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ドキドキしつつ読めた。
やたら二度目の原発事故や自衛隊の武力衝突が、物語の背景として出てきて、なんだか政治的な匂いがしなければ、なお面白い本だったのにな、と残念。
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脳の欠陥で恐怖心や共感力が欠落しているヤクザの及川。恐れを知らないから無茶をし、敵も罪も増えるばかり。そんな彼が自分の脳と向き合い、一人の少女と出会うことで生まれ変わって行きます。人間らしい魅力を発揮する彼を応援したくなるのと同時に、彼の罪が消えないことへの不安が募る、悲しい読書でした。ウィリアムズ症候群の梨帆は、せめて幸せになってほしい。及川や医療実験の被害者たちの分まで、その可能性の中で最大の幸福を享受してほしいと思いました。脳の不思議と怖さにも触れられる作品でした。
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表現がエグい。暴力はアカンわ。
どんな性質も不要ということはない。強く表現されたり弱く表現されたりして人の魅力というものを形成しているのかもしれない。となると、誰にでも探せばいいところのひとつやふたつはあるということよね。
嫌な面を見るのではなく、できるだけいいところを探すようにしてみよう。
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読み始めてすぐ、これが荻原浩さん?
思わず作者を見直した。
あの「愛しの座敷童」「ユニバーサル広告社シリーズ」の・・・?
重度のアル中、その上「ヒト」として存在するのに不可欠な「恐怖」の概念、そして「他者への共感」という能力が完全に欠落している主人公・及川頼也。
対立する組との抗争の火種となってしまった頼也は、若頭が手配したアル中治療プログラムへ身を隠す。
プログラムの進行と共に次第に変化して行く頼也の脳。
通院時に接触していた幼女・梨帆との再会。
同室になった無差別テロの生き残り・辻野や、妻と娘を失い幻覚に支配される堂上、プログラムを担当する女医・比企との関わりの中で取り戻して行く「人間」。
中盤からは一気に、夜中までかかって読み切った。
いっそのこと、最後は
ユキノとリホと三人でバースデーケーキを囲んでくれれば良かった
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201806
脳の欠陥で恐怖心を感じないアル中 ヤクザの及川。身を隠す場所として入院した研究所。実は脳の研究のための人体実験の場所だった。少しづつ変わっていく及川。
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とりあえず恐怖を知らないヤクザって絶対近づきたくないよなと思った。怖さを知らないことでどんなに暴力を振るっても何の罪悪感もないという反社会性パーソナリティ障害を持ったヤクザ。ある事情から治療プログラムを受けるべく病院に入院することになるのだが、少しずつ恐怖を感じるようになったり同じく入院をしている子供を可愛がるようになったり個性的な入院患者も登場して、だんだん人間味が出てくるところはテンポも良く面白かった。ヤクザと子供という多少ありがちな話にもなったが、たぶん賛否あると思うラストには何となく「因果応報」という言葉が浮かんだ。
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ぐいぐい読み進めていきながらも、え? 『明日の記憶』や『海の見える理髪店』と同じ作者なの? と。
共感はできなかったはずの主人公に、心が引き寄せられていく。
堪能した。
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荻原浩さんのこれまでの作品とは全く異なる作風で面食らったけど、これはこれで興味深く読むことが出来た。
反社会性パーソナリティ障害でアル中でヤクザというどうしようもない及川を最後には応援する気持ちになっていた。
ウィリアムズ症候群の少女、梨帆が切ない。
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カテゴリ迷うけど、ある意味“二度目のメルトダウンが起こった世界×狂博士 ということでSFかなー。主人公も壮絶な虐待を受けて育ったヤクザで、荻原作品にしては笑える要素がとても少なめなやつなんだけど、すごく現実的に、身につまされる一面がある。
