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非常に分析的なトライアスリートの成長物語。
始めはトライアスロンをする理由が多々挙げられている。
個人的には、社会から努力しなさいと圧力を受けるものの、努力に応じた成果が出ることはまれであるが、トライアスロンは努力した分だけ結果が付いてくるという、身体的に分かりやすいという理由がしっくりきた。
後半は著者の体験を通した成長物語。練習方法についての示唆に富んでおり参考になる。根性や長時間練習を否定しているところなどとても参考になった。
トライアスロンをする人にお勧めです。
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なぜxxするのか?自分の言葉でそれを説明できるか?できないか?でまずその人の競技に対する本気度がわかる。
その説明がしっかりとしたものであればあるほど、こちらの気持ちを動かすことができるようなものであれば、なお本気度は高い。その内容が論理的なものなのか?何かへの思いに満ち溢れたものなのか?それはその人らしさがでる部分なのかもしれない。
この本で取り上げられている競技はトライアスロン。アイアンマンのレースは、スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195km、合計約226kmという凄まじくタフな競技。その競技に取り憑かれていく自分の様子、社会的な周辺の状況についてもしっかりと分析され、言葉で表現されている点が非常に面白い。あ、自分がトレランや登山の周辺で感じているものってそういうことなんだよね。って。
自分の場合、なぜ走るのか?なぜ登るのか?今、どこまでちゃんと説明できるだろうか?
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近年、社会的成功者がトライアスロンなどの耐久スポーツにのめり込む様子がネットメディアなどに掲載されている。
NHKで放映され知名度の上がったトランスジャパンアルプスレース(TJAR)も社会的成功者が参加し、
耐久スポーツが人を惹きつける要因は興味深いものがある。
※TJAR:8日間で北アルプスから南アルプスまで415kmを踏破するレース
本書の前半部では、
トライアスリートである筆者がトライアスロンへの参加を通じた参与観察やトライアスリートへの聞き取りを行い、
社会的成功者が過酷な耐久スポーツであるトライアスロンに向かう背景の考察を行なっている。
前半部についても面白いが、本書の後半部がより面白かった。
筆者は、アイアンマン世界選手権KONA’13に参加している。
アイアンマンレースは、スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195kmを連続して実施する競技である。
そのアイアンマンレース(しかも世界選手権)への参加時の、
レース前から終了までをまるで自身を参与観察するかのように客観視し、
その極限状態での思考を言語化している。
このようなレース時の思考を言語化した書籍を読むのは初めてで刺激的だった。