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私小説作家の新境地。苛烈なる「生」の小説集
その地には、二度と足を向けまいと思っていた。三十余年ぶりに生育の町を訪れた「私」。過去との再会と訣別を描く鮮烈なる表題作のほか、北町貫多の改悛の情とその後を語る「畜生の反省」等六篇の傑作小説集。
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単行本「痴者の食卓」を改題。
おおいにいつもの調子。
まさかの「タクシードライバー」的場面!
■人工降雨 @秋恵との頃。
■下水に流した感情 @秋恵との頃。
■夢魔去りぬ @執筆現在。
■痴者の食卓 @秋恵との頃。
■畜生の反省 @秋恵との頃。
■微笑崩壊 @秋恵との頃。
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作者の作品を読んでいる時、北町貫多の怒りの頂点を少なからず期待しながら読んでいる。その怒りの後の感情の移り変わりにも興味がある。私自身も癇癪持ちで怒りの後のむなしさをよく理解できる。北町貫多が怒り殴った後は読んでいてもむなしくなる。少し落ち込むがこの作者の作品をまた読みたいと思い読んでいる。興味深い作家さんである。
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同居女性にDVを繰り返す小心な男の日常。日本の近代文学のお家芸である私小説にあたるらしいのけど、じめっと陰湿な感じ。著者の日常が反映されているんだろうけど、ここまで心象を描いていながら、それでもDVやめられませんか、って思った。
同居女性の言動にムカついて暴力や怒号に走るんだけど、その発火点になる言動や男の心象がけっこう子細に書かれていて、なるほど、女性にそう言われたり、そうされると腹も立つよなあ、とは思う。でもだからって暴力に訴えちゃやっぱいかんよね。
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相変わらず面白い。
本作では主人公の理不尽な怒りがエスカレートして、頻繁にツバを吐いたりするのがすごい。
狂ってるー。
期待を裏切らないいつも通り感。
鍋を買って喧嘩とかせせこましくて面白いし、魚の一件は秋江が逃げてしまうことの暗示のようでおもわせぶりでよきよき。
主人公の他人を評する際の嫌な感じも楽しいし、せせこましい人間のくせに喧嘩の時の啖呵だけ立派なのも楽しいし、一切退屈しない。言葉への並々ならぬこだわりが、倦怠を拒絶する。読んでいるだけで快楽。