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恐怖心や共感力を持たないヤクザが
治療とひとりの少女との出逢いで変わってゆく。
好きなんだけど切ないギリギリのライン。
映像化されそうだけど、観るのは怖いな。
堂上は是非小手さんで。なぜか登場からずっと脳内キャスティングされちゃった。
[図書館・初読・4月19日読了]
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人を殺すことだって何とも思わないヤクザの及川は、ある日カシラから「病院へ行け」と命令され、そこで受けた検査で「反社会性パーソンナリティ障害」と診断される。
ちょうどその頃、対立する暴力団との抗争で命を狙われるようになったことから、病院での治療プログラムに参加し、身を隠すことにしたが…。
新薬開発の治験がらみのお話なんだけど、怖い者知らずのヤクザさんが胡散臭い治験を受ける…となるといろいろと大騒ぎになるわけで。
自分の仲間からも“とかげのしっぽ切り”をされた及川が、治療の甲斐があったのか良心のかけらを獲得し、病院やヤクザと渡り合う。
スピード感もあり、結末も、中途半端なのがかえって良かったと思う。
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サイコパスが共感性を得ていく近未来小説。
ブラック荻原でした。
サイコパスのやくざが治療されていくシーンはユーモラスなところもあり、いつもの荻原さんのようにギャグになっていくのかと思いきや、シリアスな展開に久しぶりのブラック荻原が炸裂していました。
恐怖のコントロールということで、原発テロや自衛隊の海外参戦などを盛り込むため、近未来設定にしていたと思いますが、現代を舞台とした方がよりリアル感があったかも。
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ヤクザが近未来の中で、権力の怖さをエンターテイメントにした小説で、なかなか面白かった。
登場人物の性格に生い立ちを絡ませる説明に妙に納得してしまう。だけど、この作者がヤクザの世界をここまで知っているのは何故?
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20191001
脳の異常から反社会性パーソナリティーと診断されたヤクザの及川。怖いものはなく、かっとなっては過剰な暴力をふるい、良心がないと言われた及川が、恐怖や良心を手にいれるための治療を受けることになる。
治療の方法としてどのくらい科学的な根拠があるのかよくわからないが、障害を持つ少女との出会いで変わるっていうのは、テンプレ過ぎるというか、ちょっとできすぎというか。でも(主人公サイドは)なんだかんだで皆いい人なので、やっぱり読んでいて気持ちがよい。
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荻原作品に出てくるヤクザさんて、実は結構いい人が多かったりするので今回もそうなんだろうと思ってたら……暴力シーンの描写が結構ハードでした(-_-;) ”脳は変われる”もテーマ?なので、反社会性パーソナリティー障害の主人公が難病の梨帆と関わることで徐々に変わっていくのは分かるんだけど……にしては変化が急すぎやしませんか?とは思った。しかもあそこで終わっちゃうとは……まさか続編なんてないだろう、な?(^_^;)
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ひとことで言うと
やめられない 止まらない!
ヤクザの中でもとんでもない極悪な 頼也が
アル中の治療という事で 今までと違う人と出会い
善悪が混在している社会の中で 何かを見つけいく
やめられない止まらない1冊
おすすめ!
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二度目の原発事故でどん底に落ちた社会――。
三年前に懲役を終えたばかりの及川頼也は、若頭に「アル中を治せ」と命じられ、とある大学病院の精神科を訪れる。
検査によると、及川の脳には「良心がない」のだという。
医者らを拒絶する及川だが、ウィリアムズ症候群の少女が懐くようになり……。
人間の脳は変われるのか。ハードボイルドの筆致で描く、脳科学サスペンス!
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海馬や脳の働きについても興味深く読めた。ストーリーは残酷な描写もあるが、読みやすいと思う。
一気に読み終えました!
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2020.11 荻原さんの主人公はどこか諦め感のある人が多いですね。ラストシーンはまぁこういうふうにしか終われないかな…
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暴力団の構成員で、恐怖というものを感じない及川頼也は、アルコールの摂りすぎということもあり、無用な暴力は避けろという方針のカシラの意に逆らい、敵対する組の人間を痛めつけてしまう。そのため、アルコール依存症の治療もでき、身を隠すのにももってこいだと紹介された脳科学研究所に身を寄せることになる。そこでは及川のように反社会性パーソナリティ障害と診断された者もいれば、何かの恐怖症を患っているもの、恐怖という概念すらないような幼い少女もいた。
前半はとにかくどうしようもないワルだった及川が、少女・リホと出会い、そして治療の成果(実際には研究材料にされていたのだが)によってどんどん変わっていく様子に、ついつい応援する気持ちで読んでしまった。最後は本当に切ない。今までやってきたことからすれば、まずそんな平穏な暮らしは望めないのだけれど、なんとか温情を、と思ってしまう。
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冒頭からバイオレンスな展開でちょっと心挫けそうになった。それでもやっぱり最後は荻原節でグイグイ引き付けてくる。人の痛みや恐怖が分からない主人公が少女と出会い人間らしくなっていく。脳科学では解明できない心の奥隅にある感情なのかな。