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伊能忠敬が全国を歩測しに地図を作ったことは知っていたが、改めて彼の暦学に対する情熱を知った気がする。
生涯の師となる天文学者・高橋至時との出会いなど、とても興味深く読めた。
このまま大河ドラマにとなると思って、ググってみたら、伊能忠敬を題材にという動きはあるものの、今だ実現には至っていないよう。確かに現代に歩測する風景をロケするのは難しいだろうが、本著のような切り方ならば、ドラマ化も可能かもしれない。
改めて、コンピューターなどなかった時代に、真理を求める熱量に感服する。
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あの、伊能忠敬の日本地図ができるまでのあれやこれやの物語、と思いきや、実は壮大なテーマがあり、グイグイ引き込まれてながら読了できた。伊能忠敬は天文学を修めることを目指していたとか、暦への国としての取り組みとか、日本地図はその付属的に手がけたものだったのがいつしか…とまぁ、そこにひと筋縄ではいかない師弟の絆やら、幕府内の軋轢などが絡んで、読者の知識欲も満たしつつ、問題を解決していく。読んで損なし。
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2019.6 井上ひさしの百万歩の男とは調子は違うが、心に響くいい小説だった。一身二生、初めて見る言葉。50代後半の私の胸に刻んでおきたい。
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伊能忠敬の生涯。地図のための測量に出発したのが56歳という恐るべき年齢であった事が驚きてある。地方を束ねる豪農の名主として、暦学の夢をいったん脇に置き、伊能忠敬なしに村の仕置きはなるまあとまでに精進する。
伊能忠敬は、隠居してから、夢である暦学を志し、正確な日本総図を隠居後に仕上げてしまう。
まさに、一身ニ生。人は情熱あれば、いつからでも成し遂げる事ができるのだ。遅すぎるという事はない。