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P129
経営において、情報を最も有しているのは中間管理職。
現場の一次情報もとれるし、経営の一次情報も取れるという恵まれたポジションにある。
P141 木村尚敬 「ダークサイド・スキル」
中庸な事業は、すぐに手をつけなかったからといって"即死"するわけでなはい。だから、優先順位は下がってしまい、それが積もり積もって収益力の低下につながってしまうのだ。そうした中庸な事業をきちんと議論のテーブルに載せて改革を進めていくには、情報を持っているミドルが動くことが大前提となる。経営トップには見えていないからだ。
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タイトルに書いてある通り、自衛隊の元幹部が書いた、戦略の本質を書いた本です。
この本に書かれている意思決定については、ビジネスの戦略も自衛隊の戦略も似たようなものと感じましたが、「戦略目標の統一」というものについては、なかなか考えさせられました。
ミッドウェー海戦の目的は、ミッドウェー島を攻略することで米空母を誘い出し撃滅することで、ミッドウェー攻略自体は陽動作戦でした。しかし作戦指令では「ミッドウェー島攻略」と「米空母の撃滅」の2つの戦略目的が同時に並んだものとなってしまい、後はご存知の通り、米空母機動部隊を発見したとき、航空攻撃帯が対陸上用爆弾を兵装していたため、対艦用魚雷に換装する判断に迷いが生じ、ほぼ無防備の状態で米軍の攻撃を受けてしまいます。
この時の米海軍の目的は非常にシンプルで「自軍空房を保全しつつ、敵空母の艦隊に打撃を与える。ミッドウェー基地の一時的喪失は構わない」という者で優先順位まで指示しています。
そのほかにも戦力の出し惜しみ、情報集の軽視などもありますが、とにかく目的の明確化が重要なことを教えてくれます。
現在の自衛隊には「情報担当」と呼ばれるスタッフが存在します。情報担当が指揮官に上げる情報というのは、「指揮官が何かを判断するため」という目的をもった情報です。つまり明確な目的、目標があるからこそ、目的を持った情報を提供できるのです。
情報を収集した上で戦略・作戦の決断をし、実行に移すこのサイクルをビジネスでのPDCAのように、情報(Information)、決心(Decision)、実行(Action)のIDAサイクルと呼んでます。
また自衛隊とは関係ないのですが、日本人の「他者依存性」についても言及しています。「人類みな兄弟」というフレーズは、自分たちにしか通用しない尺度に「他人も合わせてくれるはずだ」という甘えも存在していると著者は感じています。日本の政治家がワシントンを訪れると「日本はこんな脅威にさらされています」などという質問ばかりで、アメリカの国益を無視して、一方的に自国の国益を求める「甘えの構図」が見られるそうです。このようにハイコンテクスト文化(日本)とローコンテクスト文化(米国)の違いを説明しています。
その流れで、会田雄次氏が説いている「背後主義」(クマが襲って来た時、欧米の親は、相手に対して仁王立ちになるのに対して、日本の親は相手に背を向けて防御姿勢をとる)についても説明しています。欧米人は「危機」を自らの認識不足や準備不足によって発生するものと捉え、そこから得られた教訓をのちの「危機」に生かそうと考えます。一方で日本人は、それを運命論で処理し、諦念や忘却によって乗り越えようとする。欧米においては、平和や家庭は積極的に「つくるもの」「建設するもの」に対し、にほんでは、それすらもが「守るべきもの」になってしまう、と説いています。
これらの違いを欧米の一部の企業は認識しており、企業戦略を構築するときに文化人類学者の知見を取り入れているそうです。中東やアフリカなど、文化が全く異なる市場を開拓するなら、自らの「集合的無意識」(ハイコンテクスト)を相対化し、���地の人々が本当に必要とするものを理解しなければなりません。
そして最後に「休む」ことの重要性を説明しています。大震災の災害派遣のように、ご遺体の収容・搬送を伴う作業を長期間経験する現場では、「戦力回復センター」など、疲労、ストレスを取りリラックスするための休息が重要だと説明し、ビジネスの戦略ではその「戦力回復」が最も欠けているのではないかと説いています。
このようにビジネスの視点とは異なる戦略術を説いていますが、ビジネスに役立ちそうです。
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久しぶりに戦略系の本を読みましたが。
なかなか勉強になった内容です。
戦史からみえてくる、戦略というか
戦略を落としていく・実行していくための
戦術。
どのように相手を・課題を知るのか。情報をとって
整理する担当『情報担当』と『作戦担当』の
双璧の配置。
作戦の目的をシンプルに統一した一つの目的として
周知徹底すること。
戦略回復という戦略・戦術の大事さ
この3つはなかなか発見というか、再度認識できたと
思いました。
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もう少し生々しい体験に裏打ちされた戦略論あるいは戦略遂行のためのリーダーシップ論を期待しましたが、半分くらいは読書ガイドのような内容でやや拍子抜け。きっと折木良一さんの話を膨らませて書籍の形にしたゴーストライターの方の力量不足であろうと思いますが、そのようなちょっと残念な本。
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経済学で学べない戦略の本質とは?に惹かれて読んでみた。この中で特に記憶に残ったのが、休むことの重要性。確かに徹夜を続けた中での決定と十分に休養を取った中での判断では、どちらが良いかは明白。休むを3日とるという考え方にも説得力があった。
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給料上げるよりお休みを増やしたほうが効果的なんじゃ?と思った。
それにしても災害救助の部隊がしっかり管理されてて良かった。
メンタルズタズタにされなくてよかった。
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有名経営者たちがこぞって愛読する「孫子の兵法」や「君主論」。そもそも「経営戦略」とは軍事に関する「戦略」をベースにして応用されたというのは有名な話しです。
でも、いくら「経営戦略」の原点は「軍事戦略」にありと言って、孫子や君主論を読んだところでなかなか一般化しづらいのが正直なところではないでしょうか?