及川の脳障害は後天的なものなのかな。そして桐嶋は先天的?なんにせよ、親にすら守られずに愛を知らずに育ったら誰だってその理不尽を埋めようとする生き方になってしまうかもしれないし、及川はすでに犯罪者でもあるから決してヒーロー視はできないんだけど、リホと出会ったことで、いちどでも愛のある目を注がれたことが、救われる。この研究施設は狂ってるけど、及川に限って言えば、この実験に関わったことが、人生にすこし光を射したきがする。「ずっと?」のひとことに号泣。辻野くんはうまくやってくれたかな。
ウイリアムズ症候群やウルバッハ・ビーテ病、知らなかった脳障害についてもあたらしい勉強になったけども、医学的に脳になんの問題がなくても、だれだって愛されたくて認められたくて、「これで褒めてもらえるなら」「この試合に勝てるなら」「これを守るためなら」という幻覚かつ目先の使命感でもって、俯瞰すればどこか間違っているとわかっていても、自分の尺度だけの目先の任務を遂行してしまったりする。そういうのいまの日本に蔓延してる。いや、いまだけでなく、侍文化だったころなんてもっとかな。
“なんのためにうまれて なにをしていきるのか”
もしこれが映画化されるなら、エンディングテーマはアンパンマンマーチにしてほしい。物語終盤は読みながらずっと頭のなかで流れてた。あの歌詞の世界観を日本を舞台に大人がハードに描いてみた作品、というかんじです。オススメ。
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112変わったハードボイルド。人間って変われるんだ。勝って山を降りてほしい。一緒にケーキ食べるところを読みたい。続編期待!
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この作家のものは好きな本が何冊かあるので期待して読んだが、ちょっとがっかり。
まず、なんだかどうしても登場人物、やり取り、設定にリアリティーを感じられず。主人公はまあ良いとして、子供とのかかわりとか、入院患者達とか、先生達とか。加えて、原発とかLGBTとか、時事ネタも少し盛り込みすぎではないか?それ故に中途半端な内容になってしまっている気がする。
純粋に、海馬に障害があり恐怖を感じない人がいる、という事にフォーカスを当てた小説として、それに萩原色を加えるだけにしておけば、もっと良いものになったのでは、と僭越ながら感じてしまった。もう一つケチをつけるとしたら、終わり方。それってないじゃないの・・アイディア切れ?とびっくりした。
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最近堪え性が無いのか…なかなか物語の「転」が待ちきれないのか、その前の仕込作業にて。
2018/9/12挫折
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現代版「カッコーの巣の上で」。
30数年間生きて、やっと諦めずに未来に期待できるようになった主人公。
どうか、その期待は実現するんだということを生きているうちに実感してほしいと、最後はほとんど祈りながら読了。
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だらだらした正月にだらだら読んだせいか、入り込めないまま流し読み。
及川とりほとのからみや、子ども時代の虐待の場面は辛かった。
人格形成が間違ってしまったとしても、これでは仕方ないと思えるほどに。
でも、誰もが後天的に悪人になるわけでもなく、逆になぜあの人が?的な悪人もいる。
科学的解釈の本ではないので、結末が微妙だけど、希望はもてた。
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余りの残虐シーンに作家さん間違えたかと思っちゃいました。でもやっぱり荻原浩さんだし、きっとこの暴力シーンも後の内容を深くするために必要なんだろうって、きっとそのうち面白くなると思って頑張って読み進めました。
やっぱりでした!
途中から先が気になって一気読みでした。
スピード感とスリル感は映画のようで、映像化したら誰が演るのかな~とか思ってしまいました。
途中、この人はワルだとか、この人好い人だとか思って読んでました。当たったのも多いけど、潜伏していた鉄砲玉が脇役だと思っていたコイツだったとは~!(多分普通は怪しいと思ってますよね)
だけど荻原センセイここで終わりですか~!?
りほちゃんはママのに会えたのかも心配だし。辻野くん大丈夫かな?って。堂上さんも心配だし。
無事に生還してりほちゃんとママと幸せになって欲しいです。