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神道について興味はあるのに、きちんと勉強したことがなかったなと思い
手始めに読んでみました。
神道は教祖、教典、教義の全てがないと改めて聞くと、
本当に他に比べて一風変わった宗教なのだなと思います。
神道の神様は人智を超えた力はあっても絶対的な存在ではないというのが
自分が好ましく感じるところなのですが
別の宗教の神も神の一部とする、他者を排斥しない寛容性があるというのも
なるほど、と思いました。
よく、クリスマスを祝いチャペルで結婚式をあげる癖に葬式は仏教、でも初詣は神社へ行く、日本人は節操がない
というような言われ方をすることに違和感を覚えていたのですが
キリスト教のように他の宗教を悪であり排除するべきものとしない
神道の寛容さが日本人にあるからだ、という説明の仕方の方が
非常にしっくりきます。
神頼みという言葉はありますが、そもそも神は畏敬の対象であり
神社は神の怒りを鎮める場として作られているというのも
特殊な点かもしれません。
だからこそ生活圏から離れた場所に鳥居や注連縄で結界を作って遠ざけて建立するというのが
文化的にも非常に興味深いです。
近世になって土地を離れる人が増え、
流入者の子孫が別の一族のく氏神を土地の神として敬うというのも面白いです。
仏教と神道が互いに影響しあいながら日本に定着してきたということがよくわかります。
神無月のエピソードで、
10月は一年で最も陰の気が強く、北西の出雲は天門という、忌むべき方角であり
陽の気を持つ神々が集まれば陰を陽に出来るから出雲に神様が集まるというのも
とても人間思いで人間味のある神様たちばかりで面白いです。
木が天に近いから神聖視していて、木に近いものが柱だから
神の単位も柱という話は知りませんでした。
自然を敬い共存しようとする日本人だからこそ、
厄神ももてなして祀るというのも興味深いところです。
もっと神道について勉強してみたいと改めて思いました。