紙の本
これがグローバルスタンダードというものなんだろう
2020/05/01 14:47
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投稿者:しおかぜ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、大変「危険な」本である。データに基づき、現実を冷徹に見つめた事実に基づく分析と結論が続く。
一言で言ってしまえば、出世するための条件、あるいは出世することと関連して、演歌的な浪花節、あるいは「寅さん」的な人情味あふれる話はまったくない。フェファー教授らしい文章が続くが、著者は、それが悪いことだとは言っていない。現実的ではないと言っているだけだ。
しかし、思えば、この「冷たい感じ」こそが、グローバルスタンダードなんだろうと改めて思う。
著者は、自己啓発的なリーダーシップ教育を有害だと断言している。その被害者の話が次から次に登場する。そして、私たちは何をすべきかを問いかけてくる。どれもこれも、よく考えれば、当たり前のことしか書かれていない。しかし、それが新鮮に感じるのは、著者が批判するリーダーシップ教育に毒されているからなのだと納得させられた。
理想のリーダー像を他者に追い求めるのはやめよう。しかし、自分自身は、そういう理想のリーダーになりたいし、そうでありながら出世する人(この本のメインストリームには反するが)でありたいとも強く思う。
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「皮肉屋」フェファーの真骨頂。
今までのリーダーシップ論がむなしく感じる。
どう乗り越えていくかが、経営学者の課題だ。
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著者の痛烈で冷淡な現実直視な描写は気持ちよかった。様々な視点からリーダーシップ教育を振り返っているが、中でも印象に残った視点は2つ。・人はあまりにも辛い現地を事実として捉えるのを避ける傾向がある。 ・崇高なビジョンに導かれるリーダーは時に冷酷な判断、行動も躊躇なく行うものであり、それが必要である。
いずれも、自身の頭で何となくそうなのかなと感じていたものを、ズバリ言い切った著者、その徹底したリアリストは、理想からの目覚めを与えてくれた。
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期待外れであった。
結局何を言いたいのかよくわからない。リーダーシップ研修は嘘ばっかりなので、信じてはいけない。現実のリーダーには、研修で語らられるような人物はいない、ということを肝に銘じなさい、ということか。
先日読んだ、ダークサイドスキルのほうが、ミドルマネジメントがどう行動していくのがよいか、ということがめいかくに書いてあった。
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タイトルが安っぽいので誤解しそうになるが、本著が言いたいのは、世のリーダーシップ論とリーダーの実態の違い。リーダーとは謙虚であるべきとか人格者でなければならないとか、教科書的にはそうなのだが、実際のリーダーは違う。リーダーに多いタイプは、ナルシストだという。
しかし我々はそのようなリーダーにも幻想を抱きながら、ついていこうとするバイアスを持っている。警鐘とまでは言わぬが、現実を見ろ!と本著は言う。
さて、統計的にリーダーの性格が暴かれた事で我々は何ができるのか。そこまでは書かれない。恐らく。人を信用し過ぎず、個人の組織内での政治的な力を蓄えるべきという事、と私は解釈する。
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信頼しすぎると損をする。
ほとんどの状況で、そして大方の人間関係のおいては、あまり信頼しすぎず、ほどほどに疑ってかかるほうが賢明である。
金銭的損害を被ったり出世競争で出し抜かれたりしたことのあるだまされやすい人は、なおさらだ。
過去に注目しなさい。
その人の将来の行動を最もよく表しているのは、過去の行動である。
契約違反を犯した人、知的財産権を侵害した人、パートナーを訴えたり会社から追放したりした人、約束を破った人、
あっさり転職したことのある人は、またやる可能性が高い。
自分の身は自分で守れ
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現実のリーダーと理想のリーダーとの違いや、なぜ悪いリーダーが蔓延るのか?どうして謙虚なリーダーは少ないのか?など、現在のCEOや政治家などリーダーの地位についている人の特徴を皮肉を交えて伝えてくれる。
感想としては、そういったリーダーたちから自分を守る為の実践的なアドバイスがもう少し多ければ良かったと思う。
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途中まで何が言いたいのかわからなかった。
1章から6章までひたすら、今のリーダーシップ教育はダメだ!と言い続ける。「ダメなのは分かったけど、結局どうすればいいの?」は最後の最後7章と8章に書かれているのみ。よっぽど暇な人以外は、6章までは飛ばし読み(太字の箇所だけ読めば、大体の内容はわかる)、7章8章だけゆっくり読めばいいと思う。
