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買ってから積ん読状態だったが3年越しに読了。作家の頭の中はどうなっているのか不思議に思うぐらい、ここまで複雑に考えられるのかと感服。大仰な感じではあるが、それぞれのキャラクターも魅力的で、続編も読みたいリストに入れる。
10数年前に起きた新興宗教の集団自殺(というよりも虐殺)に伴い、生き残った少女の記憶から「奇蹟」が起きたのかを探偵が証明した。しかし、元検察官でライバル的な過去があったとおぼしき老人、相棒的位置のフーリンの暗黒社会の元仲間、探偵の元弟子である小学6年生、、、彼らに加えて最後の敵が次々にその証明を崩そうと挑んでくる。買ったと思われたその結末は、探偵自らの敗北宣言だったが、、、。
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帯に惹かれて手に取ってみました。
個人的にはふぅん、という感じ。肝心の探偵の前に出しゃばるラフーリン?とかの台詞が長い。全体として会話が長いので(まあ検証するためだろうけど)その辺りはちょっとダレました。
作者は中国の文学か語学でも先行してたんだろうか?という中国語の多さと文章の堅さが読みにくかったです。あと、唐突に出てくる対戦相手とか。
どうせ奇跡ではないだろうな~と冷めた感じで読んでいたので最後コレ、ホント奇跡認定されちゃったらどうしよう?と思ったら綺麗にオチが付きました。個人的には探偵が依頼人の素性を知ったうえで隠していたのかと思ったんだけどそうでも無かった。
シリーズ物なんですね~ 西王母のキャラが結構好きだったので機会があれば読んでみようかな。
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頭と容姿が取り柄の生活破綻探偵「ウエオロ」
彼のもとに依頼が舞い込む
「わたしは殺人を犯したのでしょうか」
依頼人は幼い頃ある宗教団体の村に住んでいた。
彼女に残るのは痩せた土地、無表情な母親、村の家畜が産んだ仔豚。そして自分を抱きかかえ運ぶ首なし聖人となった兄とも慕う少年の優しい声。
ウエオロと彼のパトロン(=債権者?)フーリンのコンビに挑むのは、元検事の大門翁にブラックチャイナの美しき女王リーシー、元弟子の天才少年八星。
彼らの持ち込む仮説をすべて反証で崩せた暁にはこの事案は
「奇蹟」と呼べるはずだ-。
おおまかにいえばこういうお話。
設定が凝りまくり。登場人物が装飾的。
一種のアームチェアディテクティヴ物というのでしょうか。
与えられたヒントのみで挑戦者は齟齬のない仮説をたてる。それを探偵は同じヒントのみで論理的に崩す。
ロジカルなやりとりがお好きな方にはよいと思います。
軽い蘊蓄が散りばめられていて「知識豊富な方が書いたのだなぁ」と感じます。
個人的に残念な点は「この作品から読み始めると登場人物に魅力を感じない」こと。(シリーズのようなのです)
容姿端麗でいわくつきの過去(現在)を持つ人々が、それを匂わせる思考の末に発する言葉は「なんかカッコイイ」のにそれが魅力的にうつらない。
大仰な舞台装置にヒいてしまう。
込み入ったトリックは計画的にされるものだと思っておりまして、「予期せぬこと」が起こった時点でもはや成立しえない。そのときにとった咄嗟の行動がさらなる謎を生むこともあり得ますが、確率は低い。ゼロではないけど。
そう思ったらお話に入り込めませんでした。
といえどもこのお話はこれで成立する。
主眼は真実を暴くことではなく、「ありえる」ことを「絶対にありえない」と言えればそれでいい。
趣向は理解しているつもりなのですが。
斬新なつくりで面白い筋立てだけれど、個人的にはハマりませんでした。
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金田一少年と名探偵コナンを足して2で割ったような感じ
下手に話を大きくしないで書いた方が面白かったのでないだろうか。
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山奥で暮らすの宗教団体の集団自殺事件で、唯一生き残った少女は首を落とされた少年に助けられたという。
少女はしかし、少年を殺したのは自分ではないかという怖ろしいに可能性に囚われ、探偵事務所の扉を叩く。
奇蹟を求める探偵と、彼を阻む人々との推理合戦という形で、あらゆる推理を捩じ伏せる探偵が、最後は結局自身の手で人為的な物だと結論づける物悲しいラスト。
結末が、可能性に過ぎないところが個人的にスッキリしない。
始めから人為的な可能性を廃することで奇蹟を…とは言っていたからアレだが。
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その可能性はすでに考えた。
なんて魅力的なタイトルであろう。
とある摩訶不思議な事象に対し、様々な仮説を尽く反証してみせる。そう、その可能性は、すでに考えていたのだ。
ところがどっこいな結末だが、とても面白く楽しめた。
ただ一つ言いたいことがあるとすれば、なぜ第51回メフィスト賞受賞作であるデビュー作を先に文庫化しないのか、ということである。
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過去に起きた事件の真相について、限られた記録と生存者の記憶を元に、あらゆる可能性を列挙する。
その状況自体有り得ない、という思いが先立つ……。が、推理合戦、ゲームと割り切れば面白い。次々と仮説が繰り広げられ否定されていく展開には、舞台を見ているような気分になった。
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面白い。毒入りチョコレートやプリズムを連想させるけれど、エンタメ度が圧倒的。ドラマ化とかしたらうけそう。
解説に「知的遊戯」という言葉があって笑う。やってることは壮大な揚げ足取りだし、主人公はインテリ設定だけど、読者はインテリぶるだけで大丈夫だし、これは漫画だ。漫画(褒めてる)。
キャラクター設定も漫画っぽく、オタクっぽい。闇の世界で生きてる!って主張が中二病ですねーって流したくなるくらいヒロインがアホかわいい。すき。
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『そもそも人間など、神に見捨てられて当然の糟粕だ。この血と暴虐、私利私欲、自己保身と他者への無関心で綴られた、人類史の残虐滑稽絵巻を見てみろ。誰も人間を上等な生物などとは思うまい。
むしろ怒りを覚えるなら、神の気まぐれな恩寵のほうー見捨てるなら等しく見捨てよと思う。線を引いた右側で幸せな家族の団欒の明かりが点り、左側で不幸と苦痛と慟哭が飛び交うこの世界の有り様は、何とも歪で滑稽だ。美しき調和のとれた自然を造った創造主が、なぜこんな人間社会の不調和だけを放置するのか。』
素晴らしい!ロジックの可能性をとことん突き詰めた作品。
隔離された山村、密室、首斬り、超常現象、新興宗教、名探偵、推理合戦、最高の組み合わせで奇想天外なストーリー。よく出来ているし、最後はあくまでフェア。
いい作品に出会えたなぁ〜。
ほかの作品も読みたい!
