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現代日本版『34丁目の奇跡』。随所にオマージュが感じられます。
映画『今夜、ロマンス劇場で』の脚本家の本。
クリスマスに、炬燵で、家のテレビで、ドラマの特番で、見たいかも。
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【あらすじ】
百貨店のおもちゃ売場の販売員の伊吹は、社長から直々に「サンタクロースと結婚してみないか?」と告げられる。
門外極秘のサンタクロース家は、世界各国の百貨店やおもちゃ会社がクリスマス商戦で得た利益の3%を手中に収める。
結婚相手を探していたサンタクロース家第108代当主の明日真聖也は、愚図でニートで空気の読めない臆病者だった…。
案の定、伊吹との初顔合わせでひどい失敗をしてしまう聖也だったが、伊吹との出会いで、彼の中で何かが変わり始める。
伊吹は、聖也の無粋さに気分を害していたはずが、次第にその純粋で真っ直ぐなアプローチに惹かれていく…。
(ネタバレあり)
聖也の執事3人組がそれぞれキャラが立っていて面白い。
完璧執事で聖也を母親のように見守る戸中井、豪傑にみえてドジっ子けなげな曽利、仲間思いで感情表現豊かな神宮。
そしてこの3人から慕われている、ひょろひょろもやしで愚図でださくて空気読めなくてセンスがなくて口下手で世情に疎くてニートで臆病で泣き虫で弱虫でマザコンで人の気持ちを推し量るのが下手で奥手で女性のハンカチを嗅ぎまくる変態で30歳近いのにわがままで子供じみてるけど、他人のために泣くことができて、好きな人のために恥を捨てて一生懸命になれて、子どものため、「サンタクロース」の夢のために記者会見で怒ることができる、そんな素敵な聖也。
みんなみんな魅力的。
「僕はサンタクロースです! だから奇蹟を起こしてみせます! それでいつか、あなたに奇蹟を見せてあげますから!」
のシーン、聖也の強くて熱い思いが伝わってきて、目頭が熱くなったんだが、失神の翌日に執事たちに「ありゃ完全にホの字だったわけですよ」とか調子づいているのはいただけないw
あと聖也は途中から「愛情表現がストレートな子どもみたいな男性」ポジションになるんだが、最初の言動が奇行で意味不明すぎるせいで、「あの会話下手と奇行はどこにいった?」と違和感なんだがw
ところどころに目頭が熱くなるシーンがある。
特に最後の記者会見で、サンタを信じる子どもたちのために声を上げる姿、「サンタクロースは大切な人を幸せにしたいと願う真心」、そしてその後のお父さんの優しい笑顔はやばい。
疑問・批判としては、
・伊吹がずっと探していた絵本を得た経緯が、曽利の単独行動ってことにしたのはどうかと思う。
結局、聖也自身が見つけたわけじゃなくなっちゃうじゃん。聖也が苦悩して、苦労するから、伊吹に絵本を渡すシーンが引き立つのではないのか。
曽利が得るにしても、もうちょっと聖也が甘い誘惑に逡巡するシーンを入れないと、単に聖也は曽利が絵本見つけてくれてラッキー的な感じにしか思っていなかったことになるよね。
そもそもタイミング的に不自然に思わなかったのか?側近ともいうべき部下のことをきちんと見つめていないから、曽利の単独行動を見抜けなかったのではないか。
何のケアもしていなかったくせに「こんなこと許されるわけ―」て曽利に怒ってるのは器の小ささが際立って悲しい。
・人気俳優の不倫ネタは確か���マスコミ・世間は飛びつくだろうけど、世界中の百貨店、おもちゃ会社、メーカーのクリスマス商戦売り上げの3%という莫大な利益を秘密裏に得ていたサンタクロース家のニュースが、不倫ネタごときですぐに忘れられるわけないやろ。日本だけじゃなく、世界の大ニュースやぞ。
3%納付の法的拘束力という契約法・国際法的観点、クリスマスに関する商標・特許の観点、「サンタクロース」に関する歴史・民俗学の観点、税金どうなってたのかという税務の観点にとどまらず、国家レベルで秘密にされていた一家の存在とか物書きは創作意欲が溢れ、サンタ本が出まくりでめっちゃ盛り上がるだろ。
教科書に乗るレベルの大事件なのに、不倫ネタで1年も経たずに忘れ去られるとは到底あり得ない。
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やはり、脚本家は一味も二味も展開が違う。読者を引き込ませるコツをわきまえている。最新作が楽しみだ⭕️
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冒頭に出てくるサンタクロースと読み終わったあとのサンタクロース、同一人物なのに全く印象が違った。
人は変われる。
そして、周りにも影響を与えることができる。
誰かを想う気持ちは、変わりたいと努力するための大きな力になってくれるんだと感じた。
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サンタクロースは実在する。しかも7年間引きこもっている27歳の青年という設定。
そんなサンタは恋に落ちた。
最初は、ぶっ飛びキャラで空気の読めないサンタ。けれど、読み進めるうちに一生懸命で真っ直ぐな心で好きな人のために変わろうと行動する姿にサンタをどんどん好きになり、応援したくなってた。
この寒くなってきたクリスマスの時期にぴったりな少し可笑しくて暖かい素敵な物語でした!
