周囲の協力もあってのこと。特に、本書では田部井さんのご主人である政伸(本書では正夫)さんの理解と包容力がなんとも温かい。
初の海外遠征アンナプルナⅡ峰出発を前に正夫の言うこの台詞が最高だ。
「言っておくけど、てっぺんは頂上じゃないからな」(中略)
「淳子のてっぺんはここだよ。必ず、無事に俺のところに帰って来るんだ」
”てっぺん”という言葉は、政伸氏の著作『てっぺん 我が妻・田部井淳子の生き方』でも使われている。ふたりの間で本当に交された言葉だったのだろう。
山行での苦悶、女性だけのチーム内の葛藤などの苦労は多少の脚色もあるだろうが非常に臨場感あふれて描かれていて感動もするが、家族あっての田部井淳子だったのだなと思わせる地上での暮らし、特に夫・正夫(政伸)との信頼関係が、屹立する華々しい記録の土台となって、どっしりと構えられていたからこそだったんだなと思わさせる。
もひとつ正夫の言葉を引用しておこう。
「覚えているか?この家を建てる時、ここを俺たちのベースキャンプにしようって言ったの」
「うん」
「俺がベースキャンプを守るから、淳子は思う存分登って来い。淳子が登ったら俺も登ったことになるんだ。だって、俺たちはふたりでパーティを組んでいるんだからな」
実に感動的(涙)。良書也!
投稿元:
レビューを見る
警察ものとか笑えるものとかでもなく、久しぶりに感動する本を読んだ。登山家田部井淳子さんをモデルとした物語。正直、よく存じ上げていない方で(ごめんなさい)、山のお話というのもどうかなあと思っていたんだけれど、読みやすく、非常に引き込まれた。隊員とのやりとり、準備、家族の問題、その時代で女性であること、そしてもちろん登って行くことの過酷さ、苦労の中に熱い情熱を感じました。また。行きたい気持ちがある、どうして実現するために行動を起こそうとしないのか、やるだけのことをやる前に答えを決めつけるのは、本気で行く気がないからだ、というくだりはこちらも大変刺激になりました。田部井さんの本がいくつか出ているようなので、そちらも読みたくなったです。
そうそう、ご主人が素敵な方だなあとも思いました。
投稿元:
レビューを見る
女性だけの登山隊としてエベレスト初登頂を果たした登山家、田部井淳子さんをモデルにした小説。「小説」なのでどこまで本当か分からないけど、50年も前に、女性で、男たちに混ざって、仕事をしながら、結婚して育児もしながら、山に登るってすごいことだよなあと思った。田部井淳子さんのことは知っていて、どうやって登山家になったんだろう、どう生きてきた人なんだろう、と興味はあったので、ああ、生き方が職業ってこういう人のことを言うんだなと思った。淳子の夫の、「淳子のてっぺんはここ(わが家)だよ、山の頂上を目指すんじゃなくて、ここに帰ってこなきゃ」というようなセリフ。これは自伝じゃ描けない、小説じゃないと描けないなと思った。やはり私は大河小説好きだな〜。実在してるとなお好き。
投稿元:
レビューを見る
楽しめたが、女性だけのグループも大変。なぜ生きるのかを知るために人は生きる。なぜ山に登るのかを知るために登る。
投稿元:
レビューを見る
この本を手に取るちょっと前に
テレビのドキュメンタリーで
田部井さんの最期までをたまたま観ていたので
本当にすごい人だったんだなと改めて感じながら読んだ。
エベレストとか登るって簡単だとは思わなかったけど
ここまで、準備や資金繰りが大変だとは!
それに加えて隊員どうしのごちゃごちゃや
現地での盗難、登山以外の事の方がしんどいかも。
この本に触発された私は
今年富士山に登りたいと思いました。
一歩一歩、やってみよう。
投稿元:
レビューを見る
1970年代に女性が登山するという事がどれ程大変なことか!それを成し遂げた田部井淳子さんを本当に尊敬します。面白くて一気読みしてしまった。
投稿元:
レビューを見る
山登りが好きなんて言いながら、田部井淳子さんのことをちっとも知りませんでした。「女には無理だ」なんて言われながら小さい体で山に登る淳子さん。彼女が見た景色はどんなだろうと、想像するだけでわくわく。わたしもいつか、てっぺんを見つけられたらいいなあ。手元に置いておきたくなるすてきなお話でした。
投稿元:
レビューを見る
唯川氏の小説にしては珍しく男女のドロドロとか
恋愛がテーマにない。
なんというか、登山家ってやっぱり理解しがたいと
いうのが一番の感想。
全財産を投げ打って、家族を犠牲にしてまでも
とにかくアタックしつづける。
女性だけで登山隊を組みエベレスト登頂を
成し遂げる。
登山には興味がないけれど
それまでの女性同士ならではの 軋轢や
心情などうまく書かれてた。
ドラマなど映像化されるともっと
リアリティがあってよいのかな。
しかし、何十年も前、それこそ
女性は家庭にいるのが当たり前だった当時
女性だけでエベレストにチャレンジすると
いうことは女性の地位向上に
一石を投げかけたのは間違いないこと
だったのだと思う。
しかし、淳子が登山を続けることが出来たのは
理解ある夫、理解ある姉がうから。
女性が結婚して子供を産んでからも
外に出るにはサポートしてくれる環境がないと
まだまだ難しいのが現状。
投稿元:
レビューを見る
登山家の淳子さんと周りの方達の話。登山の魅力が伝わると同時に、女性であるが故の奮闘に勇気をもらいました。一歩踏み出してみよう!