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真面目なんだかふざけてるんだかw。結局残った者は真相が分からずモヤモヤしながらも精一杯生きて行かねばならないんだろう。この主人公の探偵って日本人設定なの?オッドアイとかビジュアルが日本人離れしてるんだが。怪しげな中国人美女とか枢機卿とか出て、いったい日本で何したいのかな?
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今月の2冊目。今年の4冊目。
久し振りにガーッと読みました。そう言えばこんな感じのミステリーないなという感じですね。最初から最後まで面白かったです。けど、この調子でシリーズ化するのは難しいかなーといらんことを思いました。
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「本格ミステリにまだこんな発想があったのか」
帯に書かれたこの謳い文句に興味を惹かれて読み始めて見ましたが、最初は「伝奇ミステリじゃないか、これ」という印象。登場人物や事件現場(?)の環境などが現実離れしているため、そんな風に思ってしまいました。
しかし読み進めていくと、そうした設定は非現実的なものですが、謎解きに関しては論理的な推理になっているように感じられます。これは確かに本格ミステリと呼んで差し支えなさそう。
これまで本格ミステリと聞くと、現実的な世界観と設定が基になっているという先入観がありました。けれど極端な話、舞台設定がたとえ異世界だったとしても、その世界のルール・理に則ってロジカルな推理が成立するなら本格ミステリになるのかも、ということに本作は気づかせてくれたような気がします。
キャラクター設定はちょっと造りすぎ感があるというか、ビジュアルや言動が大仰すぎるきらいはありますが、良い意味でインパクトがあって記憶に残ります。主人公・上苙丞の「奇蹟の証明」が達成される日はくるのか。姚扶琳との関係はどうなる? カヴァリエーレとの対決は?
登場人物に関わる未解決の事柄がいくつも残っているので、続編である「聖女の毒杯」もいずれ読んでみたいです。
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話題性があったのかな、、ひとまず読んでみようと手にとってみたのですが、読み進めるのが苦痛・・退屈・・
文章自体に魅力がないのかなぁ・・。
途中で他の小説に手を出して読んだら、やっぱり文章力(表現力?)の違いが歴然で、とってもつまらない平凡な出来事でも、文章がうまい人は読ませるものになると思うのですが、この方は、ミステリ作家としてのメソッドは評価されているのかもしれませんが(それも私にはわからないです)、読めたものではないな、、、と思いました。
せっかく買ったんだから!・・と(ケチかよ)流し読みでひとまず最後まで読みましたが、二度と読まないと思います。
ごめんなさい。
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めちゃくちゃ頭を使うため、メモ取りながらこちらもシミュレーションしながらでないと話についていけない。
時間やタスクに余裕のあるときにしか読めない。
久々に読み進めるのが億劫な作品だった。
多分文章の相性が合わなかった。
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玄人受けするの良く分かる作品。
多重解決モノを読んでみたくて、評判の良い本作品が文庫になっていたので手に取った。
10年前に起こった新興宗教の集団自殺(というか無理心中)でただ一人生き残った当時の少女が、探偵に真実を知りたいと依頼に来るところから物語は始まる。
果たして、少女を助けた少年が首を斬られて死んでいたのは少女の犯行か、それとも首なしの少年が少女を集団自決の現場から助け出すという奇蹟が起こったのか。
奇蹟の存在を信じる探偵がこれを奇蹟だとするレポートを完成させた刹那、殺人の可能性を示唆する「敵」が現れ、推理合戦が始まる。
地の文章で読ませる類いの作品ではなく、展開で引っ張っていくタイプ。
殺人の可能性を探偵が論破して否定すると、すぐ次の敵が現れて新たな可能性を提示して…という勝負が、コメディっぽいノリで都合4回行われる。
なんというか、確かに発想が斬新で、それぞれの推理も非常に論理的で、一気に最後まで読んでしまったけど。
結局10年前に起こった事件だから確かめようがなく、机上の空論に机上の空論で応酬してゆく展開を、読者は傍観するしかないというか。
玄人は好きそう。とくに同業者は。
登場人物はみな地頭(じあたま)が良く、ひいては作者の地頭の良さはひしひし伝わった。
推理合戦は読ませたけど、物語としての世界観には充分に浸らせてもらえなかった気分。青髪のイケメンとか、ふくよかで美人のヤバイ中国女とか、キャラは立ってただけに残念。
もう一度読みたいという気持ちにはならなかったな。
まぁ続編も読んじゃうんだろうけど。
可能性を否定して否定して、最後に残った限りなく真実に近いであろう可能性が、ドウニ少年の優しさを炙り出してくれて、この凄惨な事件に一筋の光明を見せてくれた感じ。
少年も生きてて欲しかった…