元自衛隊トップの著者が「そもそも軍事戦略とは?」「世界と日本の軍事事情の違いとは?」という話しから、「軍事戦略と経営戦略の類似点とは?」という視点を噛み砕いて説明している一冊。
日本の自衛隊は戦争には参加できないのですが、つねに万全の備えをするという意味では「守りの戦略」はとても大事。また「東日本大震災」のような有事の時の対応力こそ一番試されるとき。そんな具体的な事例からみる「戦略論」は結構面白い。
読み終わって直接書いてあるわけではないのですが「選択と集中」とか「意思決定プロセス」とかやはり大事なことは共通しているのでしょうね。
日本も「太平洋戦争(第二次世界大戦)」という大きな失敗からたくさんのことを学んでいるはずです。本来は「失敗」から学ぶべきことはたくさんあるにも関わらず、太平洋戦争の敗戦を分析して、考察している名著「失敗の本質」はだけと言っても過言ではありません。
でも、「失敗の本質」は正直ちょっと難しい。。。(僕はそう思います)という方は是非この本を手に取ってみてください。なるほどね!と思えると思います。
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大きな組織を動かすとか、その中で動くとか、そういう観点での発見を期待して読んだ。「経営において、情報を最も有しているのは中間管理職」だとか、「戦力を逐次投入するほど愚かな策はない」だとか、その辺また読み返そう。
読むのにちょっと間をあけすぎたので。。。
働きすぎかなぁという自分自身の意識からか、一番目に留まったのは戦力回復の話。遅れて発現する疲労とか、組織では常に誰かが疲れているものだと思ってフォーメーション組むべきとか。
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もっと実際に自衛隊で行なった事例が知りたい。
本の紹介が多いけど読んだことのあるものが多く意味なかった。
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戦略と戦術の重要性を過去の戦争史実を元にわかりやすく説明している。
戦力回復のための睡眠や3つの自信の重要性も凄く納得した。
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元統合本部幕僚長が語る、戦略論。自衛隊時代に考え抜いてきた戦略を一般の企業に当てはめて語ろうとする試み。ある程度は成功していると思うが、その前提となる話の充実度が半端ないので、企業への関連付けは蛇足だったかも。戦史の記述もボリュームあり、著者独自の解説も入っておりわかりやすいとともに、考えさせてくれる仕上がりになっている。IDA(情報、決断、行動)というフレームワークも興味深かった。
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一言で言ってひどい本。誰に向けての何の本なんだ?ミリタリーマニアに対してもビジネスマンに対しても、あまりに中途半端。たぶん折木氏が書いたのではないだろう。実際、前書きで自分は経営のプロではないと言っているのにビジネス書や経営者の発言の引用が妙に多く、それがいずれもしょぼい。戦史をひもとくのはいいが、「経営も同じである」と結論付けるのは、本人なら恥ずかしいと思うはず。言っちゃ悪いが職場の朝礼で天声人語を紹介するオッサンのウダ話以下の内容。この内容で「戦略の本質」というタイトルをつける編集者の厚顔さに呆れる。
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勝手に勘違いをしていた。題名に”経営学では学べない”と入っているので、軍事戦略など軍事ベースのビジネス経営の話だと思っていたのだ。
元統合幕僚長だけあって、ビジネスの話は枕詞程度で、ほとんど軍事戦略とか軍事組織の話だった。最初はキューバ危機とかミッドウェー海戦だとかの戦史をおさらいし、目的の重要性とかを確認するのだが、その辺りは目新しくはない。
この本では後半ほど読み応えがある。それは著者の体験に基づく主張だからかもしれない。ひとつは日本人特有の甘えの文化であり、相手がこうしてくれるだろうと勝手に期待してしまう性質があるとの指摘。もうひとつは、休むことによる戦力回復の重要性である。この二つが著者の言いたかったことだと思う。
確かに、ビジネスにも通用するに違いない。洞察力にあふれた指摘である。
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タイトルと内容に相違があり、その差分は自分の頭で整理して創造する必要がある。
ビジネスで戦略を考える上に必要な事で、普段の考えから抜け落ちるも、例えば(兵站や)休息など。これらに焦点を当てている事は普通の戦略本にはないものだった。
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ホフステッド指数を用いた国民性分析によると
最も「価値観」や「行動様式」が近いのが「ハンガリー」や「ポーランド」
「韓国」や「中国」は「ドイツ」や「フランス」より離れている
良い悪いではなく東欧諸国と近くて東アジアは遠い
事実として知っておくべき内容やと思います
日本人の「集合的無意識」は極めて特異と言われます。
モノに神々が宿ると考えるアミニズムは刷り込まれてるなあと思います。
日本で戦略論を考えるにはそういう視点が欠かせないんやなと思います。
自分も反省しなあかんなと思うのは
「戦力回復」視点がない
ということです。
戦略は「一発勝負」でないからこそ「戦力回復」が必要と言えます。
目の前で起こることに追われて「戦力回復」に目が向かないのは個人としても組織としても反省点やなと思います。