内容をまとめると、「理想と現実は全く違うから、自分の頭で考えて自分の利益を守って生きていこう」と言ったところか。
ただ、「どうすればいいの?」に答えてくれる本ではないので、時間をかけて読むのはお勧めしない。「会社ってこういう仕組みなんだ」と事実を見るための本だと思う。
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全てのリーダー啓発本は捨ててこれだけ読めば良いのでは無いだろうか。タイトルが煽動的ではあるがスタンフォードの教授のファクトフルネス
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事実に基づくリーダー論。
謙虚さ/自分らしさ/誠実さ/信頼/思いやりを持ったまま出世は出来ない。
現代の君主論。
リーダーシップ教育産業は現実的ではなく、根拠のない感動や高揚感を一時的に与えるだけ。
自分の身は自分で守り、リーダー論の真実に耐える事が大事。
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大事なことは下記3つ。
・自分らしさなんていらない。勝つことだけを考える。
・勝つためには、当初は不快なことであっても、反感を買うようなことであっても、行う。
・怨恨や復讐心を抱き続けるのは、相手よりも当人にとって不幸である。
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自分が持っていた「公平世界仮説」を粉々に打ち砕いてくれた一冊。注意したいのは、「嫌なヤツ」とは嫌味ばかりだったり性格に難がある者を指すのではなく、ズル賢く、自分をよく見せるためにうまく嘘をつく者を指す。サッカーの監督においても、名称と呼ばれる人は押し並べて嘘つきである。非力な自分にできることは、そういった嘘からいかに自分を守るか、周囲の人間を守るかを考えることだけである。社内政治や他の活動で権力を持つことは、これに役立つだろう。出世するぞ。
ただ、注意すべきはこの本はアメリカの企業文化に基づき執筆された者であり、日本ではあまり当てはまらない場合も多くあるだろう。企業にも依る。だからあまり悲観しすぎるのもよろしくない。
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リーダーシップの理想と現実のギャップを知るため、読みました。最も印象的だったのは、自分のことは自分で考え、リーダーシップ神話に頼るのはやめる。いかに優れたリーダーも、人間である以上は完璧ではない。自分の利益は自分で守り、自分の幸福は自分で責任を持つ。です。思考停止に陥らず、事実を見て、自分の頭で考えて行動することの重要性を再認識しました。
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今流行りのオーセンティックリーダー、サーバントリーダー、心理的安全性などの理論はどんな外部環境、内部環境を前提としているのか整理しておく必要があると思った。
現実は上記のリーダーシップ理論が前提とするような綺麗な世界では無いので、思考停止で様々な理想やテクニックに飛び付かずに自分の周囲の環境を冷静に分析して最適な理論を変幻自在に使い分けることが重要であると感じた。ただし、リーダーの表と裏の顔をメンバーに気づかれないように。
また、会社やメンバーに期待や過渡な依存をせずに自分で判断することも重要だと思った。
私はリーダーとして自分、メンバー、部署、会社、顧客、社会の全てにメリットとなる戦略を描き、それを実現するために必要なリーダーシップを状況に応じて選択、発揮して行きたいと思う。
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自分もなんだかんだリーダーシップが求められる立ち位置だな、立ち振る舞いを考えないとなーと。
リーダーシップとは!
自己啓発本!
わくわく!
期待!
いや、薄々気づいてたんだけどこういうのって無駄なのね…
半分気づきながら、絶望を感じながら社会を生きてるけど
この著者の考えでいうとそれはそれで考え方として正しかったんだなーと。
100%本当のことを言っている上司はいないし、その話し方はたまに嘘を織り交ぜながら、現時点で言えないことは言えないとはっきりいうのではなく論点をずらすって人が多くて。
というか知らないから答えられない、
自信と確証がないので自分の言葉に責任がとれない。
多分そんなとこだろうなーと冷めた目でみつつ。
人の親としてどーなの?て思うような行動もたくさん見てきたけど
まぁそんな人もいるんだよね結局。
働きアリの法則をリアルに目の前で見たりとか。
もうどうにもならんから自分でやるしかないんだろなーて思ってる。
というわけで読んでも全く励まされない本だった。笑
萎え〜
でもリアルがここにあります。
仕事は仕事の人格でがんばることにいたします。
熱くなれ。しかし熱くなりすぎるな。
※※※
以下文章引用してます
世界は往々にして公正ではないのであり、そうわきまえることだ。そして、自分の身は自分で守り、自分の利益は自分で確保するほうがよい。(中略)リーダーシップ神話に頼るのをやめたら、あなたはもっとずっとうまくやれるはずだ。同時に、信頼に値しない人間を信頼して裏切られたり、失望したり、キャリアを台無しにしたりする危険性も大幅に減るはずである。p262
これがすべてだと思う