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「夢は叶うかどうかが大事なんじゃない、大事なのは精一杯生きてくれること。 精一杯生きてうんと幸せになりなさい。」
夢に「終わり」は無いと思います。
だからこそ、常に前を向いて進んでいく気持ちが大切ですよね。
前を向いて進んでいくことで、どんな形であれその人の夢は何等かの形で叶っていくでしょう。
そう信じる勇気をくれる作品です。
戸中井さんの「名言集」ナイスチョイスでした。
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サンタクロースがベースのお話、この作家さん独特のほわ〜っとした感じで優しい物語です。寒い季節に読んだ方がより物語に寄り添えそうです。
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今夜ロマンス劇場を読んでとても面白かったので、手にとった一冊。聖也と戸中井、曽利、神宮ベル執事達との絡みが所々面白かった笑
伊吹の幼馴染小雪のお店『ユーレニッセ』で伊吹がいつも飲んでいるビール(シャポー・ウィンターグース)と小雪がかけた曲、広瀬香美の「幸せをつかみたい」が印象的だった。
最後まで読み終わった後に最初の聖也を改めて読むとツッコミたくなる程の変人ぶりに笑えてくる!
単純に読む時期間違えました。笑
ベストフレーズ!!
伊吹母が言った父の言葉
「夢が叶うかどうかが大事なんかじゃないよ。大事なのは、伊吹が精一杯生きてくれるかどうかなんだって」
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うーん、なんだろう…聖也くん、伊吹ちゃんにはいいやつだけど、身内へのあたりがキツすぎて、普通にろくでなしやん…て印象が拭えなかった。あの暴言聞いたら100年の恋も覚める。確かに曽利さんやらかしすぎだけどさ。
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泣けました。。無茶苦茶等身大のサンタ。というより、人としてどうなの?というレベルw最後まで立派な人ではないけど、頑張ったよね。脚本家の方の作品と知って納得。日本映画っぽいです。
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とっても素敵なお話でした。
一昔前のトレンディドラマ…とか少女マンガとか…何度か泣きそうになったし、たぶん、伝えたいこともストレートに伝わってきて、素敵なお話。
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2021/08/05
「桜のような僕の恋人」の印象が強かったので、そんな感じの話なのかなという固定観念を持ってしまっていましたが、フィクションと王道がバランスよく織り交ぜられたお話だったと思います。
サンタさんが実は…というところとか聖也さんの世間知らずでぶっ飛んでるところとか、伊吹さんの「現実でもこんな人いそうだわ〜」っていう感じが読んでてちょうど良く感じました。
聖也さんの家族、普通に嫌なやつばっかりだし、その辺りが、2人の恋のハードルになるところとかも王道っぽいけどその中に笑い要素もありました。
ドラマ化とか実写化したら面白そうです。
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不覚にもウルッとしてしまった。普通に不器用な2人のラブストーリー。なかなか良かったです。良かっただけに、(主に前半の)聖也と戸中井たちとのコミカルなやり取りがもうちょっと何とか出来なかったのかな、と。会話のテンポも悪いしおもんなかった;
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サンタクロースといえば、クリスマスに訪れる使者だ。
赤い服に白い髭、トナカイが引く橇に乗って、世界中の子供たちにプレゼントを届けて回る。ホーホッホッホーと容器に笑うおじいさんは幸せの象徴のような存在である。
このサンタクロースの血統は実は4世紀のミラノに遡り、何とその末裔が日本にこっそり「サンタクロース家」として存続している、というお話。
サンタクロース家は世界中の百貨店やおもちゃ会社、ゲームメーカーなどのクリスマスの売り上げの3%を受け取ることになっている。そうでないと商戦に「クリスマス」と銘打てなくなるのだ。古くからのしきたりで今更覆せないようだ。もちろん、そんなサンタクロース家は大富豪なわけだが、その分、世界で慈善事業などを秘密裏に行っている。
サンタクロースの称号は世襲制である。現当主には若干問題があった。数年前に新当主となった際、張り切り過ぎて詐欺に遭い、以来、引きこもりになっているのだ。父には一人前になるために、早く結婚しろと厳命されている。
その彼、明日真(あすま)・ニコラオス・聖也が恋をした。
相手は百貨店のおもちゃ売り場で働く阿部伊吹。20代後半。子供の頃にあった出来事で心に大きな傷を負っている。現職に就く前に、彼女は夢を1つ諦めている。小さい時に大好きだった、けれども今は手元にない絵本をずっと探している。
聖也は本当のところ、最初は伊吹にちょっと興味を持った程度だった。だが、ぎくしゃくした関係を続けていくうち、次第に本当に彼女に魅かれていく。
大富豪のサンタ家。聖也には戸中井・曽利・神宮ベルというベタな名前の執事たちが付いている。俺様キャラだが実はヘタレの聖也は彼らに威張り散らすけれども、彼らなしでは何事もできない。サンタ就任時のごたごたの影響でサンタの衣装すら着られずにいる。
何だかがちゃがちゃしたコミカルなシーンを挟みつつ、聖也と伊吹のぎくしゃくとした恋物語が展開される。
伊吹は、子供の頃の出来事と諦めた夢のために二重に心を閉ざしている。心を開くカギになるのが思い出の絵本なのだが、さて。
伊吹のために奔走する聖也は、やがて、逃げ続けてきた自身の過去とも向き合うことになる。
サンタクロースは「奇蹟」を起こす存在だという。
最後に2人に訪れる奇蹟は本当にささやかである。
伊吹と聖也が向かう「未来」の不確かさに若干心配になるけれど、おそらく、お互いへの思いやりがあれば、先へと進んでいけるのだろう。
身近なものの幸せを願う気持ちがサンタ伝説の神髄だとするならば、これはこれでありなのだろう。
夏のフェアの1冊だが、ホワイトクリスマス、イルミネーションの東京タワーと王道のクリスマスストーリー。暑さ払いとしては一興か。
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ファンタジーと現実を織り交ぜた、不器用な2人の恋物語。互いに支え合いながら成長していく姿に感動がとまらない。サンタの執事や伊吹の同僚など、周りのキャラクターも面白く良かった。心に響く言葉がいくつもあった。定期的に読み返したい。