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紙の本

悔しがりながら昂らされていくクール熟女の艶

2018/05/16 00:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

ほぼ全編に渡ってタイトルのごとき「彼女の母」42歳の怜悧な風情と責められての昂り恥じらいギャップが堪能できる作品。仕事がデキない訳ではないのだけれども意欲に欠ける26歳の主人公に厳しくあたる敏腕課長【礼子】は、飲み会で知り合ったという可憐で従順な年下の彼女【千佳】の母親だったという関係性。裸エプロン&両手緊縛で交わっていたところへ鉢合わせとなり、娘に何てことをと憤る礼子に身代わりを要求したところ、苦渋ながらも受け入れたことで関係が始まる。ちょっとした言いなり系と言える。

オフィスの会議室に温泉旅行へ向かう深夜バスの車内といった声を出せない状況下で責めを受けて悶絶する礼子がいやらしい。まあまあ卑劣漢な主人公ではあるが、かと言ってシリアス&ダークな凌辱というテイストでもなく、何と言うか、誘惑系を好む諸兄でも堪能できる雰囲気がある。嫌々ながらも昂る愉悦には抗えない礼子の痴態がそうさせるのだろうか。一歩手前でお預けとばかりに焦らされ続けたことで疼きを抑えられなくなった礼子が旅館の露天風呂で主人公と刹那のイイ雰囲気になったこともあり、結合した際には官能極まり、取り乱している。高飛車な態度を崩さぬよう努めても弱点を責められては抗えずに喘いでしまう礼子の魅力はなかなかのものである。

後半はこの作者が得意とする活劇展開。社内で勃発した社長交代人事の真相究明である。幹部のクーデターらしき匂いを感じて動き出すが、まずはターゲットと定めた幹部のネタを探るために秘書を堕とす主人公。礼子と少々カブるような高飛車振りだが、これを陥落させた後は取引先の女社長から重要なネタを聞き出すため千佳も協力することに。これには千佳でなければ聞き出せない理由があり、それによって束の間の百合展開もあったりするのだが、後にその方面へ開花してしまった千佳の動向が結末に関わっている。面白味のある謎解き展開が繰り広げられているが、官能第一だと冗長に感じるかもしれないので、ここは物語と線引きして読んだ方が良さそうである。相応に面白味を持たせた展開になっている。

そして礼子の羞恥は最後まで終わらない。黒幕に囚われるというベタながらナイスな終盤でも礼子は結果的に焦らされている。危機一髪のピンチは当然ながら官能的なピンチでもある。だがしかし、このピンチによって昂りに昂らされてしまった礼子の方が見どころであり、遂には自ら初めて主人公を求め、旺盛に貪っている交合の淫猥さが破壊力を伴っている。もっと頁を費やしても良かったくらいだが、クールな女傑が淫らに堕ちるいやらしさがある。

最後の最後は割と軽いタッチで呆気ない幕引きとしているが、礼子や千佳の心まで完全奪取に成功しては主人公が浮かばれ過ぎというオチであろう。肩透かしな結末と言えそうだが、それでも懲りない一面を見せる主人公である。

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