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ブラックで救いがなくてとことんどんよりしてしまう短編を読み続けて、もうどんなひどいのが来ても平気だぜ、なんて思ってたら最後にガハっって笑ってしまった。なんだこれΩ面白いじゃないか!
葉真中さんってよくもまぁ、こんなにもひどいことばかり思いつくよね。でもとことんひどい話なのにちょっと笑っちゃうのは自分だけは大丈夫だって思ってるからなんだよね。私にはこんなことは起こらないって根拠のない自信を持っちゃう。私たちのような凡人にはこんなことは起こらない、起こらないと思う、起こらないよね、起こったらどうしよう…
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介護現場から、現代の喫緊の問題を投げかけた『ロスト・ケア』を著した著者の、その作品とは異なるブラックユーモア・ミステリー集。
どんな警察小説かと、思わず手に取ってしまう表題作の『政治的に正しい警察小説』。パワフルでエキセントリックなこの短編は、まるで筒井康隆の世界。警察小説を期待したファンは、見事に裏切られる。
『カレーの女神様』は、何とも言えない味わいの恐怖小説の類か。
『リビング・ウィル』のオチは、星新一を思わせる。
その他、児童虐待、将棋、冤罪と、それぞれ多彩なテーマで、それなりに楽しめる。
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「ロスト・ケア」「絶叫」と衝撃的な社会派作品を描いた作家さんの書き下ろし「ブラック・ユーモア」短編集。
何の情報もなく、タイトルだけで手に取ったので、警察小説だと思い込んでいたが、警察が出てくる気配は全くない。そしてタイトルに使われた「政治的に正しい警察小説」にも警察は出て来ない…完全に自分の勘違いだった…
長編でも先が読めない展開が武器の作家さんだけど、今作に納めれたいずれの作品も、読み終わった後に「え?どういうこと?」と思うことがあり、「ブラック・ユーモア」と言うより、「イヤミス」感もある感じ。残酷な話が苦手人は読まない方がいいかも。
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著者あとがきがないので何とも言えないが、筒井康隆にインスパイアされたような短編集だ。「秘密の海」での児童虐待でブラックな雰囲気を感じた。「リビング・ウイル」は筒井作品「生きている脳」を彷彿とさせ、そのあとの表題作を含む短編2作は正常から狂気へと進む様が懐かしさを感じる。
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<内容紹介より>
飛ぶ鳥を落とす勢いの新鋭作家・浜名湖安芸は、「ポリティカル・コレクトネス」をコンセプトにした警察小説という”意識高い”依頼を受けた。パワフルでエキセントリックな編集者を相手に、ハマナコは超大作を書き上げる⁉(「政治的に正しい警察小説」)
大学生の僕は、偶然通りかかったカレー店で思い出の味に再会した。幼いころに生き別れた母の味だ。女店主にその「秘密の隠し味」を訊ねると……。(「カレーの女神様」)
そのほか、児童虐待、将棋、冤罪、尊厳死など、多彩なテーマの六編を収録するブラックユーモア・ミステリー集。著者初の文庫オリジナル作!
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ミステリ作品として、どんでん返しがしっかりと書かれていましたし、テーマ設定も斬新で、エンターテインメントとして完成されているように思います。
「ブラックユーモア」と題されているだけあって、決して後味が良い作品集ではないので、好みはわかれるかと思います。
……教育的によろしい、というタイプの本ではありませんが、”どんより”というか”ねっとり”というか、そういった印象の読後感が嫌いでは無ければ、楽しめると思います。少なくとも、「腑に落ちない」という印象をもった作品はありませんでした。
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読後感がよいわけではない短編がほとんど(^^;だけど、奇妙な魅力がある。ハマる人はいそう。でもちょっと怖い…
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東野圭吾の◯◯小説みたい。秘密の海⇒△連鎖、認知症。神を殺した男⇒◯大局観、神をつくった。推定冤罪⇒◯本当に覚えていないんですか?私のことも。リビング・ウィル⇒✕生前の意思、もうひと捻りほしい。カレーの神様⇒△紫蘭、あなたを忘れない、母はどうなった。政治的に正しい警察小説⇒✕タイトルなのに一番今ひとつかな。
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文庫オリジナルで出版と聞くと、読む前から「自信がなかったんだろうな」という偏見を持ってしまうのだが、やはり。「問題作」と裏表紙に書かれているものは読まないようにしようといつも思うんですけどね…
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ストーリーテラーなのは間違いないと思うのだ。当初の印象とは裏腹に、思わぬ方向へ進み出す展開はとても魅力的だ。
ただ、その内容と表現が少々エキセントリックに感じてしまう。何もそこまで、、、、と思ってしまうところがしばしば。
6つの短編で構成された本作品。「推定免罪」「神を殺した男」はとても好き。「リビングウィル」「カレーの女神様」はうーん、、、。「秘密の海」はそっかなるほどね。「政治的に正しい警察小説」はあまりのぶっ飛び具合に苦笑い。
って感じでした。
また次作に期待します。
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裏表紙のあらすじに興味を惹かれ購入。収録順序は必ずしも発表順ではなく、巻末へ向かうに従いブラックなエピソードになっていくのは意図的?作品毎にテーマが盛り込まれ、それが上手に消化されており圧巻。まさか、表題作が一番エキセントリックだとは…。
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ブラックな読み口のミステリ短編集。一見心温まる物語のように思えるものもあるのだけれど、総じてブラックな印象です。もちろん、こういうのは大好き。
お気に入りは「リビング・ウィル」。嫌だなあ。これ、あまりにも恐ろしい物語で。でもあの人の視点なしで表面上をなぞれば「いい話」に思えてしまうところがまたなおさら嫌。
「カレーの女神様」も、前半は心温まる物語のように見えたのに。まさかここまでブラックだとは。でもどこかすこーんと突き抜けていて、読後感は爽快です(個人的な感想です、あくまでも)。
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表題の「政治的に正しい警察小説」は「小説家」というイメージが思い切り出てる。
段々とのめり込み周りが見えなくなり執筆に没頭する。昔からの「これぞ小説家!」が世間から逸れ、落ちていく姿が描かれていると思います。
全部で6話ありますが「カレーの女神様」が一番おもしろかった。読後気分悪くなるけど……(^^;
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ブクログのレビューで見かけて、面白そうだと思って手に取りました。初読みの作家さん。ブラックユーモア・ミステリの短編集(警察小説ではない)
一見ほのぼのとした物語、でもその実は…!?という「カレーの女神様」が面白かった。表題の「政治的に正しい警察小説」は筒井康隆の「残像に口紅を」を思い出した。浜名湖安芸って作者の名前をもじったものだったんだって今気づいた。
関係ないけど検索でついでに出てきた「政治的に正しいおとぎ話」という本が面白そうだったのでまた今度読んでみようと思う。
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長編に対して、かなりコミカルな短編集で少し意外。
何も書かないことが一番のポリティカルコレクトネスとは。
「神を殺した男」と「リビングウィル」が面白かった。動けないけど意識のみあるという状況で尊厳死ってつらいだろうなー。
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短編もうまい作家だと思いました。
ブラックユーモアあり、ほろりとさせる作品あり。
児童虐待を扱った「秘密の海」は、意外な結末でもあり、何とも言えない読了感です。
母のカレーの秘密の隠し味をめぐる「カレーの女神様」は、なんともはや・・・。
面白かった。