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初めて猪熊さんを知ったのは、香川県のMIMOKAの紹介記事でした。美術館の紹介記事に添えられた、猪熊さんが描いた愛らしい猫の絵に猫好きな私は引き込まれてしまいました。
そして念願の猪熊さんの展覧会を渋谷で観る事が出来、
迷わずこの本を購入。
本を読み進めていると、猪熊さんの人や猫、物に対する深い愛情と優しい気持ちを感じ涙が溢れて来ました。
猪熊さんご自身で
自分は何でも受け入れる人‥と、仰っています。
与えられた場所で、抗う事なく
全てを受け入れたからこそ
自身の作品が芸術家として目指す境地へと
昇華して行ったのでしょうか。
そして愛情深い人柄から、多くの芸術家、建築家、
著名人の方々に愛された様子が、
収録されている
〝画家のおもちゃ箱”からも伺い知る事が出来ます。
画家というと、自分を表現するために苦悩し
自分を追い込んで行く‥というイメージがありましたが
猪熊さんからはそういう暗い印象は受けません。
もちろんご自身の目指す絵が描けず
悩み苦しみますが、
持ち前の前向きな考え方から
絵のスタイルを変化させて行きます。
この本を読む事で猪熊さんの人、物、芸術への愛情
生き方、考え方など様々な事を学べる
とても素敵な1冊です。
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猪熊さんはパリでマティスに、「きみの絵はうますぎる」って言われ、自分の絵を描かなければと悩む。なのに、マティスが好きすぎてそっくりの絵になっちゃっていたんだなあ。アンビバレント。
はっとした言葉はこれ。やっぱり芸術と医療が目指すところは同じなのだ。稲葉俊郎さんが書いておられた通り。猪熊さんも同じことをおっしゃっている! と興奮してしまった。
(P157)
優れた芸術作品を自由に好きなだけ見ることで、不思議と生き返ったような心持ちになれる。美しいものを見ると、心が元気になる。そして、知らず知らずのうちに自分自身の不安や悩みさえさっぱりと洗い流してしまえる。美術館には、そんな街の教会のような力があると猪熊さんは信じました。
猪熊さんが残した、「美術館は心の病院」という言葉。MIMOCAをひとことで表す重要なコンセプトとして、今も館長室に飾られ続けています。
これも良い言葉。こちらは柳宗悦さんのおっしゃる民藝の考え方と同じ。
(P165)
外面だけが美しいもの、反対に内面だけが美しいものを猪熊さんは信じませんでした。形が美しいものは中身も美しく、外面と内面は正比例している。速く走る競走馬は見た目が美しい。スピードの出る汽車やよく飛ぶ飛行機は美しい形をしている。優秀な水泳選手の身体は均整が取れている……。外面と内面が響き合うことによってさらに輝きを増す美しさを、何よりも猪熊さんは愛しました。
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いいものは おもしろい
いいものは おもしろくなくては
いいものは おきがるなもの
いいものは すぐそばにある
いいものは ここちよい
いいものは いいきぶん
いいものは いい、生き方
よんでいる あいだ
こころが よろこんでいます
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初めてMIMOCAを訪れた時不思議な美術館だなと思いました。猪熊氏の持つ雰囲気がそうさせていたのかとこの本を読んで思いました。またMIMOCA に行ってみたいです。
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素敵な本です。
もっていたい本です。
猪熊さん(猪熊弦一郎 氏)の眼差しが手に取るように感じられる本...
そこに綴られている ことば も素敵です。
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母が読んでいた雑誌「ミセス」の「現代玉手箱」という連載で、#猪熊弦一郎 さんを知りました。だから、絵よりも先に、いのくまさんの審美眼や美意識を知ったのでした。美術館やギャラリーにだけ、美しいものがあるわけではないよ。ちゃんと、そういう眼を持っていれば、美しいものは、あちこちで見つけられるよ、ほら。という連載でした。
いのくまさんの歩んできた道を振り返り、連載の抜粋を読むという、たからもののような一冊。
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MIMOCAに行って猪熊弦一郎さんを知りました。伝記的な本で、彼のあらゆるところに美や面白さを見出す眼差しや好奇心にあふらた人柄が見えてきます。